« FOMAとMOVA | Main | ◇「メルキアデス・エストラーダの3度の埋葬」 »

March 24, 2006

◇「君に読む物語」を見る

▼◇「君に読む物語/the notebook」1年前に公開された作品。監督や原作者を見ただけでいかにもつまらない内容に思えたので映画館には行かなかった。それに若い女優がまったく魅力的ではなかったし…。
▼認知症の療養施設で暮らしている一人の女性アーリーがいる。そこに男ノアがやってきてある日記のようなものを読み始める。実はこの二人は夫婦であり、子どもたちからは「そんな無駄なことはやめろ」と云われている。話は戦前二人が出会った頃に行きつ戻りつ進む。お金持ちの娘だった一夏の避暑にやってきたアーリーに強引に言い寄るのは、地元の農家の息子ノアだ。一度は見知らぬノアを寄せ付けないが、大観覧車に素手で飛び乗って「つきあってくれないと手を離す」と脅して交際が始まる。夏が終わるとき二人の恋は母によって強引に引き離される。その後アーリーに対して1年間、ノアは毎日手紙を出し続ける。だが手紙は全部よって隠され、ノアは戦争に行って彼女とのことを忘れる。アーリーはボランティアで復員兵の看護をしている時、別のお金持ちの男性と知り合い、婚約をする。ノアも復員して戦争未亡人と関係を持っている。そのとき偶然アーリーと再会して、手紙が届かなかったのは母の妨害だと知り、焼けぼっくいに火が点く。
▼この夫婦の認知症になっていく課程は、わたしの両親のようである。認知できなくなる過程はまだら状かつ螺旋状である。だから一度落ち込んだら、映画のように本を読み聞かせくらいでは想い出さない。考えるのが面倒になってしまう。父の場合短歌をすこし囓っていたのと、戦争体験をまとめた私家本を作っていたので、昨年暮れあたり、母はそれを毎晩読み聞かせしていたようだ。しかし最後はそれにも反応しなくなる。映画では最後に話に出てくる情熱的な恋をしたのが、アーリー自身であることが分かる。そして「一緒に死ねるかしら」と云い、二人は手をつないだまま治療施設のアーリーのベッドの上で息を引き取っているのが発見される。
▼物語としては美しいが、現実のアルツハイマーになったら物理的にも精神的もこのような美談では終わらない。映画の最後の方で夫の読む話に興奮した妻が、薬で抑制される場面があるがそれが日常で現実でもあろう。それに日本では夫と一緒の墓には入りたくない。その理由として夫の父母兄弟が嫌いというのが上位に上がっている。だからこういう死に方は理想であったとしても、いかにもアメリカ人好みのお涙頂戴の作品でしかない。同じ老後を扱ったものでは「八月の鯨」の方が、格段に優れた作品である。
▼本日亀戸駅ビルが「アトレ亀戸」として、リニューアルオープンする。チョコレートのゴティバ、代官山のベーカリー・カフェ・スチーツのシェ・リュイそれに、ベーグル&ベーグルなどが入る。下町にこんな店が似合うのだろうか?

|

« FOMAとMOVA | Main | ◇「メルキアデス・エストラーダの3度の埋葬」 »

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



« FOMAとMOVA | Main | ◇「メルキアデス・エストラーダの3度の埋葬」 »