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October 04, 2006

韓国映画◇「弓」を見る

▼◇「弓」韓国映画。ストックホルム症候群というのがある。たとえば人質事件が長引いた場合、被害者が犯人に感情が同化していくことなどだ。一隻の釣り船で生活している50歳くらいの男がいる。そしてその船にはどこからか連れて来られた、16歳の少女が乗せられている。少女は男に誘拐されて来たと推測されるが、彼女は男に親愛の情を抱いている。釣り船には連絡用の小舟で「客」を連れてきて、海釣りをするのを商売としている。男はあと数週間後に少女が17歳を迎えるのをきっかけに「結婚」しようと目論んでいる。そしてカレンダーにはペンで赤く「結婚」と印がつけられている。そして陸に客を集めに行ってくるとき、祝言用の着衣を嬉々として仕入れて、カギの付く棚に隠している。
▼釣り客の一グループは、男を拘束して少女にいたずらしようとするが、少女は男の武器である、「弓」を構えて抵抗する。弓は武器にもなるし、鼓を付けると二胡のような楽器にもなるという、多様性を持っているのだ。ある時釣りの一団に一人の繊細そうな青年が混じっており、少女は彼がウォークマンを貸してくれたことから、次第に男から青年に興味が移っていく。これは当然の感情であろう。ところが男はそれに不満を持って青年や釣り客に「弓矢」を撃って「出て行け」と脅す。青年は行方不明の少女を10年も拘束して、自分の欲望を満足させるために「結婚」するなど許せない。今度来るときは少女の両親を捜して助けに来るからと、強く抗議して小舟で去っていく。
▼青年は少女の両親が出した、行方不明の手配書を見つけて再び船にやってくる。青年は少女を連れ去ろうとするが、男はもやいのロープと小舟に結びつけ自殺を図ろうとする。少女はそれに気づき、釣り船に戻る、婚姻の日を待ちわびた男は少女にも正装させ、祝言を交わす。杯を飲み干した男は海に身を投じる。海からは男が沈んだ明かしに水泡が止めどなくブクブクを沸き上がってくる。
▼後は死んだ男の怨念が少女に乗り移るのだが、映画をご覧いただきたい。「女の執念岩をも通す」という諺がある。これは「中年男の執念、……」。書かないことにする。主演の二人にセリフは全くと言っていいほどない。お終いの10分を付け足した為に、オカルトのような下品な駄作になってしまった。

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