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May 27, 2005

●「植民地神社と帝国日本」を読む

▼このところかつてスカイパーフェクTVで放映された、「攻殻機動隊」TVシリーズのDVDが近くのレンタルショップにあることが分かったので4巻8話まで見た。マンガとも映画とも草薙素子少佐のイメージが違いすぎてイマイチ面白くない。バトーの声は「ER」のピーター・ベントンと同じ声だ。見ている範囲では外の敵との戦いではなく、内なる人間の怨念とか・情念はロボトミーの世界になっても永遠に続くというようなテーマに感じられる。
▼今朝の森本毅郎スタンバイは小泉首相の靖国参拝を巡って中国副首相の取った態度をどう思うか?というような内容だった。相変わらずテーマの設定の仕方がずれているわい、と思ってそのことは番組のサイトからメールで意見を書いて送った。さて読み終わった本。
▼●「植民地神社と帝国日本」青井哲人著 吉川弘文堂館 9500円
 本書は1970年生まれの著者が京都大学工学部在学中の学位論文に多少手を加えたものだから、読み物としてさほど面白くはないが、今日的状況において貴重な研究であると思う。日清戦争後日本は植民地とした台湾、中国、朝鮮(本書に取りあげられているのは)に日本の帝国支配を徹底させようとして、かなり大きな神社を意識的に建築し始めた。では明治期になって、なぜ多くの神社に隣接して神苑が作られなければならなかったか。中島節子という人は神苑は2種類に分けられるという。その目的とは1)境内の荒廃回復、2)神社としての尊厳の創造、3)参拝者のための施設の充実であった。同時に各地で有志による「○○保存会」、「○○協力会」といった神社周辺の景観保全を目的とした地域的運動が組織されていく。これらは一種の環境保全運動であるが、そこには国家神道体制を背景とする敬神思想の浸透、日清戦争・日露戦争と連動したナショナリズムの高揚、あるいは官国弊社への官費・公費補助の一般化といった背景と重なっていく。著者は戦前の遺物がわずかながらかすかに残っている、台北と韓国の南大門に作られた京城神社に些細な分析を加えている。とくに後者では京城府の鎮守として、日本国内と同じように例大祭まで行われている。切り抜かれた新聞記事によれば「延々5町にわたる、氏神様渡御」という大きな見出しが付けられている。これを運営するために氏子規約までつくられ末端区域では「町内氏子総代」が選出され、区は各々20人の「大総代」が決められた。その上の位にこのピラミッド状の階層組織は、神社費を徴収するシステムになっていた。またこの組織系統を範として、京城府では1916年9月に府と各戸各人との間を媒介し公共事務を補佐させるべく「町洞総代」を置く規則を定めている。つまり京城神社の氏子の組織系統は、ほぼそのまま上意下達式の行政末端機関になっていた。
▼きょうからゲバラの青春時代を描いた「モーターサイクル・ダイアリー」のDVDがレンタルショップで貸し出し開始になります。

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