「ラベンダーの咲く庭で」を見る
▼金曜日の夜NHKBSでアメリカ映画ベスト100曲という番組があった。こういうのは全部リアルタイムで見ていると時間がいくらあっても足りないので、録画して必要なところだけ見た。そこではわたしがもっとも好きな映画「カサブランカ」の挿入曲、「時の過ぎゆくままに」がベスト2に選ばれていた。コメントする人曰く、良い曲とは「場末の酒場で自然に流れてくるような曲だ」というので、思わず納得した。
▼昨晩の12ch「土曜スペシャル、にっぽん名山紀行」で女優の岡みつ子は佐久平で下車して小海線を使って八ヶ岳を一週していた。その2番目に下車した駅が、わたしが高校時代下車していた「中込(なかごみ)」で、現地ではいまアカシアの花が真っ盛りで、その花から作る養蜂家を紹介していた。そのほか様々な花から採取した密があるので、行ってみなければと思った。
▼昨日の分を取り返すべく澁谷に出かけて映画は2本見てきた。
◇☆☆「ラベンダーの咲く庭で」1936年頃のイギリス、ドーバー海峡に面した海岸の村に住む老婦人のお話。台風が去った朝いつも散歩している浜辺を見ると何か人間らしきものが打ち上げられているので、駆けつける。村人を呼んで担架で家まで運び医師を呼んで見せると、足を骨折していることがわかる。姉は80過ぎたジャネット(マギー・スミス)で妹はちょっと下のアシューラ(ジョディ・デンチ)だ。最初言葉が通じなかったが流れついた青年は、ポーランド生まれのアンドレア(ダニエル・ブリュール)だという事が分かる。姉がたまたま二階でピアノを弾いていると、「聴くに堪えない音だから止めてくれ」と叫ぶ。ならば自分で弾けというのだが、自分にはヴァイオリンが良いというので、近所の名器を持っている男を呼んで聴かせるが、それも納得いかず、アンドレアが弾く。その美しい音色にみんな圧倒されてしまう。以下わたしの想像なのだが、ジャネットは軍人だった夫を亡くしているが、妹は結婚しないまま現在に至っている。そして孫のような青年に淡い恋心を抱いてしまう。この心理的な変化を演じるデンチの演技は素晴らしい。青年は村人とも親しくなっていくが、彼の演奏するヴァイオリンの音色を、たまたま村に絵を書く勉強に来ていた若い女性オルガ(ナターシャ・マケルホーン)の耳にとまる。彼女の兄はヴァイオリンの名演奏家として知られており、さっそくそのことを手紙で知らせる。そして兄からは、「演奏会まで至急アンドレアを連れてこい」という返事が来る。アシューラ姉妹と別れも告げずに汽車飛び乗るようにして、ロンドンに旅立つアンドレアとオルガ。ラジオ放送の日、アシューラの家には村人が正装してやってきてラジオを囲む。そして姉妹はコンサートホールに駆けつける。演奏会後のパーティで再会する3人、「あの時は別れの挨拶もせずにゴメン」、「いいのよ」と姉妹。一言二言しゃべるまもなく、「○○○卿がお呼びです」の声がかかる。アシューラは未練を断ち切るように「さあ帰りましょう」と姉を促す。もうかなり泣けてしまいました。澁谷ルシネマ。
▼◇あと「リチャード・ニクソン暗殺を企てた男」を見たが、これは明日の朝書く予定。ポリティカル映画かと思ったがそうではなかった。
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