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October 31, 2008

一枚の絵はがきで甦る映画

Ehagaki(友人から頂いた絵はがきのトト)
▼九十九電機が会社更生法の適用を受けたというニュースを聞いて驚いた。1年前に買ったわたしが使っているデスクトップも実は九十九で買ったものだ。音が静かでとても満足している。しかし夏場だけは放熱効果が心配だったので、扇風機をマシンの前で連日廻し続けた。わたしはXPが好きなので、近く同じ店からアウトレットのマシンをもう一台買おうかと思っていた矢先の事だった。しかし不思議な事にネットなどで見ていると最新のビスタよりも、不思議なことになぜか古いXPの方が価格が高くなっている。
▼1年前に今のマシンに変えてから、ある作業ができなくなって困っていた。2日前かなり悪戦苦闘して、難題を解決できた。マシンのせいかと思っていたが、これはソフトの使い方を十分理解できていない、わたし側の問題だった。今のマシンの性能からするとスピードは若干劣るが、やって出来ない事はないのであと1年はこのマシンが使い続ける事ができるだろう。
▼1週間前に江東区に住む妊婦が脳出血になって、8つの病院で受け入れを拒否された事件がおきた。その直後TBSラジオで、今の医療制度の問題点を聴くという視聴者参加コーナーがあった。そのとき病院に勤務する知人が、勤務医がどんなに苛酷な労働状態で働いているか発言していた事は書いた。さっそくわたしは投稿していた彼にハガキで、「聴きました」という同感の意見を送った。昨日ポストを覗くと彼からの返事が来ていた。その内容は、投稿がラジオで紹介されるのは今回で2度目であるという。1年ほど前にご自宅に伺った時、彼はわたしが新聞に書いている「シネマ紹介」の熱心なファンであるとも言ってくれた。それを裏付けるように送って下さったハガキの「絵」の部分は「ニューシネマ・パラダイス」のトトがスクリーンを目を輝かせて見つめている物だった。やはりメールよりも手書きのハガキは数倍も胸をうつ。
▼先日どこかの地デジ放送で「シチリア島の旅」というのをやっていた。この映画の主人公トトは20歳くらいに成長していたが、あの笑顔で映画のシーンをすぐに思い出す事ができる。今はシチリアで普段は喫茶店を経営していて、ときたま映画に出演することもあると語っていた。一枚の絵はがきは色々な想い出を蘇らせてくれる。

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October 30, 2008

「カラ兄」くらいで驚いてはいけない。

▼また週刊誌が一つ廃刊になる。わたしが自費で週刊誌を買ったのは、中学生の頃「週刊新潮」だったと思う。当時話題になっていたのは防衛庁の、新しい戦闘機を決める際の疑惑だった。ラジオを聴いていると、なぜ週刊誌が売れなくなってしまうか論議されていた。わたしなりに考えて見ると、まず週刊誌というのは、現代やポストに限って言うと、新聞や電車の中吊り広告を見ただけで、買わなくても理解できる内容になっていることだ。そしてビッグニュースなどが飛び込んで見出では、仰々しく取り上げているが、いざ手にしてみるとたった2ページの見開き扱いだという事が往々にして多い。それに事件を取り上げる立場が週刊誌によって決まっており、おしなべて体制迎合型が多くなってしまったことにある。
▼そしていずれの週刊誌でもヌード写真が掲載されており、電車の中や人前で開くのにはかなり勇気がいる。現に某外国航空会社では、機内サービス用としての搬入を止めてしまったくらいだ。さらに輪をかけて真ん中あたりにマンガというか劇画が掲載されているが、これも人前で見るのをはばかれる様な物が多い。さらにエッセイの水準が低いと思う。以前「ダカーポ」が出ている時は、読んでいて市井のありふれた風景を見事に書く人がいたが、今は見あたらない。
▼先日てんぐささんとメールで話した事だが、映画情報はネットの方が早い。現在週刊の「ピア」も近く月二回刊になるようだ。わたしはいくつかのHPの管理をしており、一人の読者の滞在時間を見ていると、みなさん1分以下である。グチを書くのは止めるが、30分以上かかって書いて見られる時間が、30~40秒では浮かばれない。しかし現実にそうなっている。だから紙媒体をわざわざ買って読むというのは、かなりの物好きという事になる。一口にインターネットとの融合というが現実の道は険しい。一部に電子ブックという考え方がある。必要な小説類をネットでダウンロードして、携帯端末で読むというのだ。しかし端末本体が文庫本と比べても重いし、しかも数万円と高い。ダウンロードの手間がいる。文庫本ならば丸めてポケットに入れて持ち運ぶことが出来る。しかし端末は雨に濡れたら壊れてしまうから慎重に扱わなければならない。
▼昨今「蟹工船」は「カニ工」というらしい。そして最近の新聞広告で驚いたのは「カラ兄」という表現である。一瞬頭をひねったが、これは「カラマーゾフの兄弟」だ。ああ友人から借りたままになっている亀山郁夫訳の「カラ兄」を早く読まねば。

