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April 28, 2005

●「戦争請負会社」を読む

●「戦争請負会社」P・W・シンガー著 日本放送出版協会 2500円
 先にもご紹介したPMF(privatizedmilitary firm・民間軍事請負企業)のお話。違法駐車の取締を民間委託を始めたと思ったら、ついに日本でも刑務所の外注化が具体化していることが分かった。セコムに委託するんだそうだが、ICタグを使って檻はなくなるとか書いているから、シュワちゃんの映画のように恐ろしいことだ。歴史的にみると傭兵集団は、基本的に自分たちだけを守り、あわよくば地元の人々を食い物にしようという一時的な兵士の集団が、一箇所かそれ以上の土地から計画的に支払いを受ける恒常的な軍事あるいは経済的組織へと進化したとある。何やらこれは日本における専業武士の出現と極めて似通っている。
 そして彼らは自分たちを高く売り込むために、中世以降、意図的に自分たちの獰猛さと残酷さを物語りにして広め、思慮に富んだマーケーティング戦略を展開してきた。そして彼らは勅許冒険事業にも参加するようになる。それはたちまちそれ自体が軍隊であるかのように振る舞いだしだ。そして商業網を支配したばかりか、自前の軍事力で自らを守るようになっていく。
 近年では東西対立が終わってから剰余武器がかなり自由に手に入るようになってから武装が比較的簡単になった。さらに小規模な紛争やアフリカなどでは武器はあっても使い手がいないために彼ら傭兵会社が活躍することになる。あるジャーナリストは政策立案者が「汚い仕事をするためにコンサルタント傭兵を雇うという選択肢を持つとき、それはワシントン(あるいは他のどこの首都でも)にとって結果を無視したり責任をかわしたりすることが容易になる」と警告している。
 結果として、この民間傭兵部隊は、軍事知識を公的説明の責任の領域からひき外す。そうなると、政府内の権限の均衡、そしてまた政府と軍と人民との間の微妙なクラウゼヴィッツ風の三位一体とをひっくり返す可能性がある。また、民営化は、直接国家のために働く軍と、利得のために働く者との境界をぼやけさせてしまう。利得のために働く者は、現地住民の参加や指示に依存しなくなるからだ。

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