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August 15, 2005

「千葉の軍事鉄道」下

▼昨日は「きょうの目」にもう一本書くべく、データを漁っていた。それは9日にフィリッピン沖をリムパックかなにかの演習で参加していた、海上自衛隊の護衛艦「しらね」で、12・7ミリ機関銃の実弾射撃訓練中に銃が暴発して、薬きょうが破裂し金属片が男性二等海曹の左胸に刺さり、けがをしていた事件が起きた。ネットには流れたが、記事にした新聞社はわたしが知る限りたった1社だった。隊員はシーホークでマニラ市内の病院に運ばれたという。このキャリバー50ブローニングの重機関銃について書こうと思って資料を探しているうちに、インターネットの隘路にはいってしまった。一度書き上げたが自分の思う方向に行かなかったので。削除してしまった。
▼一閣僚が参拝したのと同じ14日午後わたしは靖国神社に出かけた。ここに来る度ににわたしはタイムスリップしたような気分になる。ギターで軍歌を演奏する老人、零戦Tシャツを売る青年。集団で上京して参拝する遺族会の面々…。それを待ちかまえている新聞社、通信社、TV局のクルー。あんなのを取材して報道するのは、わたしは犯罪ではないかと思う。ドイツだってイタリアだってそんな侵略戦争を賛美する宗教行事など無いはずだ。一切報道しなければ、良いと思うのだが、ふと参拝を報道されることによって、遺族会の「票」が取れるのだろう、というのではないかと思えて来た。脇のTVクルーのハンディ・トーキーが鳴った。「警視庁から遊就館」「遊就館です、どうぞ」とSW(所轄警無線)を使ってTVクルーがこたえる。おやおやTV局はいつから警視庁の手先になったのだろうと思って見た。よく見るとTVクルーは「警視庁」の腕章を巻いた内部専属のカメラマンたちだった。一体なにを撮ろうというのだろう。わたしの目的は遊就館(宝物遺品館と言っているが、実態は軍事博物館である)、のなかにあるC56蒸気機関車を撮影することである。
▼遊就館1階の無料で入れるところには、零戦やら野砲が2門並べられて、そっちは人だかりがしている。しかし零戦の後ろにあるC56は見向きもされない。じつは筆者はC56に限りない懐かしさを覚える。というのはふる里の小海線を走っていたのはこのC56であるからだ。ただこの遊就館に展示されているC56は曰く付きのものである。みなさんは1957年の「戦場にかける橋」という映画はご存知であろうか?1943年のビルマ戦線で日本軍は捕虜にしたイギリス兵を使って、この軍事鉄道を敷設した。捕虜の数4万6千名、そのうち1万6千名が飢えや、伝染病、劣悪な労働条件のため死亡している。それが故にこの泰緬鉄道は「死の鉄道」と言われている。だが遊就館の説明では「1年3ヵ月という驚異的なスピードで建設された」と記されているだけだ。そしてに遊就館展示されている31号は泰緬鉄道の開通式に走ったと書かれている。
▼さて、軍事鉄道のうち千葉→千葉公園の間は昭和59年までは国鉄レールセンターの専用線として使用されていた。千葉公園内を散策すると架橋演習に使用した橋脚の一部やトンネルが残っている。千葉公園の野球場がある場所は鉄道第一連隊の広大な演習所があったところで、大きな車庫や引き込み線が多数あった。そして上記の泰緬鉄道と鉄道連隊の関わりであるが、第五、第九鉄道連隊が従事したと記録されている。また綿打池のボート管埋事務所先の高台一帯は、荒木山と呼ばれていた。これは昭和7年9月日本軍の満州占領に反対する張学良軍らと戦った鉄道第一連隊の荒木大尉が、任務遂行中に戦死したことを讃えた記念碑が建っていた場所であった。しかし歴史的に見ると彼のとった行動は、中国の独立解放闘争を否定するものだっため、今は碑だけが残されている。
▼今回の千葉の軍事鉄道の最後は小湊鐵道構内にある機関車である。これは前回ご紹介した千葉経済短期大学にあった陸軍兵器補給廠に残されていたものである。小湊鐵道の機関車保管場所は係の人に頼むと誰でも見ることができるが、入って一番手前にあるのがB104鉄道省がイギリスピーコック社から購入した550型テンダー機関車である。その後タンク機関車として改造されB10型となった。その後陸軍の千葉鉄道連隊に譲渡され、戦後国鉄へ移り小湊鉄道へ譲渡されたもので、昭和55年千葉県文化財に指定されている。千葉の軍事鉄道は奥が深く、今回2回の連載でご紹介できたのは、その入り口で全体の2割くらいではないかと思う。また来年度以降機会を見て取材してご紹介したいと思う。(関連画像はデータベースにあります。)
▼さて昨日夜中にM編集長とメールで意見交換をしたら、これを900字にせよという。一体どこを残したらいいものやら、頭を抱えている。

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