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November 20, 2007

◇「ボーン・アルティメイタム」を見る

▼「週刊金曜日」編集長の北村肇氏も戦車がお好きのようで、今年になってから同誌の編集後記に2度戦車の事を書いている。最新号でも戦車の価格問題を書いている。国産の90式は一両8億円(9億1千万円)一方米陸軍のM1A2は遙かに性能が優れているのに7億8千万円、日本の90式と互角の性能を持つドイツのレオパルド2A5は5億円程度(4億3千万円だが90式より圧倒的に強い)と書いている。括弧内はわたしの知るデータである。北村氏はここで兵器価格の不透明性を追求している。
▼片山さつき氏もかつて大蔵省主計局にいたとき、防衛省幹部とやりあって大なたを振るい「辣腕主計官」として恐れられていた。ところが国会議員になり先日も秘書の一人を解雇したという報道に接して、新聞を読んでいたらその秘書とは防衛省出身者だったので驚いた。つまり彼女も抱え込まれてしまっていたのだ。
▼誤解を恐れていうならば兵器は世界中から一般競争入札をすればよい。朝日の松本編集委員が「カラシニコフ」の取材で、AKの設計者にインタビューした記事で、カラシニコフは「日本もAKを勝ってくれないかな」と喋っていた。日本の小銃はバカ高く34万7千円もする。世界の趨勢から言えば、M16でもカナダ産は4万円と、モデルガン並の価格で買うことができる。その他戦闘機ではロシアのMig29などは50億円。最新鋭のスホーイsu30Mなど推定価格だが27億円と言われているから、アメリカの6分の1くらいですむ計算になる。戦闘機はロシアから輸入すれば一番安上がりですむのだ。
▼◇「ボーン・アルティメイタム」ロバート・ラムダムのこの原作はとても面白いので1作目からずっと見ている。1作目ではフランス沖を漂流しているボーンが漁船に救われる。そしてスイス銀行に行くと複数のパスポートと多額の現金が入っている。自分は果たして何者だろうか、自分探しの危険な旅が始まる。1作目の頃は釣りをしているスリーパー(何年も市民生活を装うスパイ)に、携帯メールで指令が行くのには笑えた。そして今まで一番迫力があったのは2作目で、ここで恋人を死なせてしまう。なぜボーンが面白いかというと、CIAでありながらCIAに追われていること。そして他のスパイ映画にあるように美女との絡みのシーンもない。そして使っている洋服のメーカーや時計、車種が分かる様なアップない。主人公が身につけていのはいずれもそれほど高くない。
▼今回の主たる活躍場面はモロッコのタンジール。次々襲ってくるCIAの回し者を払いのける。ヨーロッパのCIA責任者の何が何でもボーンを殺そうというやり方にパルメ(本部から出向)は疑問を抱く。そしてイギリスの記者が「トレッド・ストーン計画」なるものを新聞の1面に掲載した事から、CIAは記者を拉致しようとする。そしてその記事はボーンの目にもとまる。そしてメールや会話はエシュロンを使ってすべて解析されて、ボーンは追い込まれる。そしてその「計画」とはボーンの記憶を失わせ、洗脳するプログラムであった事が分かる。
▼最後は全員ニューヨークに戻ってくる。ボーンはパルメの協力で自分を洗脳した精神科の医師を捜し出す事に成功する。そして自分の本当の名前を知り、志願して殺人マシンになったと聞かされるが…。手持ちカメラを多様してあたかも観客がその場にいるような錯覚を持ってしまう。この監督のたたみかけるような演出は冴える。

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