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November 23, 2005

今年最高の◇「灯台守の恋」

▼生命倫理問題はいずれ書くことにしたい。というのは、読む人に分かってもらう文章を飽きずに最後まで読んでいただくというのは、かなり集中しなければならない。休日はそんなに脳みそを集中したくないというのが本音である。
▼家では食べる材料のかなりの部分を東都生活協同組合から共同購入している。「コープときょうもあるではないか」といいう意見をお持ちの方もあるいはいらっしゃるかも知れないが、あそこの商品政策はわたしの考え方と相容れないのである。そのことを何度も言っているのに後者の職員はしつこく勧誘に来る、「お宅はイヤだ」と何度も説明してもよく分かっていないようだ。ある曜日の午後はその生協の配達になっている。その商品を入れるシッパー(魚屋さんなどで使う発泡スチロールの保冷箱)が我が家はかなり多い。狭いベランダに一週間おいておくと他の事ができなくなってしまう。地区担当(配達の職員さん)のH君に相談して、およそ我が家に何時頃に配達に来てくれるか携帯に連絡してもらう事にした。わたしは時間が分かったら可能な限りその時間には自宅にいて箱は持ち帰って貰う事にした。担当H君の配達地域では我が家が一番の大量に買っているのだという事がそのとき分かった。
▼そして某日H君がやってきた。先週は足に怪我をしたと言っていた。そしてその日は財布を職場に忘れてきたが誰も届けてくれないとこぼしていた。すると免許証も持っていないし、「昼もまだなのじゃないか」と聞いたら「まだ」だという返事だった。ちょと待てとわたしは言ってフォションのフランスパンを二切れ大きく切って、生協のマーガリンをたっぷり塗って「ほら食べて元気出してー」と言ったら「ありがとーございますー」と泣き出しそうな声を出して感謝された。
▼金曜日は定期検診である。しかし久しぶりに検査をしましょうとレントゲンから、検便の用具まで渡された。待てよ、わたしは5月に人間ドッグでX線検査をしたばかりである。これはおかしいから拒否しよう。それに通常わたしの検査は血圧だから検尿と採血で十分な筈なのだが、なぜ検便なのだ。担当医はもうろくしてしまったのだろうか?どうも当てにならないなー。
▼◇☆☆☆「灯台守の恋」ブルターニュ地方の小さな島ウエッサンにある小さな灯台に一人の男アントワーヌが赴任して来る。彼はアルジェリア戦線に行っていたが左手を負傷している。今でこそ無人自動化されている灯台になっているが、当時は船で渡りロープとケーブルで荷物と人間を運び上げなければならないので、波が激しい時の作業は一歩間違えば命がなくなるほどだ。小さな島の漁民たちは未熟な新人のよそ者が来た事を快く思わない。それどころか拒否の署名まで集めようとしている。相棒として経験者イヴォンと新人が二組になって灯台に渡船でわたるのだが、狭く小さな灯台という空間でぶっきらぼうにしていては仕事にならないので、次第に心を開いていく。灯台の勤務は2週間やって交代し、空けになる。ヒマなとき漁師の仕事をしたいと希望するが、みんな手に怪我をしているのでそっぽを向かれ、缶詰工場で女性と同じ仕事しかやることがなかった。それでも缶詰の蓋を圧着する仕事に精を出す。イヴォンが灯台に勤務しているとき妻のマベは缶詰工場に働き、夫との絆は唯一無線通話だけになる。村人から疎外されているアントワーヌだが昔時計技術者で器用だったことからマベと親しくなっていく。そして妻のいないアントワーヌにとってマベは自分にとって唯一の女性に思えてくる。波の荒い夜に灯台で勤務していたアントワーヌはイヴォンから二人の間にはどうやっても子どもが産まれないと告白される。フランスの革命記念日の日この地方では花火が打ち上げられる。何発も打ち上げられる花火に狂喜する村人たち。その物陰でアントワーヌとマベは結ばれる。花火が盗難にあったとかで大会は途中で終わりそうになるが、実はイヴォンが灯台に運ばれてそこから打ち上げられ村人から拍手喝采を受けるのだ。そしてイヴォンの誕生日アントワーヌがなぜ左手がないか告白する。そこにはアルジェリアに行っていた職業軍人も来ているのだが、「何俺たちフランス軍はナチと同じだったのか」という言葉が出る。つまりアントワーヌはアルジェリアの農民を捕らえて拷問する任務を押しつけられていた。それはオリーブの種を潰して油を絞り出す器械を使って農民をゲリラの行方を聞き出す拷問していたのだ。指が折れ骨が折れるのを耐えられなくて、拒否したところアントワーヌが上官にその拷問を受け左手が使えなくなってしまったというのだ。
▼自分たちのフランス軍は、アルジェリアでナチと同じだったという告白に驚愕する漁民たち。そしてコーヒーショップの娘から好意を持たれていたが、「ここにはもう自分の居場所はない」と決然と去っていく。そして残されたのは修理が終わった亡き父の残したバンドネオンだけだった。物語は両親が残した、灯台が見えぬ土地を売る契約にやってきた一人娘の回想録という形になっている。その成人した娘カミーユがアントワーヌが残した小説を読むという形で話は語られる。だからつまりカミーユはアントワーヌのマベが過ちをした晩にできた一粒だねだったことを確信する。そして家を売るのは中止するという話になっている。アホなハリウッド映画よりわたしは、こういう狂おしいような愛の映画が大好きなのである。見終わったあとスウッーと涙が一筋伝い落ちる。これ一本だけみれば、もう今年は他の映画など見る必要はない。隣の席に座っていた女性も最後の5分くらいから泣いていた。
▼今度は母がホッと知ったせいか混乱しているので、明日長野まであさまで日帰りで介護帰省してくる。映画はルシネマの「青い棘」を見たが明日書くつもり。

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