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January 19, 2007

◇「子宮の記憶」を見る

▼午後仕事上のいわゆる「本社」から電話があってOBが危篤だという連絡があった。もう数年顔も会わせていない人だし、そう言ってこられても、臨終の席に立ち会うのはその人の肉親関係だと思うから、行かなかった。しかもこの「本社」なるものはわたしの父が先日他界したときには、メッセージはおろかお悔やみの言葉もなかった。明日は朝早くから佐久へ打合せに行かなければならない。これからひと月ほどは週に一回色々な手続きで帰省しなければならない。冬とくに2月の佐久は人の住むところではないような気がするほど寒い。
▼◇「子宮の記憶」昨年ヒットした「フラガール」で、絶妙な演技を見せた松雪泰子を見るために銀座シネスイッチに足を運んだ。大学生で歯科医の息子と生まれた正人(柄本佑)は裕福で何一つ不自由なく暮らしている。しかし母親(中村映里子)は口うるさく正人に干渉してくる。彼はそれがイヤで両親が大切にしていた熱帯魚の水槽を破壊して、家にあった200万円をバッグに入れ、沖縄へと旅立つ。バイクが好きな正人は小さな島(おそらく橋とか伊江島の風景が見える角度から一度行った事がある瀬底島であろう)へと走らせる。そこには女手一つで大衆食堂を営む女がいた。女は愛子(松雪泰子)夫(寺島進)が交通事故で入院しているため、一人できりきり舞いをしている。最初の夜、渚銀座にある寂れたバーに行くと威勢の良いママ(余貴美子)がいて、アルバイトの口利きをしてくれる。翌日食堂の後片付けをしたことから、寝食付き日給3000円でアルバイトに精出すことになる。
▼一応入院している夫のところに正人を雇い入れることの了承を求めに行く。そして奇妙な生活が始まる。実は正人は産まれてすぐ新生児で愛子に誘拐された経緯がある。正人は昔の新聞記事でそれを調べ、こっそり愛子に会いに来たのだ。彼が一番気になっていたのは、「なぜ大勢の子どもがいる中で、自分が誘拐されたか」という事だった。後半そっとそのことを愛子に聞きただすと「にっこり微笑んだからよ」という答えを聞いてホッと笑みをもらす。しかし夫や義理の娘は、正人と愛子の関係を邪推し包丁を振り回して暴れるなどする。正人はなぜ本当の母が自分に愛を強制しちっとも優しくなかった事にずっと不満を持っていた。しかし愛子は、とっつき憎かったが、最初に会ったときから親切にしてくれた。つまり実の親というだけではわかり得ない、何か子宮というものの不思議な存在を感じるのだった。寺島と松雪は「フラガール」の時もサラ金の取りたて役とダンサーで出演していた。しかしこっちは何も能力がないのに嫉妬心だけが強く、愛子を自分の持ち物のように扱う演技が、憎らしくなるほど上手かった。銀座シネスイッチ。

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