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September 01, 2006

◇「紙屋悦子の青春」を見る

▼◇「紙屋悦子の青春」岩波ホールは、その客が大嫌いである。しかしここでしか上映していないので仕方ない。1時間並んだら夏休み最終日はどうやら入る事ができた。休日なら2時間前が安全であろう。内容は今朝多忙なので、夕方まで待たれよ。
▼お待たせしたのである。Maさんから携帯メールをいただいた。安寿恋しや、ほーやれほ、厨子王恋しやほーやれほ、おお昔、学芸会で、やったなー。あの頃は若かったなー。(>_<)。携帯は「安寿」も「厨子王」も出てこないので苦労した。
▼◇「紙屋悦子の青春」昭和20年の2月から4月までの鹿児島のある一軒の民間住宅の茶の間、8畳くらいの居間、そして台所と庭がこの映画の舞台だ。「赤飯とらっきょを食べると空襲に遭わない」という噂が広まっており、紙屋家もそれを食べている。何故か?ラジオニュースで「敵機は東方に脱去せり」というから、脱去がらっきょになったらしい。では赤飯は何かというと、そんなのは分からないということになる。悦子は20歳くらいで兄夫婦と同居して、勤労動員で駅に勤務している。兄(小林薫)と結婚したのは、同級生のふさ(本上まなみ)が妻に納まっている。鹿児島といえば知覧の海軍航空隊があり、特攻隊の出撃基地となっている。ある時兄の親しい友人明石少尉(松岡俊介)が友人の永与少尉(永瀬正敏)に縁談の相手として見合いに連れてくる。義姉のふさも本当は明石が悦子と親しいので、当然二人は婚約すると思っていたが、そうではなかった。
▼見合いの相手である永与は世間ずれしていないので、悦子と相対しても何を会話の糸口にして良いのか見当もつかない。すでに世の中は配給制になっているので、食料も満足に行き渡らないが、やりくり上手な姉のふさはやりくりして、おはぎを作って精一杯のもてなしをする。気がつくと明石は気を利かせ悦子と永与と二人きりにされている。ほどなく二人は婚約することになるのだが、明石はおはぎを入れていた弁当箱を返して、「明日出撃します」という挨拶に来るので一同驚愕する。神屋家の庭には一本の桜が咲き誇っており、少しずつ花びらが風に舞っている。そして明石は海軍式の敬礼をして「征ってきます」と立ち去って行く。家族は悦子に「お見送りしたら」というのだが、あまりにも突然の別れの挨拶に言葉も出ない。
▼そして出撃の報告に永与がやってくる。そして悦子宛の墨痕鮮やかな明石の手紙が手渡される。封は開けられないので何が書いてあるか分からない。悦子の目にはとめどなく涙が溢れる。言葉には出てこないが明石は自分が出撃する事を知っていたので、悦子を寡婦にするのを忍びなく、永与に悦子の将来を託したのだろう。映画は現在である80歳くらいの悦子とその夫が、病院の屋上で会話している場面と交互に、過去が映し出される。悦子の耳に幻覚に近い音として聞こえる、打ち寄せる波の音は明石が散っていった海なのであろう。
▼巷間噂になっている、もの凄い映画かというとそうではない。見終わって一日ほど経つとジワリと迫ってくる内容である。冒頭「戦争はいやだ」「戦争はイヤだね」というセリフが出てくるが、こういう直接的な良くない。それに原田と長瀬に80歳の役を演じさせるには無理がある。

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