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June 03, 2007

◇「ボラット」を見る

▼昨日の検索用語を見るとロクな言葉でこのブログに来ていらっしゃらない。日中はヘトヘトになるくらい暑かった。わたしは午前中から渋谷シネクイントに行っていた。
▼夕方ケーブルTVの「ヒストリーチャンネル」を見ていたら、「ザ・シューター」の公開に合わせて「狙撃の歴史」という2時間番組をやっていたが、これがとても面白かった。狙撃は南北戦争あたりから出てくるのだが、第二次大戦頃までは、猟銃にスコープを付けた単純な構造だった。ところが狙撃が戦略的位置付けられると、専用の銃の開発から訓練もカリキュラムとして確立する。ベトナム戦争当時の狙撃者の発言なのだが、目標を捕らえたら、いつ引き金を引いて殺すかは、彼らの手に委ねられる。そして彼らが出した結論は、相手も人間なのだから昼食をとって満足させてから殺すという結論に達したという。さらに凄いのは旧ソ連の女性狙撃手だ。これは有名な話なのだがソ連は兵員不足から女性狙撃手を養成して利用した。もっとも多く殺したのは700人という実績を持っている狙撃手だ。当然狙撃手の方にも被害は出るのだが、ナチスをやっつけたという誇りをもって彼女たちは証言していた。あと後半はイギリスの狙撃手を要請訓練し、最終試験までの模様が「なるほど」と思わせた。
▼◇「ボラット」カザフスタンの国営TVが有名なレポーターとディレクターを伴ってアメリカの文化について突撃取材を敢行するというドキュメント風のコメディだ。設定は架空だが、アメリカ取材は映画撮影という事を隠して行っているから、アメリカ人の反応は現実だ。カザフスタンの本当の田舎にすむ主人公は母と村一番の売春婦という妹、強姦魔という弟、それにかんしゃく持ちの妻と暮らしている。そして馬車に引かれたタクシーに乗ってアメリカに乗り込む。アメリカ人にジョークの話し方を学ぼうとするが、価値観が違うのでカザフスタンの方法では受け入れられない。最初のホテルでCATVを見ていると、プレイボーイメイトの「パメラ」が出てくる。彼はパメラと結婚すると言い、最初の予定を変更して、彼女が住んでいるというフロリダを目指す。そしてカーショップに行って、女性にもてる車は何かと問うと、ハマーだという答えが返ってくる。予算を提示するとマルが3つも足りないので、仕方なく保証なしの700ドルの販促用に使っていた中古車で出発することになる。ゲイのフェスティバルにであって、祭りだと大喜びして仲間入りしたり、マナー講座に招かれて女性をエスコートする方法を学ぶがいずれもうまくいかない。
▼ロディオの大会にも乗り込んで挨拶を求められる。そこには国歌を斉唱させられるが、それに先立ち演説をする。その内容がブッシュの喜びそうなテロとの戦い、ユダヤ人の撲滅などはちゃめちゃな挨拶になる。集会に来ている国粋系の人には拍手喝采をされるが、リパブリックを歌詞の内容がカザフスタンを美化するので会場はブーイングで騒然としてしまい、命からがら逃げ出す。危ないアメリカを旅するには護身用に銃が必要だと銃砲店に行くが、外国人には売ってくれないので、やむを得ず大きな熊を車に乗せるが誰も怖がって近寄ってこない。やがて相棒のディレクターと大げんかして別れ別れになり、文無しの彼はヒッチハイクをする。大学生の車に拾って貰う。その中でパメラのDVDを見せ、「彼女は処女だ」と信じて疑わなかったボラットに彼らは「そんな筈はない」と一蹴され落胆のあまり再び下車する。そしてヒッチハイクを重ねてようやくパメラのサイン会の会場にたどり着く。そしてカザフスタンで花嫁をさらうときに用意するというズタ袋をぬかりなく用意する。そして自分の番が来たときパメラにすっぽり被せて誘拐しようとするので会場は大騒動となる。辛くも脱出したパメラは駐車場を力一杯走って逃げ回る。これはヤラセではないから真に迫っている。
▼妻がカザフスタンで熊に喰われて死んだという連絡が入ったので、フロリダで出会った売春婦を妻として連れ帰って幸せそうなボラットが村の人たちと記念写真を撮るところで終わりとなる。後日談もあるのだが、それは見て欲しい。アメリカがいなかる国であるか逆説的に描いているので、とにかく理屈なしで面白い。アメリカで公開されると「華氏911」を抜いて全米興行収入2週連続一位になってしまった。渋谷シネクイント。

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