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March 11, 2007

◇「サン・ジャックへの道」を見る

▼昨晩「ディープ・インパクト」が放映されていた。映画館では見ていないが、前に一度だけTVで見たことがある。ちょっと確認したいことがあったので、部分的にみた。前日この映画の事をY和夫は「核の優位を謳った映画だ」と驚くべき断罪していた。監督は「ピースメーカー」などを作ったミミ・レダーで、彼女は「ER」シリーズⅠの最初の2、3本も監督している。だから普通のアクション映画と違って肉親との別れの辛さというのが時々出てきている。出演俳優では「ER」のウィーバーが生後間もない子どもを育てている母親として出演していた。また美少女の代名詞のように言われていたリリー・ソビエスキーもでていた。彗星に核弾頭を仕掛ける宇宙船が「メサイヤ」であった。毎年12月には携帯オーディオプレイヤーにはヘンデルの「メサイヤ」を入れて置いて、何度も聞き返すのだが、昨年暮れはあわただしかったので、まっうく聞かなかった。
▼NHKBS金曜深夜にはベルディの歌劇「アイーダ」をやっていたので録画して見た。2時間半の大作だが新解釈で中々迫力があった。
▼◇「サン・ジャックへの道」3人の仲が悪い兄妹がいる。一人は学校の教師をしている女性。兄は会社の経営者で仕事人間、そして弟は酒飲を飲むことにしか生きがいを感じていない。ある日それぞれのところに遺産管理人から一通の手紙が舞い込む。「○月○日までに公証人のところまで来て欲しいというのだ。そこには亡くなった母の遺言があった。それによると「遺産の家と現金は全部教会に寄付することにした。ただし3兄妹が揃って同宿して、スペインの聖地サンティアゴ(サン・ジャック)まで、1500km(2ヵ月)の巡礼路を一緒に歩くこと」これをやってのければ莫大な財産を3兄妹に与えるというものだった。
▼学校の教師をしている女性は2ヵ月も生徒を放りっぱなしにして休暇を取るわけにはいかないといい。兄は株取引や会社の経営で忙しくてそれどころではない。末の弟はすかんぴんで、およそ歩くタイプではない。兄妹は途中とっくみあいのケンカをするが、それでも遺産が欲しくてイヤイヤ歩き始める。その巡礼には6人の青年たちも参加する。出発点の教会で「願い事」を書くように促される。みんな欲の深い事を書きつづるが、シスターの検閲で削除されてしまう。それどころかイスラムの青年の書いた願い事は「異教徒」という理由だけで一瞥もされずにゴミ箱に捨てられる。
▼兄はとびきり重いリュックを背負って携帯から生活用具一式を詰め込む。弟は文無しで普段着で荷物は何も持っていない。ガイドは食料を現地で手に入れて、自分で調理して参加者に振る舞う。泊まる所は教会の宿坊があれば良い方で、学校の体育館や露天ということすらある。教師をしている女性は、無神論者で歩くことが大嫌いだから、「巡礼や礼拝など教会の坊主が金もうけのためにやっていることだ」と切って捨てるようにいう。金持ちの兄は上り坂になると部下を携帯で呼び出してリュックだけ運ばせるなどをして、楽をしようとしている。やがて車も来ない道になる。みんな荷物で余計なものを持って来すぎていることに気づいて捨て始める。余計な物を持っているために人生は重荷を背負って歩かざるを得ないのだという事にみんなは気づいていく。
▼やがてフランス国境からスペインに入る。ガイドは「実は遺言は最後まで歩かなくても、ここのでいいのだよ」という。教師の女性はここで止めようと一緒に歩くのを思いとどまる。しかし物欲の固まりのような男だった兄は、歩き始めて持病も治って薬すら不要になっていた事に気づく。そしてみんなと別れるのが辛くなり、「最後までみんなと歩くよ」とみんなの後を追いかける。すると別の兄妹も後を追うことになる。映画は物欲とカネに目がくらんだ現代人に対する大いなる警鐘と皮肉を突きつける。銀座シネスイッチで。

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