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May 17, 2005

ビデオ「A2」の事など

▼15日夜11時からフジTV「情報ライブEZ!」ではイラク警備中に襲撃された斎藤昭彦さんが加わっているとされる映像が流された。これは「アンサール・アルスンナ」という組織が撮影してウェブサイトに流しているものだ。TVではそのなかに「ジャパネ」という叫び声が聞こえると称してそれを分析していた。まず声紋を比較したりするのだが、これは斎藤さんの物と一致しない。「ジャパネ」とか言う叫び声だがこれは、専門家のhiroさんに聞いていただきたいのだが、現地ではこういう日本人をこのような発音では言わない、というような「専門家」二人を呼んで、分析はアメリカに依頼したというバカげた報道だった。まずはっきりしておきたいのだが、斎藤さんは日本の丸腰ガードマンと違い、小銃で武装した警備兵であることだ。だからイラクの人々にとって友好的な日本人ではない。彼は死を覚悟して「仕事」をしている筈だから、武装勢力に囲まれて銃で応戦しているとき、自分だけ「日本人だから助けてくれ」という筈はない。攻撃側から言えば肌の色だでで東洋人を見分けられない筈である。このTVの手法というのは「帝国の傲慢」上巻にあるのだが、たとえばビン・ラディンのビデオがTV局に届くたびに、「専門家」を動員して声や顔色から彼の健康状態を分析するという、アメリカの放送局の猿まねであることだ。
▼さらにアメリカの武装傭兵警備会社を取材するのだが、場所を特定されないという条件で取材に応じていた。出てきたのはがっしりとした体躯の社長だったが、携帯型GPSと高さ1mから落下させても壊れないケースに入ったパソコンだけだった。こんなもの前者は4万円くらい、後者は80万円くらいで日本でも売っているから別に珍しくもない。珍しがっているのは、勉強不足の取材記者だけだ。さらに危険地帯に派遣される給料だが、技術力(戦闘経験)にもよるのだが月額50万円から100万円であるという。残念ながら斎藤さんもそのハート・セキュリティの高額の給料に魅せられて小銃を持って、嬉々としてアメリカ軍の物資を警備する仕事についていた人だと思わざるをえない。
▼◆「A2」前作「A」に引き続き今回は上祐(現アレフ代表)が大阪拘置所に収監されていたものが、釈放されてオウムの施設に戻って来てからの動きから始まる。今回のビデオには問題点が5つほどあるように思う。前回では荒木広報部長がメインになっていたが、今回は上祐が戻って来たので、組織をどう立て直すかということに力点が置かれ、公判に備えて膨大な資料をJRの貨車を使った倉庫から引っ張り出す。もう一つは自治体や住民組織の対応。そして河野義行さんとの面会と謝罪を行うまで。右翼団体の動き、オウム幹部と新聞記者の個人的な対話だ。今回のビデオでは某読者からも個人メールを頂いているのだが「他者との距離の遠さに希望はもてないのかと暗い気持ちになりました」とおっしゃていた。わたしも自分と他者の垣根を作って、それから踏み込んでくるものとは相容れないという姿勢を感じた。とくに河野さんとの面談では、主張を述べるだけでまったく謝罪になっていないのだ。またオウム施設を「監視」する自治会などの小屋が、目的を失ったり、内部の意見の不一致が出てきて次々解体されていくことだ。横浜にできたオウムの施設に抗議する右翼団体に、森監督は肉薄して取材する。しかしわたしには右翼の目的すら、対左翼対策という目的を失った自己アピールとしか取れなかった。つまりオウムも自治会も右翼も自己を守るために異なるものを排除する思想は、広く連帯を作るのではなく、自己の孤立を招くだけなのである。

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