「ヒトラー暗殺計画とスパイ戦争」
▼さいきん「きょうの目」は朝に更新しています。書くという事はかなりの集中力を必要とします。仕事が終わって帰宅し、リラックスしている夕食後、あるいは寝る前にもう一度集中しなければならない事が苦痛になってきたからです。その点朝は頭もすっきりしているので、書く時間も早くする事ができます。昨晩はMaさんが持参された焼酎はフルーティで美味しかったです。何やら館山で甕に入って売られているものだという事でした。かなり飲んでしまったので,Maさんは再びこの日のために再度買い求めに行って下さったということでした。昨夜は欠席した共通の友人浩さんの事で「ヒロシです!」が連発され、大いに盛り上がってしまいました。終わったのは9時半か10時頃ではなかったかと思いますが5時間ほど飲み続けていたので記憶が定かではありません。総武線上りの電車に乗って先頭車両のほうに向かって歩いていましたら、見慣れた顔にばったりであいました。この方は本郷で働いていて、千葉で仕事をしているわたしをひいきにして下さっています。まず絶対こんな時間にこんなところで出会うはずはないのですが、とても不思議な縁のようなものをお互いに感じて、中核駅で別れました。
▼●「ヒトラー暗殺計画とスパイ戦争」ジョン・H・ウォラー著 鳥影社 2800円
カズオ・イシグロの小説「日のなごり」を読むとイギリスはドイツとの戦争を始めるに当たってチャーチルは国内の親独グループの存在にかなり苦心している描写がある。700ページもある本書は、かなりの部分をイギリスとドイツのスパイ選に紙数を割いている。つまりイギリスの保守党の一部にはヒトラーと仲良くしていた方が、損害が少なくてすむから友好関係を保とうという考え方があったのだ。アメリカもまた、飛行機の材料に使うタングステンを南米に依存していた。そのためもしドイツと戦争を始めると、ドイツと友好関係にあるそれらの国から、材料が入らなくなるのではないかと恐れていたという。さて前者のイギリスでは当時ウィンザー卿が主流派から冷や飯を食わされていた。それに目をつけたヒトラーは彼を説得して、密かに親独政権の擁立を狙っていたが、卿はあまり権力志向をしていなかったので、ヒトラーの説得は成功しなかったという。本書の主人公ヴィルヘルム・カナリスはドイツ国防軍諜報部長官と同時にレジスタンス組織の活動家という二つの顔を持っていた。だが最後はヒトラー暗殺(爆殺)事件に関与した事により私的な絞首刑にされる。原文が学術論文のようで、しかも翻訳が下手なのでかなり読みにくい本だった。
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