「さよなら、さよならハリウッド」を見る
▼本日10日午後5時半頃からMINさん邸で「Web『鍵盤乱麻』69800ヒット記念集会を開きます。参加ご希望の方は地図をデータベースにminsantei.pdfで入れてありますすので、ご覧下さい。
▼「fidel&che」の中でゲバラ最後の場面は実際にあった事をリアルに再現しているので説得力がある。ボリビア戦闘中に左足を負傷したゲバラは、汚い兵舎に収容される。それを聞きつけたCIAが取り調べにやってきて、彼を尋問する。「われわれCIAにはゲリラ戦の教科書が一冊あるんだ。それは君が書いた本だよ。(*注「ゲリラ戦争」の事)それには「農民を味方に引きつけなければならない」とあるが、どうだ。このボリビアでは誰も味方にできなかっただろう。」そして汚いベッドに横たわっているゲバラの所にトンプソンを持った兵士が彼を処刑するためにやってくる。兵士は相手が大物なので、ビビッテいる。ゲバラは言う、「怖がらず引き金を引けよ。ただ一人の男が死ぬだけだ」と。
▼◇☆「さよなら、さよならハリウッド」かつてオスカーを受賞した映画監督(ウッディ・アレン)はもはや仕事はなく、妻(デブラ・メッシング)にも逃げられて落ち目である。元妻は今は大物プロデューサーと婚約しているが、一本の企画が持ち上がり、監督はウディに任せようという話になる。ところが撮影が始まるとプレッシャーで監督は目がまったく見えなくなる。撮影監督も中国人を雇うのだが、最終版には彼との関係もうまくいかなくなる。同棲していた愛人はオーディションで、最後に一シーンだが出演するためダイエットとエクササイズをするためにひと月ほど、どこかに消えてしまう。目が見えなくなった監督をフォローするために、エージェントや元妻は必死に彼の手や目となってつきっきりでカバーする。ところが完成した作品のラッシュ(編集前の取りっぱなしのフィルム)をこっそり見たプロデューサーは、あまりのできばえの悪さに怒りだし、婚約まで解消してしまう。事前試写会のアンケートでも不評。封切りになっても「失敗作」と新聞に酷評されがっかりしてしまう。すっかり落ち込んでいるとき、監督は目が見えるようになり、さらにパリでその映画が大評判になったとエージェントが駆け込んで来る。そしてよりを戻した二人は、もうハリウッドはやめてパリで仕事をしようと旅立つのだ。
▼つまりハリウッドで映画を作るには、プロデューサーが絶大な権力を握っている事。監督は名前さえあれば、例え目が見えなくても映画を作る事ができる。あるいは女優は、良い役を得るためには身体を張ることさえ当たり前なのだ、という事を大いに皮肉った作品なのだ。恵比寿ガーデンシネマ。
▼アエラ6月13日号に「回顧堀江騒動」という特集があり、養老孟司、池田清彦、吉岡忍が対談をしていて、とても面白かった。養老:日本は社会主義国家で、政府がこしらえた巨額借金があり、本来全部資本市場に流れなければならないのに、橋や道路などの公共投資になった。池田:今後ホリエモンみたいのがゾロゾロ出てきたら…。養老:僕はそれほど変わらないと思う。孫正義だって、すでに日本型の思考回路に取り込まれている。吉岡:それが日本の世間というものの強さかな。養老:ホリエモンだってジジイになってテレビに出てきて「近頃の若い者は」とかやるよ。池田:ネクタイか何か締めてね。養老:慎太郎の後に東京都知事になったりして、日本語を使っている限り絶対アメリカ型にはなれない。きっと暗黙のルールに取り込まれていく。日本語を使うということは、それに基づいた頭の使い方があり、観念がある。そういう文化の枠から簡単には出られない。池田:10年後ホリエモンがネクタイ締めてテレビに出てくるかな、みんなで賭けるか。(笑)
▼ビーズクルーとやらの姿がTVで目立つようになってきた。簡単なのは官公庁、銀行の冷房を禁止するのが早道だと思う。締め切られた窓では、サウナのようになってとてもスーツなどでは仕事ができないから。
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