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September 08, 2008

カンヌで何も日本が受賞できなかった理由は?

▼昨日は一日中かなり緊張を強いられる仕事だったので疲れが残っている。昨日の仕事はそれで終わりでなく、これは出発点だから体調を崩さないように2週間ほど長丁場を乗り切らなければならない。
▼数日前の朝日「天声人語」に日本人は外国で評価されてから、日本の映画の良さを慌てて見直す悪い習慣があるから、そういうのは改めなければならない、というような説教が書いてあった。それはたとえ話として黒沢明の「羅生門」が日本国内では不評だったが、カンヌで受賞してから、手のひらを返したように迎えられたというのだ。しかし「羅生門」が分かりやすい作品かというと、わたしは分かりにくいと思う。起承転結があるわけではなく、事件にもこういう見方、ああ言う見方があると真相はやみに包まれる。そういう点では先日の「真昼の暗黒/八海事件」の方が警察の非合理性を突いていくという点でハッキリしていた。
▼そして昨日日本からの作品は何も受賞しなかったとがっかりした記事だった。石原都知事が力を入れている「東京オリンピック招致」にしても、ただマスメディアを使って騒いでいるだけだ。外国では箸にもひっかからない。築地市場を莫大なカネをかけて、土壌汚染地域に移動させて儲かるのは土建、建築関係会社だけ。彼らに取ってはオリンピックがあろうがなかろうが、土盛り、建築で公共事業の仕事さえあればどうでも良いのだ。
▼ああ話が逸れてしまった。日本から出品した作品に見るべき価値があったのだろうか?「スカイ・クロラ」についてはメルマガで書いたが、キルドレたちの生き方が余りにも虚無的である。必死に行きようとする心構えがなければ、ドッグファイトに勝てる筈はない。北野武の「アキレスと亀」は国内ではまだ公開されていない。しかし北野の作品はカンヌ向けという事を意識して創られている。つまり過去一環してオリエンタルな風景、極端な色遣いで審査員にアピールしようとしている。彼が映画を作る能力があるかどうかわたしは知らない。しかしキルドレ同様に「虚無的」が描き方がいくつかの作品で共通している。それは一節によるとあのオートバイ事故から、それが顕著になったという指摘がある。これは公開されてから見て、また感想を書こうと思っている。
▼宮崎駿の新作は見ていないし、見る気もない。この映画の作成過程はNHKで何度も特集されて、生みの苦しみの一端が紹介されていた。夏に学校の講師団合宿があったとき、ある先生と意気投合して意見が一致したのは、宮崎駿の女性の描き方である。なぜああなってしまうのか?NHKで見る限り彼は幼くして母親を亡くし、マザコンプレックスがずっと作品に反映されているような気がした。3作品に共通しているのは、独りよがりなのである。

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