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February 08, 2006

旧東独のシタージを取材した人

▼昨日から秋篠宮家の第三子懐妊のニュースが大々的に報道されている。朝刊を見て驚いたことは、左翼政党幹部も「お慶び申し上げる」と談話を出していることだった。可愛そうに紀子さんもすっかり「皇室顔」になってしまった。庶民のように大口開けて大笑いする事などもう出来ないだろう。「女性天皇の皇位継続」が国会で問題になっている折に、タイミング良く発表されたのはかなり政治的意図があると思われる。衆議院で民主党元代表の岡田が質問するとき、「お慶び」と言ったら、国会議員たちの拍手で涌いたのにはさらに驚いた。先週学校の講師控え室でも話題になったことだが、憲法第一章、第一条では「この地位は、主権の存する日本国民の総意に基づく」とあるのだが、国民の総意どころか一部国会議員だちだけが「存続」の意味について論議をしている事に問題があると思う。
▼「読者のたより」で図書館の話題が盛り上がっているので、図書館の下巻が先に来る話の続き。日曜日にネットで4冊ほどリクエストカードを出しておいた。わたしが映画を見に行って、帰宅したら「係の人が電話を下さった」と家族が言っていた。要件は直接お話しするからという事であった。夕方カウンターに言って登録カードを出すと、係員はわたしの氏名を確認してうなずいた。「これが噂のうるさい高地というヤツか」という雰囲気だった。本を3冊渡されると説明があった。説明は以下の通り。このたびはご迷惑をおかけしました。実はネットで申し込む時は上下巻などセットでの時は窓口か館内の端末を使って「セットの指定」をしていただくと、上下巻揃ってからご連絡を差し上げる事が出来ます。お手数ですがネットで申し込んでから、窓口までご足労下さい、というものだった。一体何のためのネット注文システムなのか分からないが、聞いて帰ってきた。みなさんそういう事だそうです。
▼昨日Fさんに久しぶりにお目にかかった。先日息子さんと一緒に1週間ほどドイツに行ってきたという。一瞬「ドイツに高い山はあったのかなー」、と思った。Fさんは登山がお好きで世界中の高い山を登っていらっしゃる。今回は登山ではなく、息子さんがシタージ(元東独の秘密警察)に興味を持っていてそれを現地まで調べに行ったという。『鍵盤乱麻』に連載執筆をお願いしたのだが、「イヤー」とおっしゃるので以下その要旨と内容。シタージツアーやガイドブックなどないから、全部自力で調査して歩きまわった。ベルリンに4日、旧東独のライプチヒに2日間。旧西独は英語の道路標識もあり、英語教育も始まったので多少通じるが、東独はまったく通じない。事前にネットで調べた場所に行った。東独のシタージは人口の7人に1人と言われる巨大な密告組織になっていた。そして驚くべき事にその密告記録が全部残っている事だ。東独が崩壊する時デモも起きたのだが、軍隊や警察が発砲できなかったのはデモ隊の中に大勢のシタージが含まれていて、味方を撃ってしまう危険があったことだ。そして記録に残っている記録には夫婦がお互いを密告したり、子が親を、親が子をというようなのがたくさんある。
▼当然崩壊とともに証拠書類は燃やされたり、シュレッダーに掛けられたのだが、量が多すぎて裁断機が故障してしまった。だが断裁された書類もつなぎ合わされて復元されていた。シタージの本部はもう博物館のようになって入ることができなくなっている。ところがライプチヒの支部ではボランティアの案内人(ドイツ語しか話せない)などがいて人数がまとまると案内していた。ソ連軍がドイツに入ってきたとき、ユダヤ人の強制収容所は開放されたが、ソ連はそこに反ソ分子を逮捕して1950年くらいまで収容していた。立場が変わっただけで、ソ連もナチと実質同じ逮捕拷問をやっていた。
▼東独が崩壊して今までの支配体制の根本的な見直しや、再教育が行われたかと言えばゼロ。ではそのシタージが今何をしているかと言えば、言葉巧みに相手を落とす特技を生かして、セールスマンに転身しているケースが圧倒的に多いのだという。

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