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June 04, 2007

◇「戦場のアリア」を見る

▼◇「戦場のアリア」公開されている時は見る気持ちがわかなかったが、WOWOWで放映されたので録画してみた。1914年第一次大戦中の英独戦線、塹壕線の陣地は膠着状態にある。ちょうどクリスマスイブを迎えようとしている前線では、どのような祝い方をしようかと思案中である。そこへ出征している夫を歌手の妻が皇帝の特別許可を得て訪ねてくる。それは愛する夫に再会するためと前線の将校や兵士を慰問するという口実があった。
▼前線のドイツ軍塹壕ではきょうだけは24時間の一時停戦をしても良いのではないかという意見が持ち上がり、手製のイルミネーションを塹壕の上に飾り付ける。半信半疑だったイギリス陣地からは、何か陰謀ではないかという疑念が持ち上がるが、やがて敵意がないことが分かると、両軍は合流してクリスマスを祝うことになる。そこでオペラ歌手の妻と元歌手の夫が「アリア」を唄うことになるのだが、練習不足の夫は中々声がでなくて苦心する。両軍の兵士は二人のアリアに酔いしれ、闘いも一瞬忘れてしまう。そして飲んだり、サッカーをするまでにうち解ける。もちろん戦場には「敵」に兄妹を殺されたりしている兵士がいるから、急にうち解けることなどできない。だがそこで相手も同じ人間なのだという気持ちが強くなる。
▼前線を視察する将校は教戒師である牧師が、兵士を鼓舞激励することを拒否していると思いこんで配置転換をしようとやって来る。しかし兵士たちは退去するときわざと遠回りをさせ、さらに空に向けて一発発射して将校を敵襲だと思わせて脅す。前線においても上官は塹壕の惨めな生活を何も分かっていないのだ。やがてクリスマス休戦が終わった時、ドイツ軍の将校は「あと10分後に砲弾が撃ち込まれるから、自分たちの塹壕に退去せよ」と忠告にやってくる。それが終わるとイギリスの砲撃が行われるので、逆の事が行われる。そして歌手の夫婦は皇帝の特別の見逃しで、100m離れたフランス領土へ「捕虜として送致」される。
▼そして敵を敵と思わなくなった兵士たちはそれぞれロシアとか、遠隔地へと送られていく。「アリア」はともかく、クリスマス停戦は実際に複数の戦線で行われたという事実があり、それを物語として膨らませた佳作である。

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