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December 09, 2005

免疫学者多田氏のひたむきな生き方

▼NHK日曜日夜9時から「脳梗塞からの再生」という番組が放映された。当日は見ることができなかったので、翌日深夜に地上波で再放映されたものを録画して見た。ここで紹介されたのは免疫学者の多田富雄さんだった。多田氏は千葉大医学部出身で東大名誉教授で免疫学では国際的な権威で、4年前に脳梗塞で倒れて身体や言語のリハビリをしている。もちろんお金がなければできない事だが、倒れてから家を建て替え、ワープロしか使えなかったのが、パソコンを習得して、動く左手だけを使ってキーボードを押して会話ができるようになった。
▼驚くべきは身体が不自由になってからも、研究所に顔を出したり原稿を執筆している事だ。家を新築するにあたって今まで5千冊あった本を1冊に減らす。残ったのは能と美術関係の本だけになったという。多田氏は免疫学だけではなく能楽にも造詣が深く、能に関する著作をも何冊か著している。今回取り組んだのは、被爆がテーマで聞いている限り「裸足のゲン」のような話で、科学が核を造り出したことによって、人間によっていかに誤った方向に進み、人類を破滅させようとしているか。というような話だった。多田氏はさらに、前立腺ガンも発見され、「満身創痍でもうこれでお終いか」と発言しながら、それでもなおかつ前向きに生きようとしている事だった。
▼そうなっても好きな晩酌は止められない。問題は嚥下ができないので、研究した結果酒をゼリーで固めて飲む方法を「開発」した。奥さんに「きょうは来客用の高いブランデーを飲みたい」というと、「ダメ」と言われるが、それでも自分の主張を通す場面は微笑ましかった。人間が死ぬ原因は血管が切れるか(梗塞など)かガンのどちらかだと言われる。だれでもやがてそうなるのだが、それでもこの多田氏のひたむきで、命があるかぎりそれを大切に必死に、かつ明るく生きる姿に励まされた。

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