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June 18, 2007

◇「ロストロポービッチ人生の祭典」を見る

▼昼前に渋谷に行ったら、機動戦士ガンダムか攻殻機動隊に出てくる下っ端の兵士のような重装備の格好をした第二機動隊の面々がうろついていた。昔の機動隊から装備もかなり変化していた。ヘルメットも、すね当て、それに防刃ベストも中々のものだった。思わず「格好良いですね」と声をかけそうになってしまった。そして青山通りを上っていく。きょうの映画館はイメージフォーラムで青山学院の手前を右に入ったところにある。
◇「ロストロポービッチ人生の祭典」旧ソ連時代反体制運動をしていた3人の有名人がいた。一人は物理学者サハロフ、「収容所列島」を書いた小説家のソルジェニーツインそれにこのロストロポービッチである。何度か書いているがわたしはチェロが一番好きな楽器で、彼のバッハ無伴奏チェロソナタなど数枚を持っている。反体制派が生き残れる条件は何なのか映画をみて考えた。サハロフは最後は政治を通じて国を変えることができないか試行錯誤をしていた。ソルジェニーツインも映画に少しだけ登場するが、作品を売り込むというより、自分や子息を高く売り込むことだけに血道を上げていて、その汚い手口は新聞等によく出ている。ロストロポービッチはソ連時代、その過激な言説で国外追放され、ロシア国籍を剥奪される。世界各地から身元を引き受けるという希望が殺到するが、いずれも断りモナコの国際市民の旅券を発行してくれたのでそれを受け入れる。彼がなぜそのような活動を続けることが出来たか。それは誰にも負けない実力があったこと、映画でも分かるのだが、とても人なつっこい気さくな人柄で誰にも好かれるので、友人が全世界の有名人のなかにいる。そして若い時からの努力でお金をちゃんと蓄積していて、ソ連の兵糧攻めくらいではへこたれなかったことだ。
▼映画の構成は2部でロストロポービッチのインタビューと、妻でボリショイ劇場を席巻したオペラの女王、ガリーナ・ヴィシネフスカヤとのインタビューで構成される。彼女が若いときのオペラの画像も出てくるが、マリア・カラスを凌ぐのではないかと思える演技力と歌唱力である。二人の娘たちも音楽家になり外国で勉強をした聡明そうな人たちだ。長女はチェリストになり次女はピアニストの勉強をしている。インタビューアが「長男が生きていたら…」と水を向ける。彼女は今慈善事業とオペラ学校を開いているのだが、あるとき病院の乳幼児室を訪問した。ふと気づくと長男が死亡した2月11日だったことを思い出した。しかも同じその病院で1945年の何もない時代だった。夫は自ら赤ちゃんの棺を作り、シーツを中に敷き、凍てつく土を掘って埋葬した。と語り、チャイコフスキーの「スペードの女王」の同じ場面をオーバーラップさせる。人間ロストロポービッチ夫妻の文字通り苦難の中でも希望を失わずに生き抜いた彼の信念が伝わって来る。
▼土日も仕事をしていたので、賽の河原の石積みは基本的に本日で終わるメドがついた。明日で納品を完了できそうだ。

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