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March 18, 2007

◇「バッテリー」を見る

Anbataこれが「あんバター」の中身
▼◇「バッテリー」なぜ野球をするのか?というのがこの映画のテーマのようだ。わたしは元来スポコン物が嫌いだったし、もしTVで野球とドキュメンタリーがあれば、後者を選ぶ。この「バッテリー」とは先週のTVで、撮影秘話の特番があったが、800万部の大ヒットをしたあさのあつこのマンガが原作なのだという。まずは、そういう先入観を捨てて映画を見に行った。
▼父の都合である街にやってきた原田一家。長男の巧はまだ中学生だが超速球を投げる豪腕投手として知られている。この街に引っ越して来た理由はもう一つ、祖父が妻に先立たれた事がある。そして次男の青波(せいは)が喘息気味で、ここで健康な身体を取り戻せればという、父母の期待もあった。街に着くと一人の太った中学生永倉豪が、巧に獲ったばかりの川魚をプレゼントして、「お前が巧か」と近づいてくる。そして俺とキャッチボールをして、お前の速球を受けることができなければ、明日の引っ越しを手伝いにいくと約束する。豪は実は医者の子息で小学生の時だけ野球をする事を許されている。だから塾に行く時間になると携帯が鳴り出す。だから豪は母親から「野球をさせて貰っている」という。ある時豪の母をあって巧は「何とか言ってやって」と忠告される。だが巧は「野球はさせてもらうものではななく、自分からやるものです」きっぱり言い切って母親を唖然とさせる。
▼中学に入って最初の日校門には風紀委員が腕章をして髪の毛の長さや、服装チェックをしている。巧はそのときの上級生の「警告」を振り切って学校に入る。しかしそれは野球部の先輩で、その後一貫して恨みを買うことになる。職員室に呼ばれた巧は監督に身体を触られただけで、筋肉の状態や走り込み不足を指摘される。そして入部を許可される。1年生は当然どこもボール拾いや球場整備などから始める。ところが監督は巧と豪にキャッチボールをやらせてみる。その結果レギュラーとして入ることを認められる。ところがそのことでさらに上級生海音寺の恨みを買い、体育用具準備室でリンチを受ける。
▼その見張り役をさせられたのが、同級生で寺の息子だった。彼はそのことで悔いて登校拒否を続けようやく立ち直ったとき、職員室に訴えに行こうとするが、上級生に拉致されてリンチをうけそうになる。危機一髪で監督に救出されるが、その戸村監督は怪我をして病院に運ばれる。そのとき海音寺は「俺は別に野球が好きだったのではない、内申書が良くなるから部員になって風紀委員にもなった。先生ここは取引をしよう」と監督を脅迫する。その事件を知った校長は「体面があるから事件はなかったことにして、野球部は1年間体外試合の出場停止にする」ことで決着を付ける。この一連の事件と決着の付け方はどの学校にもありうる事件のように思われる。
▼対外試合を禁じられたのだが、巧の豪腕を聞いた隣の横手二中のスラッガー門脇は挑戦してくる。最初はバッティングの対決だけだったが、無届けの試合にまで発展する。試合の途中横手二中は速球をキャッチャーの豪が受けられない事に気づいて、振り逃げをすれば勝てると判断する。それから巧は豪にスピードをセーブした玉を投げて事々ことく打たれてしまう。横手の監督が「許可を得ない無届け試合だ」と乗り込んで来て試合は中断して一週間後に再試合となる。
▼豪は巧が信じられなくなり、練習にも来なくなる。巧はどのような制球で投げたらよいのかわからなくなる。つまりバッテリー最大の危機になる。さらに青波は緊急入院する。母親からは「これは青波を野球に引きずり込んだ巧の責任だ。もしもの事があったら巧を絶対許さない」と責め立てる。だが病床の青波は気力を振り絞って「お兄ちゃん頑張ってきて」と苦しい息をしながら、励まして巧を試合に行くように促す。巧は試合の始まったばかりの球場まで自転車をひた走らせる。マウンドに立つと仇敵門脇がバッターボックスで不敵な笑いをして待っていた。野球好きでなくて、野球が嫌いな人でも信頼できるバッテリーがどれほど人間の成長に必要か痛いほど伝わってきた。そして映画館では観客のすすり泣きが絶えない。

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