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May 22, 2006

◇「隠された記憶」を見る

▼ユーロスペースは移転してしまって古い場所に行ってしまった。新しい場所とは渋谷東急本店の前を文化村の方に行き、渋谷シティホテルの前を左折する。そして50m程歩いた右側にある。1階は若者向けのアニメなど専門映画館になっており、当該映画館は3階にある。
▼◇「隠された記憶」TVで書評家として活躍している夫ジョルジュ(ダニエル・オートゥイユ)と出版社に勤務する妻アン(ジュリエット・ビノシュ)のところに、口から血を吐いている絵と、彼らの家をずっと撮影した1本のビデオテープが送られてくる。テープは「お前の家を監視しているのだ」というメッセージに違いないのだが、絵は何の事かまったく分からない。妻は怯えて警察に届けようというが、警察はまったく相手にしてくれない。妻は夫が何か隠しているのではないかと疑うが、「知らない」とシラを切るばかりだ。ビデオは増え、絵は鶏の首を切り取ったものも入ってくる。
▼3本目のビデオは明かに自分の家まで来るようにという、道案内になっていた。その通りに行き、ドアをノックすると一人の老人が住んでいた。ジョルジュは、明らかに恫喝されていると思い、「何が目当てだ、カネか」といきり立つ。相手の老人は「懐かしい、まさか来てくれるとは思わなかった」とニヤニヤしている。そのジョルジュがいきり立ってる様子もまたビデオに撮影されて、放送局の部長の元に送りつけられる。ジョルジュはその晩、とても怖い夢を見る。まだ小学生の頃、同居しているアルジェリア人が鶏の首をはね、胴体だけで走り回っている姿だ。
▼実は1961年フランスではアルジェリア人が200人ほど溺死する事件が起きて、ジョルジュの父はそのことに責任を感じ、遺児を一人引き取った経緯があった。だがジョルジュはその子が、両親の愛を独り占めしてしまうのではないかと恐れ、アルジェリアの少年が自分に刃物を向けたと偽りの証言をして、家から追い出してしまったのだ。この盗撮ビデオとクビを切られて血を吐く絵は、ジョルジュにたいする仕返しだったのだ。片方はTVに出演して美味い物を食べて、良い家に住む。片方のアルジェリア人親子は仕事もなく貧しい生活をしている。つまりこの貧富の原因は、フランスのアルジェリア支配に出発点があった、と監督は言いたいのだろう。あまり詳しく書くと面白くなくなる。宣伝で言う、「ラストカットに全世界が震撼」とは何か、ご覧いただければ分かる。
▼しかしジョルジュが後半早退して、自宅のベッドに素肌でもぐり込むシーンがあるが、もうブタとしか言いようがない太りようだ。それにジュリエット・ビノシュも体型を隠すためのスカートをはく。フォアグラなど美味い物食って運動しなければみんなこうなってしまう。NHKBSで21日午後4時「米国飽食の苦悩」(再放送)という番組を見た。ほんじゃまかの石ちゃんみたいな体型の子どもから大人までアメリカにはゴロゴロしている。司会は「美しい日本語」の斎藤孝、レポーターは料理研究家の服部幸應だ。飽食の原因を作っているのは、マックやコーラなどメーカーの戦略と責任。そこに行くのは主として低賃金の人たち。何故かといえば、長時間労働で遅くまで仕事をするとお腹を空かせた子どもたちにすぐ満足させるためにファーストフードに頻繁に行くようになる。登場した主婦は離婚して子どもと3人暮らし。収入は日本円で13万円。ファーストフードは4人で行って3000円。自宅で作るより安価で済むという。過食を防ぐために胃を小さくする手術を子どもたちに施す親も増える一方だ。しかし学校教育や給食で野菜を中心にバランス良く食べる事も必要だというプログラムも実践されつつある。日本もアメリカの二の舞にならないようにしなければいかんというのが、この番組の主題であり、中々見応えがあった。

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