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July 27, 2007

サイドカーに少佐

▼「サイドカーに少佐」昨日の朝、WOWOWで山本薩夫監督の「戦争と人間」の最終章を放映していた。この作品は日活提供でつくっていたが、最後は資金力がなくなってこのノモンハン事件で終わってしまった。迫力あるのは実際にモスフィルムの力を借りてノモンハンで実際のソ連軍戦車を使って撮影したから迫力満点である。わたしがこの日見たのは最後の10分くらいだった。五代の長男(北小路欣也)がその反戦思想から前線に引っ張り出される。水も食料のなくなってしまうが、壊れた水冷式マキシム機関銃の油っぽい冷却水を飲んで生き延びる。そこでやはり兵士になっていた反戦画家の江原慎二郎に偶然出会う。しかも彼はソ連軍の砲撃で右手を失っている。彼を担いで南下しているとサイドカーに乗り、「少佐」の階級章をつけた男に出会う。少佐はサイドカーを降りて「おい兵隊、お前はどこから脱出してきた。お前のようなヤツがいるから戦争に負けるのだ。原隊に戻れ」と命令する。五代はおもむろ38式小銃を少佐に向け、「原隊は全滅しました。原隊とはどこにあるのです。教えて下さい」と今にも銃を発射しそうな五代の勢いに押されて、サイドカーに飛び乗る。そしてオートバイの運転手は後ろを向いたまま敬礼をして、水筒を五代に放って去っていく。
▼そして木材を積んだ火葬シーンに移り「軍人勅語」の朗読が聞こえてくる。そして戦火はヨーロッパでも広がっていく事を暗示させて終わる。サイドカーとは当時でも将校など一部特権階級にある兵士の乗るものだったのだ。
▼3日前に河川敷で暮らすホームレスが西瓜を育てているという事を書いたら、某読者が同じような話がJ・M・クッカーの「マイケル・K」に出ているというのでさっそく借りてきて読んでいる。

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