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July 08, 2007

カウリスマキ「街のあかり」を見る

▼アキ・カウリスマキの「街のあかり」初日第一回を見るために、朝8時半にユーロスペース前に着く。もちろんそんな早い映画などあるはずがない。もう一本レイトショーで見たかったキューバの「低開発の記憶」がモーニングショーで上映されていると思ったからだ。前夜ネットで確認すると、9時0分と出ていた。それで早く来たのだ。しかし建物にはチェーンがかかっていて開く様子がまったくない。携帯で再度確認すると朝は10時半で夜の部が9時10分と見間違えていた。「低開発…」を先に見ると「街のあかり」を見ることが出来なくなってしまう。仕方なくBunkamuraまで戻って硬い石の上に腰を下ろして時間まで持参した本を2時間も読んでいた。
▼映画が終わってからいつも行く寿司屋に入った。あのシエスパ爆発現場から直線距離にして30mくらいだ。客と寿司屋の親父の話ではドカンと突き上げる、地震のような感じがして客はみんな一斉に逃げ出してしまった。残ったのは自分一人だった。その後町会などでは事故の直接被害や休業補償問題をどうするのか、初めての経験なので時間がかかったと言っていた。ここのちらし寿司丼は土日の昼時に行くと、630円が525円のサービス料金になっている。そして付いてくるアサリのみそ汁がとても美味しい。
▼◇「街のあかり」カウリスマキは常にフィンランドのヘルシンキが舞台だ。主人公の男はビルの警備会社に勤めており、毎日同じ巡回をこなして、終わると帰宅するという平凡な日々を送っている。仲間にみんな仕事が終わると一杯ひっかけに行くが、彼はそれには一切つきあわない。仲間に「もう女でもできたかい」と冷やかされ、一回だけカッとなってつかみかかろうとしたことがあった。そんな彼の友人は、毎日顔を出すトレーラーで軽食を扱っている女店員だけだった。それも一言口を開くだけだ。もう一人犬を散歩させている黒人少年が彼を見守る。ある日彼に目を付けたギャングがいる。いかにもカウリスマキ好みの美女を警備員の男に接近させる。デートをすること数回、いかにも思わせぶりに、警備員を呼び出し喫茶店に誘う。コーヒーを注文するが「水が飲みたい」と女は言い、その好きに睡眠薬をコーヒーに入れる。
▼そして車に戻った彼が眠ったスキにカギの束を盗み、ギャングは警備していたビルの宝石店に忍び入ってごっそり盗み出す。当然彼は逮捕、解雇されてしまう。状況証拠は一つもなかったので釈放されるが、陰湿なギャング団は女に数個の宝石とカギを彼に見つからないように返却させ、警察に密告する。今度は証拠があったので2年の実刑を食らう。だが初犯なので2ヵ月で出所することだできる。ようやくレストランの皿洗いの仕事を見つけるが再びギャングが、彼の「過去」を密告したことからすぐ解雇される。怒った彼は果物ナイフと研いでギャングの親玉を狙うが、逆にボディガードから袋だたきにされてしまう。工事現場で瀕死の状態になっているところを少女に発見され、トレーラーの女に「知り合いの人が大変だよ」と知らされる。駆けつけると血にまみれた男が横たわっている。トレーラーの女が「もう諦めるの?」と尋ねる。男は首を振って恩なの手を借りて立ち上がろう、とするときの手首のアップで映画は終わる・
▼カウリスマキ敗者3部作の最終章と言われている。とうぜんタイトルからチャップリンの「街の灯」がモチーフになっている。とても地味が映画だが希望を捨てないラストが見る者ホッとさせる。渋谷ユーロスペースで。

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