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December 11, 2007

◇「フライボーイーズ」を見る

Ikabento(直江津のイカ弁当)
▼昨日午後7時のNHKで放映された、船場吉兆取締役の記者会見は面白かったですね。湯木取締役が一々息子か?の謝罪に口をだしていて、それが全部マイクで拾っていた。「頭が真っ白に…」という言葉まで言わされているのには大いに驚いた。彼は元々わたしと同様頭は白いので、正しくは「頭の中が真っ白」と言わねばならない。いずれにしてもあの年で、母親の言いなりになっていることが分かってしまったので、相当なマザコンであるという事だけは内外に知らしめた。
▼◇「フライボーイーズ」1916年のフランス、第一次大戦でドイツ軍にかなり追いつめられている。そして同盟国であるはずのアメリカもまだ正式に参戦は決めかねている。そのフランス空軍部隊に、アメリカの青年達が入隊してくる。主人公の青年はテキサスだったかの農場が父親が死亡して借金が返せなくなり、銀行の手に渡ってしまう。イラク戦争同様、このパイロットに応募してきた青年はアメリカでも貧しくて、銀行強盗の過去を持っているものもいる。つまりイラクのアメリカ兵士同様、仕事がないから兵隊になるしかないのだ。この飛行隊はアメリカ人が組織された物としては史上初であった。
▼つい先日ライト兄弟が飛行機を発明したと思ったら、最新技術は戦争に動員され、複葉機としてドイツ軍と戦っている。まず入隊して酒場に行こうとするが、「敵機を落としてからでないと飲めない」と先輩面した兵士から追い返される。そして訓練は地上に駐まった操縦席で椅子をグルグル回転させ、どれだけまっすぐ歩くことができるか試したり、飛行機の操縦桿を動かす事から始まる。なにせ入隊して6週間生き残れば、ベテランと呼ばれる苛酷な世界である。アメリカ人の先輩の同期に入隊した男達は、「みんな死んでしまった」とこともなげに語る。
▼そして初出動の日、戦闘機隊の責任者フランス人大尉(ジャン・レノ)は、弾は全部地上に持ち帰らずすべて撃ち尽くしてこいと命令する。戦闘機は今もそうだが、敵機の後ろに回り込む事が勝敗を決する。そして載る前に整備士から金槌と拳銃を渡される。「?」と言うと、「金槌は機関銃の弾が出なくなったら銃身と機関部を叩けば出るようになるときがある」と言う。拳銃はパラシュートなどまだない時代だから、万策尽きたときの自殺用である。飛び立っていくと地上で飛行機の数を数えている少女が一人いる。生き返りでその戦闘で犠牲になった数を確認しているのだ。最初の戦闘で二人ほどが撃墜されてしまう。
▼敵機はひよこの様なアメリカ兵が乗った戦闘機に容赦なく襲いかかる。それでも着実に腕を上げていくパイロットたち。上記のフランス人少女との恋物語から、出撃しても一機も落とすことが出来ないので、スパイ容疑をかけられるパイロットも出てくる。味方のリーダーも撃墜されたので、ドイツの黒い鷲のリーダーを落とそうするが、中々チャンスがやってこない。そして後ろに回って並んだとき、若いアメリカ兵は拳銃で敵機のリーダーを撃つ。複葉機と三葉機機の時代だったからこんなことも出来たのだろう。
▼同様の映画ではイギリスの「空軍大戦略」、「メンフィス・ベル」、そして第二次大戦でイギリス軍に入った悲劇のチェコ軍のパイロットを描いた「ダーク・ブルー」などがあるが、実寸機で撮影した飛行は迫力満点である。そして実話で構成されているので、若者を死に追いやる戦争こそは最大の消耗で最大の無駄であることも、いくつかの逸話で教えてくれる。シアターN渋谷(昔のユーロスペース)で。21日まで、惜しい事にガラガラ状態。

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