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July 28, 2008

◇「敵こそわが友…」を見る

◇「敵こそ、わが友 戦犯クラウス・バルビーの3つの人生」バルビーはナチスの高官としてフランスを支配占領していたとき、44人の子どもを強制収容所のガス室に送りこんだ。その後名前を変えてボリビアで逃亡生活を送る。彼がそこでやろうとしたことは、第四帝国の復活である。そして右派の人物を集めて70年代にボリビアのクーデターなどを企てる。
▼しかしそれは事前に時の政府に察知され一味は逮捕されてしまう。バルビーがやったことはそれだけではなく、有名なのではゲバラがボリビアで革命闘争をしようと潜伏していたとき、あぶり出し作戦を立てゲバラを追いつめて生け捕りにする。その経緯はあちこちに書かれているのだが、その作戦を立てたのはバルビーが「自分だ」と公言している。
▼そもそもナチスの高官だったバルビーが、捕まってニュルンベルグ裁判でなぜ戦争責任を問われなかったのか?それはアメリカの思惑があったからだ。731部隊の石井中将も人体実験で集めてデータでアメリカ軍と取引をして、訴追を免れている。同様に彼バルビーもそうしたのに違いない。V2ロケット開発・研究していたブラウン博士をドイツからアメリカに移住させ、研究させたのに似ている。つまりチャーチルもトルーマンも決してソ連が戦後活躍することを快く思っていた訳ではない。何とか押さえつけるために、ナチスの持っていたノウハウを利用しようとしたのだ。だからバルビーは捕まえられることなく利用されていた。ボリビアでもおそらくチリのアジェンデ政権がクーデターによって倒された、その裏で暗躍したいたのはバルビーのような人間であろう。これは映画「ミッシング」をご覧になるとその一端がお分かりになる。
▼そしてバルビーがボリビアで貿易商人として活躍している写真を見た人が、「これはバルビーに違いない」と指摘し、写真を子細に検討して昔の写真と重ね合わせるとピタリ一致するのだ。彼の指示のもと様々な拷問にあった人々がバルビーの悪事を次々と告発する場面は痛々しくて見ていられないほどだ。そしてボリビア政府に逮捕されたバルビーはギニア経由でフランスへと送還される。そこでまっていたのは裁判で、バルビーに殺されたり拷問を受けた人々は口々に非人間的な手口を暴露する。しかし皮肉な事に彼の弁護人になったのは、インドシナ戦争でフランス軍を告発してベトミンの立場に立った男だった。▼彼はバルビーは任務を全うしただけで、すべての犯罪は彼の責任でやったものではないと弁護する。しかしこの論理で行くとハンナ・アレントの例を引き出すまでもなく、飛躍した論理になるが戦争犯罪の責任はヒトラー以外誰もいないという事になってしまう。そこでフランス大審院の出した判決とは…テアトルシネマ銀座で。
▼ブログは昨晩10時過ぎに6万番を過ぎました。HPの方はきょうあたりに106000番になります。

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