袖ヶ浦「ダチョウ王国」を訪ねる
▼みなさんはJRのスキーのCMを覚えていらっしゃる事と思う。昨年から登場したこのCMだが、さまざまなジャンプしてスキーをする駝鳥に驚かれたことだろう。ところが今年のは駝鳥がダンスをしてクルクルまわりながら踊って滑るのには度肝を抜いたにちがいない。あの中に人が入っているのではないかと思った方もいたかも知れない。しかし実はあの駝鳥たちはこの駝鳥牧場の鳥たちなのだ。袖ヶ浦町に「東京ドイツ村」という小さなテーマパークがあるだ、そのすぐ先にこの「ダチョウ村」がある。元々これは別の人が経営していたのだが、今年の春からある事情で現在の常南グリーンシステム(株)の矢口隆文社長が引き受けることになった。
▼本社は茨城県石岡市におおきな「ダチョウ王国」があり、そこには1000羽のダチョウがおり、これは我が国最大の規模を誇っている。なぜダチョウなのか?矢口氏は会社の名前のように緑化が本業だった。具体的には東電の送電線を建設した後を、どう緑化するかというのだ。その仕事も頭打ちになったとき、何か別の仕事を始めなければと四六時中考えていた。96年にたまたまスイッチを入れたTVで中国のダチョウ経営が写っていたので、思わず「コレだ!」とひらめいた。人を介して中国に視察に行くが、中国の元に換算して5000万円必要だというので止めた。沖縄にも経営している人がいるという行ったが、契約しないと「企業秘密は教えられない」というし、雛が1匹20万円もするというので止める。原産国の南アフリカにも行った。別の友人を介してアメリカの牧場を視察するが、そこでようやくノウハウを教えてくれ、しっかりとした経営をしている所を見つけて契約にこぎ着ける。
▼雛の値段は一羽1万円で、500匹の契約をする。輸入しても大半は死んでしまう、と沖縄の経営者が言っていたので、念のため100匹ずつ小分けにして輸入するが特に問題はなくすくすく育った。470匹まで輸入したとき、現地でニューカッスル病が発生して、個体の移動ができなくなったのでその数で出発することになった。死んだ個体は約1割だったが特に問題はなかった。
▼普通このような家畜を飼育すると糞尿の処理が大問題となる。しかしダチョウは解剖してみると分かるが腸の長さが20mもあって食べたものは完全に消化されるので、糞はほとんどでないし、匂いもしない。雑食なのでそこいらに生えているセイダカアワダチソウまで食べてしまう。近くで「あげる」という人もいるのだが、刈り取るための人件費の方が高いのでトウモロコシなどの輸入したエサを使っている。
▼「元々ダチョウがお好きなのですか?」と聞くと、「いやそれほどでもないですが可愛いです」と目を細める。食用になるのは2歳くらいまでなのだが、ここ袖ヶ浦にいるのは7歳くらいの成鳥の種鳥たちだ。まだ施設の工事が進んでいる王国の中ではダチョウの皮で作ったオーストリッチのバッグ類から羽根の飾り、直径12cm、長径17cmほどはあろうかという巨大なダチョウの卵の殻も1個2100円で販売している。3歳くらいまでは年間30~40個の卵を産むという。この卵からは30人分くらいのオムレツを作ることができる。
▼併設されているレストランでは、ダチョウの肉を頂くことができる。取材の日は刺身、砂肝、レバーなどを頂いた。いずれもさっぱりして動物の肉とは異なるくせのない味だった。もちろん伊達巻き卵も頂いたが、これも鶏卵よりもさっぱりした味だった。JRスキーのCMの話を伺ったのは、取材が終わって帰り支度を始めてからだった。取材の方は何度も何度も大勢のスタッフが来られました。上から撮りたいとか、柵の中に入りたいとか注文が多いのです。もしもの事があるといけないので、わたしも一緒に柵の中に入りましたと矢口社長。ダンスはね、早朝天気が良いと一匹が始めるのです。クルクル始めるとみんな次々我も我もと一緒にダンスを始めて、それはそれは美しいですよー。おそらく気分がハイになったときやるのでしょうけど、中には回っているうちに目が回って倒れてしまうダチョウもいて滑稽です。写真が好きな方なら、ぜひ一度朝早くダンスを見に来てくださいと声をかけてくださった。お別れの時大量のお土産を頂いたがMINさん宅で開いた『鍵盤乱麻』Web7万ヒット記念集会で参加したみなさんと一緒に頂いたことは言うまでもない。
▼11日昼「戦国自衛隊1549」は見ているが、仕事で忙しいので感想は12日朝を待て。どうしても早く知りたい人は高地まで電話連絡せよ。ちなみにこのDUKE「ホンモノを使えば…」の書き込みはわたし高地である。
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