« 母に肌着を送る準備をする | Main | 某法律事務所に行く »

January 12, 2007

◇「見えない雲」を見る

▼◇「みえない雲」原発の燃料棒の抜き取り作業が行われるシーンから一転して、今まさに母親が出張しようと出かける準備をしている家庭に切り替わる。5歳くらいの男の子と高校生活を楽しんでいる娘マリアは母親の言うことを中々聞かない。母は大事なプレゼンテーションの出張なので気がせいている。ようやく別れのキスをしたところでハンナは学校に向かう。ボーイフレンドたちがドライブに誘うが、あまり気乗りでは無いので、断ろうかと思っている。そんなとき不気味なABC攻撃(化学・核・生物兵器)の警報サイレンが吹鳴される。みんな「訓練だよ」とタカを括っているが間隔はどうもホンモノらしくなり、みんな浮き足立つ。みんなまだ真剣ではないが道路には避難する車が溢れかえって交通渋滞を引き起こしている。
▼人がいなくなった交差点には、牧場から逃げ延びた牛がのんびりと散歩をしている。クラスメイトは車に乗ってハンナと一緒に逃げようと誘う。ところがハンナは家に残して来た弟のウリの事が気がかりで仕方ない。一旦家に帰って、母親に携帯で指示を仰ぐと「家から一歩も出ないで」と言って切れてしまう。家に立てこもっていると隣近所の人たちが「逃げないと死んでしまう」忠告してくれるので、嫌がるウリを励まして自転車を漕ぎ出す。ところが畑の下り坂でウリはスピードを出して脱出を計る車にひき逃げされ死んでしまう。後から後からやってくる車に立ちのくよう促され。泣く泣くウリの遺体を畑のなかに置き去りにして駅にやって来る。しかしこちらも紙くずが空を舞い大混乱して、逃げ場を失った人々が駅はごった返している。列車には乗れないが、かねて好意を抱いていたお金持ちのボーイフレンド、エルマーが気を失ったハンナを見つけ出して病院に搬送してくれる。
▼そこから長い闘病生活が始まり、ハンナは最後には髪の毛が一本もなくなってしまう。そして母も避難している最中死亡してしまったことが分かる。たった一人叔母の家に身を寄せて学校に通おうとするが、髪の毛が抜けたハンナを意識的に避けで、居づらくなる。再び病院に戻り、エルマーの車で気になっていたウリが命を落としたトウモロコシ畑に行くと、着衣が残っており、気を取り戻してボーイフレンドと一緒に埋葬する。ところが両親と一緒にアメリカに旅立とうとしていたエルマーは同行を拒否してドイツに残ろうと決心した時、彼もまた白血病になっていることが分かる。エルマーは将来を絶望して病院の屋上から身を投げようとする。ドイツには今も17基の原発があり、年間114件もの事故が起きている。しかしほぼ同様の日本には58基もの原発が稼働して、事故が起きても隠蔽されるだけだ。果たして人類の未来はどうなってしまうのだろう。「見えない雲」はグードルン・パウゼヴァング
がチェルノブイリの原発事故が起きたあと、もし西ドイツで原発事故が起きたらどうなるか、という前提でかかれた近未来小説である。(小学舘 1987) 有楽町シネカノンで。

|

« 母に肌着を送る準備をする | Main | 某法律事務所に行く »

Comments

The comments to this entry are closed.