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April 20, 2006

「民主主義」の根本を考える時(VSJ13)

▼本日メルマガ締め切り日です。投稿される方はお忘れなく。
▼まだ北爆が行われたいたころ、ハノイにも日本から数人の記者が常駐していた。その一人K記者は当時のベトナム労働党の幹部に呼ばれ、「戦後日本はどのようにして奇跡の経済発展を遂げたか?」聞かれたという。その中でどうしても「歩道橋」の概念を理解してもらえなかったと云っていてのを思い出す。だが今こそ、ベトナムには歩道橋が必要な時に来ている。本論になるが、ベトナムは戦後日本の復興をモデルにしているのだろう。1本の柱は経済建設で、もう一つは観光立国である。カオダイ教本山に行ったときも、大勢の観光ガイド専門学校学生が実習に来ていた。卒業したらそのままガイドになれるのかと聞いたら、あと2年専門学校に行き、そのあとさらに語学専門の学校に行くのだという。タンさんも3年日本にいたが、そのときはベトナムとの調整役だったので、日本語を習得したのは帰国してからだったという。現在その要求に応えるべく、サイゴン市内には「さくら」という大きな日本語学校があった。
▼ベトナム南部が解放されてから、ベトナム労働党幹部は考えた。キューバのように急激に外国企業の国営化をすれば、敵視されて経済封鎖をされてしまう。北朝鮮のように主体思想優先にしても孤立させられてしまう。革命で一番難しいのは、政府を攻撃している時は味方の食料を確保することだけを考えれば良い。ところが成就した暁には敵でおあった部分を含め、全国民を食わせる義務が生じる。あのネルソン・マンデラが政権を握って来日したとき、南ア連邦から「割り箸を買って欲しい」と政府に懇願していた。
▼全国民を食わせて行くために、いち早くアメリカからも観光客を受け入れる。そして主食の米だけでも全国民を食わせて行くことはできるが、国際競争力を高めるには生産性の高い工業を誘致して行く。そのために道路などのインフラ整備を優先させていく。だから軍隊といえども、平常時にあっては独立採算制をとる。
▼以下はわたしのカンだけで書いているのでそのつもりでお読みいただきたい。ベトナム戦争当時、はベトナム労働党と云ったが、その昔はインドシナ共産党と云っていた、ところが20年ほどまえに、あえてベトナム共産党に名称を変えている。解放当時ベトナム労働党の第一書記(最高の実力者)はレズアンという人だった。彼は実は南の出身者である。サイゴン周辺はカンボジア出身のクメール族の人がと、華僑がたくさんいる。おそらく北は南「解放」を、ずっとその政治目標として来たに違いない。だがレズアンが全面に出ると、南の人たちからは「北に行ったあの裏切り者」と思われかねない。だからレズアンは、ホーチミンの死を最大限利用しようとした。ホー叔父さんなら、みんな云うことを聞くだろうと。解放戦線議長は南出身のグエン・フー・ト、パリ和平会談にはグエン・チ・ビンなどを配置した。
▼解放後は南の経営者の力と、貿易関係のコネクションを最大限利用して生産量を上げる。だが最初の頃何が行われたか本多の著書を読むと、「密告」と「解放軍報(クアンドイ・ニャンザン)」を利用した「資本家の摘発」であった。その行き過ぎ現象は、現在もまったくなくなった訳ではない。同書には解放直後は「全員殺される」と思っていたサイゴン人たちも、一安心したあとは「解放軍」が規定した「禁制品」を街頭で売り出すしたたかな様子も描かれている。「交通警官に賄賂が利く」とガイドさんが云った話はご紹介した通りである。交通警官に利くならば、それはどのような場面でも通用するという事だ。賄賂が大がかりになると「収賄・汚職」になっているのが現在のベトナムの状況である。人間というのは体制が変わっても清廉潔白でいられる人は少ない。だから人間であるとも云える。「民主化」というのは民衆の下からの力によってなりたつものであると思うが、ベトナムの場合「密告」と「摘発」は民主化とは異なると思う。
▼ベトナムで発行されている4月19日付けの「ラオドン(労働)」という新聞で、ベトナム共産党「ニャンザン」元編集長は次のように語る「汚職防止の問題の根本は党内の民主問題の解決だ。党が民主的でないことが汚職まんえんの最も重要な要因だ。もちろん、民主はあるが不十分だ」。「われわれの根本目標は民を富ませ、国を強く、社会を公平、民主、文明的に建設することであるはずだ」。
▼「民主主義」という言葉がベトナム全体に行き渡るには、もう少し時間がかかりそうである。
▼以上でベトナム報告はすべて終わりです。27日の報告会はお申込がありません。23日朝までにお申込がこれ以上増えなければ、中止とさせていただきます。

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