信州は冬の寒さです。
▼午後6時に佐久平に着くとケアマネジャーさんに電話する、明日の面会の約束を取ろうとすると、別の職員の方が担当のケアマネジャーさんは外出中で明日は定休日だという。「これからすぐ会いたい」とお願いして、自宅までタクシーを飛ばす。実家に入ると父が母を羽交い締めにしている。わたしが「可愛そうだから放せ」と言うと目を三角にして「お前はたまに来るくせに。態度がでかい」と怒る。こんな時は警察を呼ぶべきか?義弟に携帯で救いを求めると、「恐ろしい経験をすると、それがトラウマとなり、いざ入所するときフラッシュバックして、逆に困難になるのですべきではない。親しい人を呼んでなだめ、水等を飲ませよ」、という。やがて妹も車で駆けつけて来たが腕の力は弱まらず、母のクビに回る力は強まっているように見える。あたなたならどうするか?隣に住んでいる父の弟の言うことなら聞くから助けを求めようと走っていく。しかし叔父は留守で、代わりに叔母さんが駆けつけてくれた。しばらくは興奮は納まらなかったが、叔母さんの優しい説得で「お茶でも飲もう」という呼び掛けに乗ってきた。
▼それから30分くらいして父の表情は穏やかになり、叔母さんがむいてくれたりんごを食べ始めた。そして「さっきは悪かった」と目に涙を浮かべて、周囲にいる人たちに謝るのだ。思うに母の何かに不満があり、(この年齢の夫婦に多いが、かまってくれない。無視されるetc)などもはや関係を修復するのは難しい多々の問題が横たわっている。叔母はりんごの収穫が終わる来週には、一日2回お茶を飲みに来てくれると言ってくれて、さらに両家の間に緊急警報装置を付けようと言ってくれた。後者は市の補助がでるらしい。母と先日の卒寿の後始末をしていると、再び起きてきたので両親の寝室に注意力を集中し、警戒心を抱いて布団に入る。すると夜中に台所でカタカタかなり高い音がする。時計を見て起きると午後12時近かったが、時計のベルトの穴が気になると言って、和バサミで一生懸命穴を広げようとしていた。そして紙パンツを穿くのがイヤだと呟いて同じ作業をくり返していたので、手伝って広げてやる。どうも正気と狂気が交錯している行動である。
▼ここにご紹介している介護の手記は当事者、関係者のプライバシーを損なわないように配慮しています。やがてこの介護は皆さんのご両親、またご自身に降りかかる問題でもあります。その時のご参考になればと思って書いています。ご質問などありましたら、お寄せ下さい。(明日朝に続く)
Kouchi(Mobile)
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