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May 30, 2006

「自分の感受性くらい」茨木のり子

▼サッカー報道とNHKに続き。例のキャバクラに行き、来ていた他の客に鮨を投げつけて話題になった選手たちはその後「キャバクラ8人衆」と呼ばれた。この名称は大いに受けてスポーツ新聞や夕刊紙に掲載された。ところが日本サッカー連盟はこれに抗議したため、その後紙面から消えてしまった。選手にダーティなイメージが付きまとっては困るのだ。だから遠征には仕立ての良いスーツを着せてTVカメラの前に登場させるが、所詮付け焼き刃で、馬子に衣装ということわざがあるが、馬子は馬子としか見えないのでまったくサマにならない。
▼それにしても文化勲章を受章した某美術史家は授業で、中田ファルージャに行っていたとき、彼を持ち上げることしきりだった。「中田見たさにイタリアに来る人が増えれば嬉しい」とまで言い切っていたのには驚きだ。
▼それでなぜマスメディアがサッカー連盟の脅しに震え上がったかだ。前にも書いたが日本のサッカーは電通が取り仕切っている。だからプロ野球と違って地元開催しても地元にはまったくお金がおちないから、力が入らないというのが地方紙の経営者たちの考えかただ。そしてもしサッカー連盟に睨まれたら電通から広告が入らなくなり、新聞経営は成り立たなくなってしまう。
▼日曜日の日経に1面トップに「サッカー巨大ビジネス」という連載が始まった。その1回目に、「サッカーには世界のトップ企業が資金を惜しげもなく投入する。その背景には巨大なマーケットがある」「だが、ビジネスのサッカーへの傾斜は、サッカーの普遍性を失わせ、ファンをサッカーから遠ざける危険もはらむ」と書いてある。現実にイタリアでは代表選出を巡って大きな汚職事件が摘発された。NHKでは日曜日のニュースでジャワ沖地震の被災者について報道し、日本人は91人全員無事であるという報道する。いまだに鎖国根性が抜けていない。しかも続いて死亡者は4000人を超えたと喋って拠金を訴える。そこまではまあ良いとしよう。それから2本のニュースでサッカー、日本代表を応援する寄せ書きを横浜で集約して、ドイツへ送るというバカなニュースを流す。何かボタンを掛け違えているのではないかと思う。もっとインドネシアの地震被災者を救援するための手段を報道すれば、日本人は拠金を寄せるに違いないのに。
▼数日前に心臓バイパス手術で渡米していた、1歳くらいの少女が感染症で亡くなったという報道があった。それはとてもお気の毒なことだ。しかし少女の顔を見たとき、どうやっても長生きできる顔には見えなかった。母親がサッカー選手らの名前を使って、拠金を集めたらこちらは1億円集まったらしい。先週の「週刊金曜日」で永六輔が書いていたが1億円あればアフリカの幼児が20万人救えるのに、そういう発想にどうしてならないのでしょうと。相変わらず日本は、自分の国の安否だけ心配している情報鎖国国家なのだ。
▼図書館が1週間館内整理になるので、先日茨木のり子の詩集を2冊借りてきた。

もはや
できあいの思想にはよりかかりたくはない
ながく生きて
心底学んだのはそれぐらい
自分の耳目
自分の二本あしのみでたっていて
なに不都合のことやある
  (よりかからずより)
  
 とてもよかった。もう一つ

自分で守れ
ばかものよ
ぱさぱさに乾いてゆく心を
ひとのせいにはするな
みずから水やりを怠っておいて
自分の感受性くらい
自分で守れ
ばかものよ
   (自分の感受性くらい)
も良かった。(著作権法の関係で全文はご紹介できない。買うか図書館で借りて読んで欲しい)

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