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September 04, 2008

◇「この自由な世界で」を見る

▼31日はNHKハイビジョンに続きBS朝日で「インサイド911」という鳥越俊太郎がナビゲーターをしている番組があったので、これも録画して見た。しかし証言するのはいずれもCIAとか、ペンタゴン関係者ばかりだ。鳥越は最初「なぜ高学歴の青年が航空機テロに走ったか、興味がある」といっていたが、きくちゆみさんらが出している疑問に何一つ答えていない。それは貿易センタービルに2機目の飛行機が突っ込んだという、確たる証拠はないのだ。しかしTVではCGを使って、あたかも突入があったかのようにそれを再現してしまう。それと航空機から地上に向けて携帯の電波は届かないのに、日本語の声でそれを再現する。そしてペンタゴンへの航空機突入は、飛行機の大きさと爆破の穴が一致しない(飛行機の方が遙かに大きい)のに、「突入はあった」と結論づける。まあ鳥越俊太郎もCIAのプロパガンダの片棒を担ぐ程度の人かと思った。
▼◇「この自由な世界で」ロンドンの人材派遣会社で働くシングル・マザーのアンジー。仕事は外国人労働者と面接してより分ける、マネジャーのような仕事をしている。飲みに行ったとき職場の同僚からセクハラを受け、それに抗議すると、翌日「クビ」を宣告される。彼女は上司に抗議するが受け入れられないので、腹いせに辞めて親友と同じ派遣業をすることになる。最初は電話一本だけだが、仕事は順調に上向く。イギリスでは正式なビザを持っていなければ、就労できない。それを逆手に取って、パスポートを持っていないイラン人労働者に対しては、ニセのパスポートを入手して仕事を与える。しかし派遣業とは名ばかりで、言わば日本の山谷の手配士といった仕事である。多くはポーランドからの出稼ぎだ。母国では有能な技術者や医者であっても、そにには仕事がないからロンドンに来ている。それも普通の労働者が尻込みするように3Kの仕事を安値で引き受けて、路上で朝早く集めた人を数台のバンに乗せて、受注先まで届けるのだ。当然税金を払っていないから利益は出る。
▼アンジーのもう一つの悩みは一人息子のジェイミーの事だ。小学校でイジメをしては退学処分スレスレの所にいる。彼女は時々校長に呼び出されては、説教されるが言葉巧みに言い逃れる。そして長男はアンジーの両親の所で世話になっている。父親の心配はアンジーがまともな仕事をしているかどうかだ。あるとき早朝の手配の現場を見に来て、その悪辣なやり方に呆れて「およそ人間のやるべき仕事ではない」と逃げ帰ってしまう。
▼順調に進むかと思えた仕事も取引先から不渡り小切手を受け取り、資金繰りができなくなってしまう。家賃も払えないから給料を払ってくれと抗議する労働者。彼らの住まいは動かなくなったトレーラーハウスである。アンジーはなぜこんなにカネに執着するかというと2万ポンドのローンの支払いがそのままになっているからだ。行き詰まったとき、急に大口の仕事が舞い込む。しかし40人もの労働者を収容する施設がない。彼女が思いついたのは今トレーラーハウスで住んでいる人を、「不法滞在だ」と移民局に訴えて追い払うことだった。さすがに一緒に仕事をしている同僚から、「もうこれっきり」と愛想を尽かされてしまう。そして借金している相手は彼女の家に押し込み、ジェイミーを隠し彼女を縛り上げ貯めた現金を奪う。そして「残りは必ず返せ」と息子が可愛かったら警察には知らせるなと念を押して逃げ去る。アンジーにはもうロンドンは仕事ができる場所ではなくなってしまった。そして仕方なくウクライナに出掛けて面接をはじめる。貧しさが貧しさと収奪を拡大させている現実をケン・ローチは描く。前作の「麦の穂を揺らす…」より遙かに良かった。渋谷シネ・アミューズで。

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