「戦争請負人・イラク民間軍事会社の実態」を見る
▼「死の棘」は明日水曜日深夜NHKBSで放映されるようなので、興味のある方はご覧頂きたい。土曜日夕方から左目が真っ赤になってしまった。何か集中してやっているとき血管が切れてしまうようだ。タケシの番組でははないが、似たような症状で「放っておくと大変な事になりますよ」というのがあったと、家族に脅されたので、午前中の仕事が一段落したあと、近所の医者に行った。実は人間ドッグの診断書にも、「ある症状」がでているから眼科にかかるよう、注意事項が書かれていた。いずれ行こうと思っていたので近所の医者に行った。午後3時からの診断で20分くらい念入りに見てくださった。それによると、赤い目は表面の血管が切れただけで、何も心配はいらない。診断書に書かれているのは加齢で誰でも出る症状だ。ほんの少し白内障がでているが、心配だったら1年に一回くらい来てくれれば良い、と言うことだった。上記「放っておくと大変な事になりますよ」を先生に話したら、「エッ誰がそんな事言ったのですっか?」とそういう下らない番組はご覧になっていないようだった。
▼日曜日の「義経」「義仲の最後」を見たが小池栄子が巴を演じて、ただ目を大きく広げているだけで、演技なんかできないから、もうマンガの世界だ。TVでは義仲が頭を矢で射られ続いて、今井四郎が刃を口に入れて死ぬ。だが「平家物語」の原作では、今井四郎がここで防戦しているから殿は首を取られないように、「あの松原で先に切腹を」という。ところが義仲は馬もろとも薄氷の張った田んぼに嵌って動けなくなってしまう。首を取られてしまったので、今井は「日本一の剛の者の自害する手本」と言って太刀先を口に含んで、馬より逆さまに飛び落ちる、のだ。(小学館、新編日本古典文学全集46巻「平家物語」2の182P)だが「義経記」(ぎけいき・岩波日本古典文学大系)は違う記述になっているかと思ったが、義経は義仲と直接対決はしていないので、その記述は出ていない。どうもNHKの大河ドラマは手抜き、もう二度と見るまいと思った。
▼「戦争請負人・イラク民間軍事会社の実態」NHK26日夜9時。番組後半にラムズフェルドは「戦争のアウトソーシングをするときだ」と語る。何故か?公表されているだけでアメリカ兵はイラクで1500人ほど死んでいる。これはアメリカ国籍を保有している白人だけだという説もあり、死者の実数はその3倍くらいになっているらしい。ベトナム戦争当時、国内で反戦世論が盛り上がったのは、一つには米国兵の死者が増え続けたことにある。だからこのまま続くと反イラク戦争の世論がアメリカ国内で盛り上がりかねない。兵士の場合死んだり怪我をすると、傷痍年金だとか遺族年金の面倒までみなければならないので割高になる。だから技術的に優れている民間軍事会社(PMC)が登場することになる。番組には場所を知らさない、経営者の顔を写さないという条件でイギリスのPMC経営者ジョンが登場する。朝で時間がないのでテクニカルの部分は省く。ジョンは1日12万円で請け負い、「兵士」には7万円が支払われる。差額4万がジョンの懐に入る。訓練が激烈を極め、射撃訓練の他に、負傷した兵士の模型を使って出血多量の救急処置の練習まで入る。イギリスやフランスの外人部隊にいた人々が、なぜPMCに行くのか。それは中学を卒業したあと10年も兵士をやっていると、「それ」しかできない人間になっていることだ。今更民間の会社に就職などできない。一ヶ月の任務で約200万円。首を斬られたり、死ぬ事はこわくないか?人を殺す事はイヤではないかとの問いに、一人は答える。「怖いし、行きたくもない。だがこれしかないんだ。」さらに驚くべき事は南アフリカでは失業率は40%にもなっているので、アパルトヘイトがなくなって、誰でも平等に就業チャンスが増えてから、軍隊にいた白人の失業が増え、彼らがこれに応募している。さらにこちらは一日1万円と言う安さだ。現地に行ってホテルに泊まっていて自爆テロにあって頭を負傷し、右手、右足の指を失い、さらに身体に数ヶ所の重症を負った男性は、新聞のインタビューに答え「イラクには行くな」と訴えたところ、「行くにはどうしたらいいのか?」と言う問い合わせが150件もあったというので驚く。
▼地球規模で貧富の格差が広がっているなか、アメリカやイギリスは国家というシステムを使って格差をさらに広げる。貧しい人たちを制圧するために、失業した人たちを兵士に仕立てて戦場に送りこむのである。このところをしっかりおさえておかないと、日本でも食えない若者が自衛隊に入って、戦場に送りこまれる事が加速していくであろう。*これは今晩午前零時からNHK地上波で再放送される。
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