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December 25, 2007

ユゴ/大統領有故」を見る

Midtown(イヴのミッドタウン、クリック)
▼組織には主流派と反主流派が必ず存在する。韓国では戦後李大統領のあと朴大統領が軍事独裁政権を握っていた。その情報部を使った暗黒支配の実体は岩波の「K生韓国からの通信」(今の書名)に詳しい。◇「ユゴ/大統領有故」その朴大統領は軍事独裁政権の長く握ってきたが、みんながそれを喜んでいたわけではない。大統領には警護隊と中央情報部が対立していた。大統領の唯一の息抜きは若い女性をはべらせ、一夜を共にすることで、取り巻きからは「お年なのにずいぶんとお盛んな事で」と皮肉を言われている。警護隊長は大統領の言いなりだが、中央情報部はそれを苦々しく思っている。この日も中央情報部の秘密の宴会場で演歌歌手と舞踊家の女性を呼んで、「北の宿」や「悲しい酒」を日本語で歌わせている。そして大統領自身も日本語で口ずさむ。
▼それもそのはず朴は日本の陸軍士官学校を優秀な成績で卒業している。キム中央情報部長はこの日も警護隊隊長から口汚く罵られ、「今日こそは許せない、殺してやる」と部屋を出て部下に指示する。「銃声が聞こえたら身の回りにいる警護隊員を殺せ」と。課長は敬語隊員と家族ぐるみのつき合いがあるから、イヤだというが拳銃に手をかけると容赦なく親友を殺す。これが情報部や軍隊の特質であろう。そして部長が警護隊長に銃を向け、同時に朴大統領も殺害する。部下たちは一斉に部屋に駆け込み、料理人など抵抗するものは全て殺害する。そして北ゲリラの犯行に見せるため、M16を持ち出し乱射する。情報部課長は陸軍参謀長に取り入り、これは米軍も事前に知っていることだと懐柔しようとする。そして閣議を開催するが、「北に知られると南進され大変な事になるから24時間は秘密にしよう、と口裏を合わせる。そして朴を殺害したキム部長を逮捕して陸軍の刑務所に入れてしまう。つまり参謀長もこの機会を利用して実権を握ろうとする方に動いたのだ。
▼そして終息に向かうと中央情報部の面々は殆ど死刑になってしまう。口を割る面倒な奴らはみな消してしまうのが自分の身の安泰に繋がるのだ。そして国葬の実写が写る。実はこの映画は元朴大統領の家族から訴えられ映画の始まりの、おそらく大統領の女遊びの部分と、最後の告白が韓国ではカットされ、まっ黒状態で上映された。所が日本ではそれが交渉の末「許可」になって見ることが出来る。昨日道に迷って見ることが出来なかった映画はこれだ。見終わると口がカラカラの渇いてしまう。今朝急ぐのでこれまで。

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