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August 29, 2005

「ふたりの5つの分かれ路」を見る

◇「ふたりの5つの分かれ路」家裁だと思われるところで、離婚に関する手続きをして、法律上の義務、一人息子の養育権に関する説明を聞く元夫婦ジルとマリオン。止せばいいのに二人は、お別れの記念にホテルへと向かう。いつもの手順でベッドインする二人、だがそこで昔の関係が復活するはずもない。ジルは「いつも君は自分が正しいと言っている」となじり、身支度をして部屋を出るマリオンに「もう一度やり直さないか」と懇願するが、さっさとドアを閉めて立ち去る元妻だ。実はこれは5つの話の序章で、ここから時代は昔へと逆行していく。「小さなパーティ」、「出産」、「結婚式」、そして恋に落ちてしまった「出会い」篇だ。このように逆転していくので、注意して見ていないと、見終わっても何が何なのか分からない。ちょうど「アレックス」の後半が逆転していたのと同じである。そして場面が転換するたびに挿入されている70年代のポップス。昨日発行になった某新聞では「イタリア音楽」と書いてあったが、この映画記者は耳が悪いのか?「煙が目にしみる」とかプレスリーだって2曲入っていたのに…。
▼70年代の音楽を使ったのは、昨年の「チルソクの夏」がうまかった。下関が舞台で韓国と日本の高校生の、陸上競技選手たちの交流と甘酸っぱい初恋を描いていたっけ。さて本論。別れがあるという事は、いきなりそうなるのではなく、その傷口になるものがどこかにあるはずである。第二話の原題では「ディナー」となっているが、ワインとクラッカーだけだから、わたしは敢えて「小さなパーティ」と書いた。夫の兄とその同性愛の相手であるモロッコあたりの青年が登場する。話はレズビアンの妊娠方法にまで及ぶのだが、マリオンはあきれ顔で話を聞いている。パーティが終わってからも、それほど楽しかったという風もなく、夫の指示で自動皿洗い機に皿をセットして終わる。
▼「出産」ではたまたま検診に行ったマリオンが、胎盤の様子がおかしいので、緊急出産をすることになる。しかも夫が仕事に忙しがって、出産に立ち会えない。マリオンの母が先に云っていて、「難産だったのよ」となじる場面がある。そして夫は優しい言葉をマリオンにかける事もできずに立ち去ってしまう。話は飛ばすが、「出会い」の舞台は海外のどこかのリゾートである。飛行機に乗り遅れたマリオンはホテルへ逆戻りして、ゴーグルをつけて海で泳ぎ始める。偶然そこに取引先のジルが来ていてばったり出会う。ジルはガールフレンドと来ているのだが、彼女は少々嫉妬深い。翌日彼女は一人でハイキングに行ってしまうのだが、二人はヨットが沖に浮かんでいる夕焼けの海で泳ぎ始める。何とこれが二人の絆をつよめるきっかけになったのである。
▼「8人の女たち」、「まぼろし」、「スイミングプール」のフランソワ・オゾン監督の最新作。淡々と描かれる、ごくありふれた夫婦の日常的。絆がつよまるきっかけも、わかれるきっかけも、ごくささいな事から始まるのであろう。見終わると自分にもいくつか思いあたる所があって、「うーむわたしは大丈夫だろうか」と思ってしまう。日比谷シャンテ。

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