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December 03, 2005

葬式で聞いた区長さんの悩み

▼こちらの葬儀はかなり時間がかかって一日仕事になる。朝8時出棺で、葬儀場に行けない人はその家の前まで行ってお別れをする。そして迎えのバスは午前10時半に村人を乗せていく。わたしが斎場に着いたのは正午だったが、まだ読経は始まっておらず、「昼食をとるよう」に言われた。読経は午後1時頃に始まり、約1時間続いた。そして例によってこの地方独自の親しい人だけが招かれる、「灰寄せ」と称する食事会が行われる。葬儀委員長による挨拶から始まる。この葬儀委員長になるのは、とても名誉な事であるらしく、本日の委員長は長年この役職を熱望してきた。しかし周囲の反対によって実現できず、ようやく念願が果たせたらしい。元大学講師だという彼の口からは空虚な美辞麗句が並べ立てられる。そして献杯で各自机の前には杯に3分の1ほどの清酒が入っていて、その人の発声でそれを飲み干す。しかし地元名士である彼の挨拶も、「いつからクリスチャンになったのだ」、と思われるような「天に召される」などという言葉が連発される。まあセレモニーだからこんなものだろう。要するに大勢人が集まって花輪がたくさんならべば、パチンコ店の開店当日同様、「大したものだ」と言うことになる。
▼灰寄せの参列者は約200名で、その3分の1はわたし同様、高地姓である。だからと言ってみんな親戚ではない。おそらく明治時代になって地理的に高い所に住んでいるからという単純な理由で、寺の坊さんが適当に付けたのだろう。だから本当に血の繋がった親戚というのは、祖父か曾祖父の兄弟から別れた人たちで、姓は異なる。向かいはGちゃんと言う人で右は叔父で、そのとなりはIちゃんという。右となりも同姓の人で親しく話しかけてくれるが、知らない人だ。だが話をしていくと、母の弟とは仕事で若干のつき合いがあるようなのだ。
▼さて灰寄せが始まる前に色々な人と話をした。実家の上の隣は父の弟が住んでいて、通称「上の家」という。ところがもう一軒「下の家」という親戚がある。この家は祖父の兄弟の関係らしいが、姓は異なる。もう血縁でのつながりはないが、つき合いはかなり親しくしていただいている。その叔母さんがFちゃんといい、年齢は75歳くらい。みんながFちゃんというから、わたしもついついFちゃんで通している。Fちゃんが区長さんという人を紹介してくれた。彼女は区長さん夫妻の仲人であるという。わたしの村は3つの村の寄せ集めで昔からM岡村と言っていた。所が昭和28年頃の行政指導による昭和の大合併で、小諸市に編入させられ、郷土意識をなくすという行政の指導により無理矢理(住民による人気投票という手段は取ったが、実際にはすでに決まっていた)「M里」に改名させられる。ところがそれから50年くらいして、もう良いだろうということで再び「M岡」に戻される。
▼わたしの住んでいる村はそのM岡のまた3分の1の「A」という村になる。村はさらにB,C、Dともう一つEという4つの集落になる。さらに当地では「くるわ」と呼ばれる5人組みくらいの最小限のグループになる。話は区長さんが統括するのはA村の354世帯である。そして人口は先月あたりまで1002人だったが、相次いで亡くなったので今日現在999人だと言っていた。ところがその一つのC集落では3分の1が独居老人が住み、さらに5軒くらいは空き家だと言っていた。とくに昔から住んでいる部分でそれは顕著になっている。言葉は悪いが新住民のみなさんは、駅に近くに住んでそれなりににぎやかであるが、昔からの旧家は寂れる一方だ。そして国民年金だけで暮らす人だけになってしまうと、もう生活保護でも受けないと生きていけない。それに家は古すぎて不便な所にあるから売れないし、田んぼや畑など買い手どころか借りてすら出てこない。だからこのまま行ったら、村が崩壊してしまうのではないか、という危機感を持っておられた。
▼3日夕方6時TV朝日「人生の楽園」で長野県飯田市で行っているワーキングホリデーでを紹介していた。それは年配者が農業をしているところに、全国的に援農というのをシステム的に実験していた。昨日頂いた市役所職員の方の名刺には「高原に育む活力ある詩情公園都市」とあった。だが誰にも魅力がある町や村にするには、一緒に参加して何かを作り上げる目標がないと、展望が出てこないような気がするのだが。

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