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July 09, 2005

「ヒトラー、最後の12 日間」を見る

▼渋谷シネマライズで、朝一番の10時15分に並ぶ。ギリギリだったので、固い通路に2時間30分も直に座り、いささか疲れる。さすがに戦闘シーンは本場の迫力。Kouchi(Mobile)
▼昨夜は来週の七夕飲み会まで待てない人がいるというので、急遽飲み会を始めた。あり合わせのものと、近くのスーパーであまり手をかけなくても良いものだけを買ってきたものた。テングサさんが以前差し入れて下さった、スパークリングワインのようなものを飲んだらすっかり酔っぱらってしまった。電車も途中までは覚えているが、記憶があまり定かではない。また某読者は神谷バーの「電気ブラン」を差し入れて下さったので、来週七夕飲み会にいらっしゃる方は、ビキニの水着と共にご期待いただきたいのである。
▼そんな事もあって今朝ブログをチェックしたら、更新をしていないので余程参った野かと思っていらっしゃる方もいたようだ。わたしは毎朝パソコンに向かって朝食前に「ブログ」をせっせと書いているので、土・日くらいはゆっくりさせて欲しい。まぁチェックして下さった方々には申し訳ないが、土日は更新時間がいつもと異なることもあるので、ご了承いただきたい。今朝は9時に打合せがあった。二日酔いでぼけっとしていたためか、駅に着いたら定期券がなかっった。打合せを済ませて、仕方なく自宅に戻ったので「ヒットラー最後の12日間」を余裕を持って並ぶことができなかった。それで立ち見というか、チケット売り場で「超満員で2時間半立ち見でも良いですか」と念を押されたが入ってリノリウムの床に直に座る羽目になった。
▼わたしはヒットラーとスターリンものの本はたくさん読んでいるので、それ自体は目新しいことは何もなかった。ただヒトラーを狂気の人と考えるのは簡単だ。しかしそれをその様な一言で片づけてしまったのでは、元も子もない。先日HP研究会の時、ニュルンベルグ裁判でナチスの幹部たちは自分のやったことに自信をもっていたから、堂々としていた。ところが東京裁判で、A級戦犯は皆一様におどおどしていたが、この違いは何だろうという話になった。1942年のある深夜、女性秘書やタイピストを募集しているという命令を受けて5人の女性が、ヒトラーの地下司令室にやってくる。みんな「総統に挨拶するときはどうすればよろしいのでしょう」と側近に聞いたりする。側近は「ハイルヒットラー!」などと言わなくていいから自然に振る舞えとアドバイスする。ヒトラー直属の秘書だった若い女性トラウドゥル・ユンゲは聡明でかつ、ウ、美しい!最初ヒトラーがタイプを使った口実筆記をさせて試すのだが、彼がしゃべり終わったとき、何とタイプは終わっていたので大いに気に入られる。わたしもこういう女性が現実にいたら、高給で雇いたいものだ。話はそれからいきなり終戦の12日前に進行する。ヒトラーはもはや戦局を冷静に分析できなくなっている。イギリスに自ら飛行機を運転して直接交渉に出かけたヒムラーを呪う。ゲーリングも無能だと、その場にいない閣僚を片っ端から呪い続ける。とにかく一番気に入らないのは、国防軍のようだ。そして将軍たちを呼びつけては防衛網をしっかりせよ。新しく師団を編成して打って出ろと命令を連発するが、ガソリンもなくて戦車も動かせず、味方の兵力は失いかつ分断されせ再構築の見込みはない。ヒトラーは「スターリンのように将校たちを殺しておけば良かった」とさえ言い切る。そして爆弾を持ったいたいけなヒトラーユーゲントまで動員される。貧すれば鈍するとは良く言ったもので、日本の特攻隊と同じものが考えられる。
▼これは映画では説明されていないが、パンツアー・ファウストという組織で自転車に対戦車爆弾(RPGのようなもの)をもって体当たりをさせるものが考えられる。映画では自転車はないが少年たちが米軍戦車に体当たりをさせられ、2台もやっつけたという少年がヒトラーに褒められるシーンがある。SSだけがヒトラー最後の心の拠り所になり、隊長に、「自分がエバ・ブラウンと自殺したあと死体を消却せよ」という命令の実行を約束させる。だが現実にはその死体消却用のガソリンさえ手に入らないので、車から抜いて持ってこいと命令せざるを得ない。「一番初めは」という童歌があのだが。ご存知だろうか?「一列談判破裂して、日露戦争始まった、さっさと逃げるはロシアの兵、死んでも尽くすは日本の兵、5万の兵を引き連れて、6人残して皆殺し、7月8日の戦いに、ハルピンまでも攻め寄せて、クロポトキンの首落とし、東郷大将万々歳、大山大将万々歳、中条大将万々歳」ふとこの映画を見ていて、新に「死んでも尽くすはドイツ兵」というものを作ってもよいのではないかと思った。彼ら将軍や地下要塞にいる側近たちは、影でヒトラーの悪口を言いながら、面従腹背を地でいく。総統と誓ったから戦うと勇ましい言葉を吐く。つまり自分の今の地位が惜しいからヒトラーが無理難題をおしつけるとは分かっていても、表だって抵抗すると殺されるから仕方なく付いていく。そのくせ地下要塞では酒盛りが行われ、ダンスパーティの狂乱が繰り広げられる。そして地上では、死にものぐるいで戦っているナチス兵士に、最高の名誉である「鉄十字賞」が乱発される。
▼ゲッペルスの妻子が6人の子どもに毒を飲ませるのも実話通りに表現される。ただ全体として淡々と描きすぎる嫌いがあって、爆撃で死体が散乱したり、傷病兵の手足を切断する手術など悲惨は伝わってくるが、感情移入はできなかった。リアルさという点では、ナチ最後の突撃銃MG43が頻繁に出てくるが、これは初めて目にした。あと動かないが原寸大のティガー1号型戦車は迫力ある。スピルバーグの映画は旧ソ連のT34あたりを加工してティガーに似せているので、小さくて迫力にかける。主人公はあくまでもユンゲなので、2年前になくなったご本人が登場する。わたしはユダヤの大量虐殺の事を当時知らなかったが、戦後自分と同じ年齢で自分が秘書に採用されたとき殺された娘さんの銘板を見る機会があったが、知らなかったではすまされないことを思い知った、という言葉で締めくくられる。

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