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August 31, 2006

「山椒太夫」を見る

▼昨晩NHKBSで放映されたが、わたしは小学生の頃にリアルタイムで見ている。ただし記憶に残っているのは安寿(香川京子)が入水自殺をする場面だけである。厨子王の父は筑紫の国司か何かで、年貢の取り立てを厳しくしない。そればかりか、人として生まれたからにぱ、幸せは皆平等に受ける権利があると説き、地方に追放される。あとは皆さん、ご存じのストーリーだ。論旨は福沢諭吉の慈愛精神に満ちている。しかし福沢は他民族蔑視の思想で満ちていた。森鴎外もまた、軍医として明治政府に尽くした人物だ。二人とも、行いと、論文や小説に書いている事が、随分乖離しているように思う。「椿姫」ではイギリスから彼を追って来た恋人を、自分の地位を守るために追い払う事すら、平然としている。こちらは肉親を探し求める兄弟に慈しの眼差しを向けるが、何か一段高い所から見下ろしている視線に見えてならない。ただし映像は監督の意図した、絵巻物のように仕上がっていてすばらしい。新幹線あさまの中から。
▼夏休みも本日で終わりです。常連執筆者でお休みのみなさんも、そろそろ復活してくださるようお待ちしています。
Kouchi(Mobile)

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