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May 23, 2006

◇「夜よ、こんにちは」を見る

▼人間ドックの結果が送られて来た。明日定期健康診断の日なので、ちょうど良かった。昨年と違い、食事に気をつけて長距離を歩いているので、再検査の項目はない。土曜日の新聞にキャスターの鳥越俊太郎が昨年大腸がんの手術をしてから、かなり健康に留意しているというエッセイを書いていた。止めたものビールなど飲酒一切、肉食、バターを使った料理。やっていることスクワット100回、徒歩だった。わたしの場合昨年同時期より体重が2kgほど増えてしまった。これはバレンタインデーで頂いたチョコを食べたせいではないかと思う。とくに西洋風クリーム系の甘味は厳禁である。食べないことが体重を増やさないコツである。
▼◇「夜よ、こんにちは」1978年3月16日イタリアの「赤い旅団」(日本の連合赤軍のようなもの)は、キリスト教民主党の党首アルド・モロを誘拐する。映画は若い結婚間近の夫婦が不動産屋に新居を案内してもらう場面から始まる。契約が終わると偽装夫婦の他に3人の男たちがやってきて、ある日木製の大きな箱が奥まった、本棚の奥に作られた部屋に運び込まれる。箱から出てきたのは誘拐したモロ首相だった。彼ら赤井旅団がなぜモロを誘拐したのか、それは余り明らかにされていない。おそらくモロは右派と共産党の歴史的な合意の立役者であったため、旅団の憎しみを買ったのだろう。妻を演じるキアラは放送局に勤務するシンパである。彼女の役割は食料の調達と、市販されている新聞を購入して、誘拐の効果を知ることにあった。映画は監禁されている部屋のモロと、赤い旅団のメンバーをめぐる密室劇である。誘拐しても政府から何の譲歩もひきだせないまま旅団は孤立していく。モロが家族やローマ法王に対して手紙を書くのを許されてから、その手紙が新聞に公開される。するとモロの書いた手紙が、読む人たちの心に響くため、逆に赤い集団を追いつめることになる。またローマ法王も跪いてモロの解放を訴えることまでする。イタリアにあって法王の力と影響力は絶大だ。
▼そして赤い旅団の「死刑判決」が下される。現実にはアルド・モロは55日間の監禁の後赤い旅団によって殺害された。映画はシンパの女性キアラが「判決」を出す権利が果たして自分たちにあるのだろうかと疑問を持つようになって動揺する。旅団の男たちの思いは第二次大戦中の実写フィルムによって再現される。ファシストによって手足を縛られて海中に放り込まれるレジスタンス。捕まえたレジスタンスに「逃げろ!」と命令して射殺する。あるいは縛り首になる瞬間のレジスタンスの人々が出てくる。もしかしたら、旅団の彼らは戦前レジスタンスを殺害した右派と共産党が手を組むのが面白くなかったのかも知れない。
▼キアラは自分たちにモロを「死刑」にする権利はないと覚る。そしてモロを死刑にする前夜食事に睡眠剤を入れる。そしてモロには「食べないで」というメッセージをナプキンに書いて差し入れる。みんな眠ってしまった深夜、月明かりに照らされてモロは町を歩き始める。この場面で映画は現実とは違って「救い」がある。そして現実のモロの国葬場面、これはモロの遺体もない。モロの家族もボイコットして参列していないことが明らかにされる。テロによって現実に連合は中止されたのだし、何となく殺害には政治的陰謀があったのでは、と考えさせられる。

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