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July 15, 2008

沖縄の夜間中学1000日の記録を見る

▼地デジBS朝日13日、日曜日午後四時から「刻みはじめた学びの時計」という番組の再放送があった。これは沖縄に出来た夜間中学に通う人たちの1000日の記録である。夜間中学といえば公立の荒川九中で見城慶一氏が苦労して続けて来られた。それはわたしの家の近く(選挙の投票所になっている)中学校で営々と現在まで続けられている。この番組ではその荒川九中の卒業生が沖縄にはそういう施設があるだろうかと、沖縄の本土復帰闘争で揺れていた時期に現地を訪問する。復帰闘争の中心になっていたのは、沖縄教職員組合だった。そこにも要請に行くのだが「俺たちにはそんな責任はない」という返事が返ってくる。(TVでは当時現地の教組から送られたハガキが一瞬写る)ところが4年前から、戦争の最中で学校に行けなかったので、どうしても勉強したいという年配者と元教師が中心になって、自主夜間中学が設置され、そこで学ぶ生徒の姿が映し出された。
▼学ぶ人たちの平均年齢は67歳から70歳以上の人々だ。戦争中と戦後の混乱期で、学びたくても仕事が忙しかったり、子育てに奮闘していてそれどころではなかった。まして米軍占領下の沖縄にあって高齢の未就学者問題はなおざりにされたままだった。この学校(フリースクール)は「珊瑚舎スコーレ」(星野人史代表)と呼ばれる。仕事が6時に終わると店のシャッターを下ろして授業開始時間ギリギリに駆けつける女性もいる。そして疲れた身体にむち打って学んでいる姿が紹介されるが、それは九九だったり、読み書きだったりする。学んでいる人たちが口々に言うのは、「学習する事によって人間として考える事の重要性が分かってきた」と語る。教える側も道具を分かりやすく理解させるために手作りで作る。画面に出ていたのは三角形から四角、二等辺三角形など工夫したメジャーを使っていた。
▼ただ就学を終えても、今までは修了証書や卒業証書が今まで発行されて来なかった。そして沖縄県の教育委員会などに様々な働きかけをした結果、今年からこの夜間中学卒業者で、一定の学科を修了した人に対しては「中学卒業」が与えられる事が決まった。そして自分へのご褒美として彼女たちは、鹿児島の砂風呂に「卒業旅行」をする。卒業生の絆は4年間の締めくくりとして、さらに一層強まったのだろう。
▼政府は一方で教育基本法の改正などと声高に叫んでいるかと思えば、憲法のもとに義務教育は国の責任であることを放置している。このNPOのように教える側に義務教育の肩代わりをさせ、ただ働きさせているように見える。

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