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February 05, 2006

◇「白バラの祈り」を見る

▼ヒンギスは強かったですなー。サービスエースをとるともう球を自由自在に扱ってシャラポワを翻弄する。後半シャラポワが高く打ち上げた球を前方へバシッと叩きつけて返す。そして手を挙げ白い歯を見せてニッコリ笑う。今朝の新聞を読むと、どうやらこのヒギンスの作戦でシャラポアの「戦う意欲が萎えてしまったようです。」もう余裕としか言えません。シャラポワだからあそこまで食いついて行くことが出来たんでしょうが次回に期待しましょう。
▼昨晩知らない人から携帯メールが届いて「いますぐNHK3chTVをみるように」と書いてあった。携帯のアドレスは限られた人にしか知らせてないが、読まずに削除してしまった。タイトルのないメールも同様に「見出しくらいつけられないのか?バカもん」と全部削除してしまう。
▼3日に発売になった「週刊金曜日」の編集後記で同紙編集部の成澤宗男記者は「日本は憲法第2章があっても非武装国家ではない。『共産党』を自称する集団が権力を握る中国は『共産主義』とは何も関係ないし、『民主主義人民共和国』だという隣国も同じ事だ。こうした建前と現実の乖離はよくあるが、」と書いている。同様にナチスは国家社会主義ドイツ労働者党と言われていたが「社会主義」とは何も関係ない。ナチス支配下のドイツも、翼賛体制で戦争に突入した日本も組織的に戦争に反対する勢力は抹殺されていた。殺害されるか、兵士として前線に送られるか、あるいは監獄に入れられた。だから監獄に入った人の頭の中に「抵抗」する考えはあっても、それは「抵抗組織」と呼べるものではなかった。
▼◇「白バラの祈り」ドイツ国内でも同様に抵抗組織は抹殺されていたが、唯一ミュンヘン大学の医学生を中心にして「白バラ」という7人ほどの抵抗組織があった。映画ではその中心人物ショル兄弟の事、とくに妹のゾフィ・ショルの事を中心に描かれている。国立大学の医学生は義務として衛生兵として前線に行かなければならなかった。東部戦線(ドイツから見て東という意味で、ソ連つまりスターリングラード)で彼らが見たものは、ナチス軍による市民や女性、子どもの殺害や拷問であった。勇敢であるべきナチスの兵士がこんな事であってよいのか素朴な疑問を持つ。そしてスターリングラードが陥落したとき、これ以上無駄な死があってはならないと、市民のポストにビラを投函したり、郵送で大勢の市民に真相を知らせようとビラを作る。見ているとビラづくりには手動回転式謄写機を使っている。ところがミュンヘン大学でビラを撒いているとき、ソフィが余ったビラをもったいないので3階から投げ落として外に出ようとしたとき、逮捕されてしまう。映画はこの時の取調官とゾフィの息を詰めるようなやり取りが大半を占める。最初ゾフィは自分は関係ないとシラを切って一旦は釈放されそうになるが、動かぬ証拠を突きつけられ「自分のやっていることがいかに正しいか証明しよう」という気持ちに変わっていく。取調官が一丁のルーガーP08をカバンから取り出す。「この銃に見覚えはないか?」と突きつけられる。ゾフィは「兄の持っていた銃に似ている」と答える。
▼彼ら白バラは何か政党の指示で動いていたのかと警戒されるが、自らを「ノンポリ」であるとし、自分の良心と神との誓いにおいて戦争に協力しないという抵抗運動であることが分かっていく。執拗な取調べ官の追及に「間違っているのはあなた達であり、自分たちは人間の良心に従って間違ったことはしていない」ときっぱり証言する。まだゾフィが22歳という若い事を気の毒に思ったゲシュタポの係官は、「まだ前途があるのだから、お兄さん一人がやったと書く事もできるのだが」と甘言を囁くがそれも毅然と拒否する。
▼そして驚くべき事に逮捕から5日後には判決が下される。公開裁判とは名前だけ、傍聴人は軍人だけで占められている。裁判官が入ってくると全員が起立して「ハイル・ヒトラー」と叫ぶのを見てもどんな判決がでるのか結論は分かっている。そして国選弁護人もいるのだが、何も「異議」は云わない。そして異端者審問よろしく、3人の魔女裁判は開始される。国費を使って反戦運動をしたことが裏切り行為である。まだ総力戦で戦えば戦局は変えられると裁判官は絶叫するが、ソフィは「そのうちこの被告席に座るのはあなただ」と裁判官を指さす。通常判決から死刑の実行まで99日あるのだが、それを待っていると戦局が悪化するのではという判断なのか、即日ギロチンで処刑になる。独房に戻ったとき看守に「すぐお別れの言葉を書け」と言われてさすがに動揺するゾフィ。最後の面会に訪れた両親(父親は元共産党員)に「お前の事を誇りに思うよ」と言われ、母には「天国で逢いましょう」と別れを告げる。最後の瞬間看守は「本当は規定違反だけど」と3人を一緒の部屋に入れてタバコを1本与える。タバコを廻しのみして、肩を抱き合う3人、自分たちのやってきたことに間違いはなかったと確信してギロチンの露と消える。逮捕されてからたった5日目のことだった。日比谷シャンテのみ。「白バラ」のただ一人の生き残りが5日の朝日新聞2面「ひと」欄に出ている、フランツ・ミュラーさん81歳である。
▼本日午後8時はメルマガ原稿締め切り日です。

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