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July 02, 2007

村山由佳、岐阜県千光院の体験

▼日帰り帰省でかなり疲れが残っていた。本当は六本木に「帰郷」を見に行くつもりだったが、今週末の原稿締め切りはないので、急遽取りやめた。その代わりというのもおかしいが、家族の体調も優れなかったので、わたしが京橋の画廊で開かれている、展覧会に出かけた。この日が最終日だったが、10人くらいの女性が一年に一度描いてきた花の絵を様々なモチーフで表現している。毎年ハガキで案内を頂いているのだが、わたしが足を運ぶのは初めてだ。出展している人は娘の中学時代のクラスメイトのお母さんで。面識だけはある。今年はチベットに咲いている花で曼荼羅を描いていた。お話しを聞くと7、8年前にラサにいらしたという。当然当時は車しか移動の手段はない。まず成都まで飛行機で行ってそこから車でラサに入る方法と、昆明から入る方法があった。
▼道路も建設中の1本道なので、途中何度もラサに向かう車を2時間ほど通すと、今度は逆の方向を2時間通すという方法でかなり時間がかかった。しかし物は考えようで時間をかけていくから高山病にもなりにくい。一方昆明から入った欧米人は高山病で出血して病院で応急処置をして再び飛行機でそのまま見学もせずに戻ってしまった。病院というのも1階は現地の人向けで2階が外国人や鉄道の建設に関わっている労働者向けだった。現地の人たちは例えば夫が、病気でこの病院に入院すると夜になると一家が病院に押しかけて来てそこで煮炊きから洗濯をするなど生活を初めてしまうので、異様な匂いが立ちこめていたという。
▼Aさんの絵はチベットでスケッチした花で、この絵画のサークルの師匠にお見せしたところ「完成を楽しみにした」がなくなってしまい、それを見ることができなかった。Aさんは師匠の死を悼みチベットで見つけた花を使った曼荼羅を描くことを思いついたということであった。
▼1日夜7時NHKハイビジョンで色々な分野で活躍している女性たちが、一泊2日で宿坊に泊まって修行を行う姿を紹介していた。題して「宿坊ココロとカラダで満つる旅」。5人か登場した中で作家の村山由佳は特によかった。彼女は最近まで千葉県鴨川で農業をして、食べる物はすべて自分で作りながら、創作活動をしていた。そしてそのアドバイサーは常に夫であった。これを自分の力で何とかしなければならないと、鴨川を引き払ったらしい。そこで今まで協力をしてもらったパートナーに対する後ろめたさが残っていた。岐阜県の千光院に行った彼女は、参加者と一体になり手を繋いで輪を作る。そして隣にいた人と自分が何をしたいのか話し合う。そして夜になると住職と1対1で会話が始まり、パートナーとの関係を一時的に断ち切ることがマイナスだけとして考えていて良いのかという、問題提起を突きつけられる。彼女は「うーん」その思考は自分にはなかったことに気づく。そして深夜死後の四十九日の体験をすることになる。自分の心臓を模したロウソクを一本持たされただけで暗い通路をグルグル、そしてビクビクしながら廻る。そして自分の姿がガラス戸に映った姿を見て悲鳴を上げる。
▼四十九日の行が終わって住職の穏やかな顔をしている部屋に辿り着く。そして「怖いとおもう気持ちは自分自身の中にあるのだ」ということを悟るのだ。

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