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March 17, 2008

NHK「上海から先生がやってきた」(再放送)を見る

Sionote(塩湖の塩を掴む)
▼この数日報道されているチベットの事。中国は元々チベットの鉱物資源や石油が目的でチベットを、武力制圧した歴史を持っている。このことはブラッド・ピットが主演した映画「セブン・イヤーズ・イン・チベット」に人民「解放」軍がどのように、チベットを「解放」したか描かれている。ぜひレンタルビデオ店で借りてご覧頂きたい。昨年開通した青海鉄道も、チベットに住む人たちの不満を「観光」という手段によって、観光客にカネを落とさせ「慰撫」するのが目的だと言われている。
▼先週日曜日NHKBSで「上海から先生がやってきた~貧困の村で」というドキュメンタリーの再放送を録画して16日見た。上海の裕福な家庭で育った女子大学院生が、政府の求めに応じて電車で2日かかる西吉県の中学・高校にボランティア教師として赴任する。1年間ボランティアに行くと、就職に有利になり取得単位も有利に扱われる。友人と3人で勇躍やってくる。しかしそこにはトイレはコンクリートの台と穴だけで素通し。学生たちは宿舎に住んでいる。彼女はまず英語を教え、そして生徒の家を家庭訪問するのだ。親たちは、学問を受けさせればやがて高収入を得られると考えて、無理して高校に子息を送っている。しかし農村の収入は少なく、村ごと捨てられて人が住んでいないところもある。
▼ある生徒の成績が落ちて来たことを不審に思って調べると、生徒は母が腰を痛めて動けないので昼休みに学校を抜け出して家に戻り食事を作っている。そして彼女の学費は弟が農業をやって工面している。だがそのカネも銀行から利子も知らされず借りているだけだ。やがて借金返済の日時は迫ってくる。弟は都会に行けば稼げると出かけるが、生き馬の目を抜くような凄まじさだ。職安などなく、手配師の車が町にやってきて、きょうの仕事の内容を叫んで群がる人から力のありそうな男を数人連れていくだけだ。言わば終戦直後の山谷か釜ヶ崎のようだ。弟は結局なにも仕事を得られず古里に戻る。
▼女子大生は借金の返済を求める銀行に姉を連れて行く、金利は都会と一律同じで10%くらいで返済のメドなどたたない。この場合母の手術代として銀行から借金した13万円の年利がなんと15000円にもなっている。大学生は「金利が貧困の農村まで一律なのはおかしい、それに生徒の家は父親がいないから猶予して」と訴えるが銀行員は「それなら訴訟を起こす」と突っぱねる。弟は銀行の利子だけでも返済して姉の教育資金得るために炭坑に行こうとする。しかし炭坑は落盤事故が多く、中国では年間5000人の人が死ぬ危険な職場であるという。女子大生は自分の無力さを感じ、上海にいる家族にこの農村の状態を手紙に書く。そして農村からは都会の工業化のために必要とする中学生たちが集団就職のバスに乗り、家族との別れを惜しむ。この中学生たちにどんな運命が待ち受けているのだろう。
▼昭和25年から30年頃の日本の集団就職をかいま見る気持ちがしたが、農村と都会の収入格差は10倍だという。それに追い打ちをかけるように、都会への労働力の流出政策。中国の貧困格差からくる「暴動」の根はもっと深いところにあるのだ。
▼本当は「チュニジア最終回」を書く予定でしたが、テーマを変更したら時間がなくなってしまったので明日、「10回」を書きます。4月から土日のブログは休載します。今後平日も急ぎの仕事がある場合、「休載」の掲示だけで時間をずらして執筆することはしません。

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