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March 25, 2007

◇「かもめ食堂」を見る

▼昨日の検索用語を見ると数日前にご紹介した浅田次郎の「雛の花」がトップに入っていて嬉しかった。様々な話が「霞町物語」には収録されている中で、あの話はとにかく一番光っている。
▼◇「かもめ食堂」WOWOW。金曜日は某大学の卒業式だった。たまたま仕事の打合せで構内を歩いていたら、和服で着飾った女性が沢山にこやかに闊歩していた。その中にえんじ色の和服袴の女性がひときわ目立った。何故かというと尼さんのような真っ白な被りものをしていたからだ。どうしたのだろうと見ていたら、イスラム系の女性がスカーフ(という表現が正しいのかどうか)を被った上に和服を着用していたのだった。
▼わたしは上下ともイスラムの伝統を重んじた方が似合っているのではないかと思ったが、彼女は一生の想い出に和服を着たかったのだろうと想像した。そこでふと5年ほど前に卒業して昨年結婚した某女の事を思いだした。彼女は朝日新聞に、フィンランド(ノルウェイだったかも知れない)で鰺が大量に水揚げされる写真を見て、半年ほど学校を休学して、彼の地で行ってきたという経歴を持っていた。フィンランドでも自販機は何一つないのが印象的だったという。映画はノルウェイでひょんな事で日本の食堂を開こうと考えた女性(小林聡美)が主人公である。日本の定番の朝食と言えばアジの開きと海苔とみそ汁である。鰺が好きならば同じメニューでも喜ばれるのではないかと考える。
▼メニューはいわゆる日本の大衆食堂にある、珈琲からカツ丼からアジフライなどだ。現地の人たちがこわごわやって来る。最初日本語を巧に操り、珈琲を飲む青年トシミだけだったが、シナモンロールを焼く匂いに釣られて3人の女性客が定期的にやってくるようになり、評判は高くなる。そんな中、飛行機に乗せた荷物が着かない、と困っている日本人女性(もたいまさこ)がガックリしてやって来る。試作品として日本のおにぎりを出したいと考えていた経営者は彼女が注文してくれた、おにぎりを出す。店にいたフィンランド人たちはその奇妙な食べ物に絶句する。
▼家出をして愛人の元に去っていった夫を取り戻すにはどうしたら良いか、「それに利く日本の魔術があったら教えて欲しい」という質問も寄せられる。すると小林らは、深夜に5寸クギを打つ呪いを教え、夫は無事戻ってくる。時間が日本と違ってあくまでもゆっくり過ぎていくフィンランドにあって、現地の人々の心暖かな交流が描かれる映画だった。アキ・カウリスマキの『過去のない男』の主演したマルック・ペルトラが、カッパライで出演している。

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