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April 21, 2006

◇「美しき運命の傷痕」を見る

▼このところ出会い系サイトのメール攻勢がもの凄い。毎日40から50通くらい送られてくる。もちろんブロックしてあるのだが、それでもその網の目かいくぐって送られてくるから、ドメインで毎日10個くらいをブロックする。
▼昨日「てんぐさ」さんの投稿メールが締めきり直前に着いたと書いた。その後ご本人から電話があって、「午後6時に送ったが掲載されただしょうか?」とご心配の電話があった。ベトナム中央郵便局から送ったエアメールも10日から2週間もかかってとても驚いたが、都内同士で2時間もかかるのも困ったものだ。おそらく動画配信とか、上記スパムメールが異常に増えている結果ではないかと思っている。
▼◇「美しき運命の傷痕」何やら刑務所らしきところから出所した一人の男。やくざ映画と違って出迎えの車もない。目の前に野鳥の巣があり、そこから落とされた雛を拾い上げて戻してやる。想いが尽きないのは妻(キャロル・ブーケ)に引き取られた子どもたちのことだ。昔の話に引き戻される。彼は小学校の教師をしていたのだが、あるとき男子の教え子が控え室にやってきて、愛を告白していた。いきなり教師の部屋に入って来た妻と娘に、その場面を目撃され、「このケダモノ」と云った調子で怒りを買い離婚させられる。彼は3人の娘に会いになんども妻の家を訪ねるが、すべて拒否される。たまたま「会わせろ」、「会わせない」でやり合っているとき妻に暴力を振るって半身不随の身体にさせてしまったことから刑務所に入っていたのだ。
▼そしてお話はその3人の娘の現代に戻ってくる。長女(エマニアル・ベアール)はカメラマンと夫と3人の娘と暮らしている。ところが夫が自分の身体をまったく触らなくなってしまった。妻はかなり強引に夫に迫るが(この場面の心情の描き方は優れている)、「止めろ」と云って妻を突き飛ばして行ってしまう。不審に思って電話のリダイアルなどを調べると果たして、取引先の経営者の女性とデキていたのだ。妻は決然として母と同じように別れる決意をする。情けない夫は愛人にも振られて自宅に戻るが、妻は決してドアを開けない。
▼そして一人暮らしを続ける次女は半身不随になって山間の施設に入っている母を見舞うのを習慣にしている。いつもの列車でいつもの車掌、いつもの待合室、男性関係はまったくない。ところがある日待合室で不思議な若い男が待っている。何か話たがっているのだが、分からない。何回目かに自宅に誘い、裸になると意外な告白をされる。実は彼こそあの時の父の教え子だった事が分かる。そして父にときめきを感じて自ら裸になったのだという。つまり父は母の想像するような男ではなく、教え子を拒否して説得している最中だったことを知る。母は誤解をして父と離婚し、さらに刑務所に送りこんでしまっていたのだ。
▼そして大学生の三女は、父のような大学教授に恋をしてしまう。修論かなにかの面接は面接官の前にある箱から「籤を引く」その設問は「王妃マルゴとは」だった。この答える場面は面白かったが、1分くらいで終わってしまう。そして面接官の一人である指導教官はなぜか。ギリシアに生徒を連れて行ってしまって欠席している。自分の苦しい気持ちを教授の家に行って、クラスメイトの友人に訴える。教授の妻も外出から帰ってくるので、「こういう場合どうすべきか?」と質問すると「奪い取れば良いのよ。実はわたしもそうだったの」というが、顔を出したのは当事者である夫の教授だ。彼のあわてふためく応答振りは多いに笑える。
▼久しぶりに3人姉妹は母のリハビリ施設を訪問して、父の事件の真相を伝える。しかし話が出来ない母はいつもの筆談で、「わたしは、たとえそうだったとしても後悔していない。わたしは正しかったのよ」と決然として答える。ここで最初のシーンと同じ万華鏡が登場する。岩崎宏美の「万華鏡」を歌詞を思い出す。「ショーウインドウ万華鏡のよう…」。この歌詞の場合めまぐるしいことだけが強調されている。だが映画の万華鏡はグルグル廻った画像で本質が何か分からないという事を言っている。つまり最大の被害者は疑惑をかけられた夫ではなかったのか。トリコロール三部作キェシロフスキー監督が残した脚本による。

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