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October 29, 2008

死刑執行と鳩山前首相の立場

▼血中脂質の調査の日だった。これは3ヶ月に一度ほどやっている。先週朝から大雨の金曜日に行けば良かった。雨の日の患者さんは来るのが面倒で二の足を踏むので待たされる時間が少ない。しかし日和見を起こしてしまい、天気の良い昨日にしたら、待合室は8時半に行ったにもかかわらずいぶん待たされてしまった。わたしは毎朝目を覚ますと起き上がる前に一度血圧を計測する。先週それが高い日が2日ほどあったので担当医に「これはモーニング・サージでしょうか?」と相談した。「それで値はどのくらい?」というので「低い値が○○○高い方が○○○」と言ったら、「その程度だったら心配することはない」と言われる。今朝ネットで調べると、わたしの場合は高値正常に入る。結果が出るのはひと月後だが、食事は気をつけて歩数計も昨日は1万歩を越しているので大丈夫だろう。
▼しかしその後某大学で打合せが入っていた。検診の時間を手帳に記入していなかったので、最初先方に「9時半」と約束してしまった。その直後気づいたので午前11時に変更してもらった。血液検査は何も食べずに医者に行かなければならない。普段は午前7時頃には食べているのに、2時間も遅れるのはかなり辛い。早く終わったら食べる時間もあったのだが、書いたような混雑である。薬局には「後で取りにくるから」と行って電車に飛び乗る。車両に乗客は数人しかいなかったのでパンはその電車のなかで囓ったが、野菜サラダは持っていたが、水分は何も持っていなかったので、パンは喉を通らなかった。こうして約束の時間にはかろうじて間に合った。しかしちゃんとした食事が出来たのは昼食になってからだった。夕方帰宅すると区から特定健康診断の案内が届いていた。
▼昨日ふとした事で中学3年生のとき「昆虫クラブ」に入っていた事を思い出した。担任の教師はミヤマモンキチョウに凝っていて、そればかり採取して学会の雑誌に寄稿したりしていた。そこでネットでこの「ミヤマモンキチョウ」を調べると、この蝶は長野県の比較的高い山に棲息している事がわかった。軽井沢に住んでいる人は「採る」のは蝶の種の保存に繋がらないとして、今は写真に撮るだけにしたということでサイトを開いていた。わたしも少年の頃は展翅台に採取した蝶を貼り付けにしていた。しかし考えて見ると、その蝶をコレクションしている人は本人が死亡してしまえば、家族にとって蝶は何の価値もなく蔵書も邪魔なゴミでしかない。そんな例を山ほど知っているので、わたしは生き物を殺してコレクションする事はしなくなってしまった。
▼そう言えば昨日森法務大臣が2人の死刑囚の死刑の執行にサインをした。これは保阪展人のブログに詳しい。しかしベルトコンベア式死刑を唱えた鳩山前法相も、熱烈な蝶の収集マニアであった事を考えると、何か不気味なものを感じる。

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October 28, 2008

◇「マルタのやさしい刺繍」を見る

▼毎日、毎朝使っているHP作成ソフトの立ち上がりが遅い。バージョンは「11」なのだが段々遅くなってストレスが溜まる。昨日は思い切って削除してバージョン9に戻したら多少早くなったような気がする。便利になっても遅くなったのでは意味はない。
▼◇「マルタのやさしい刺繍」夫に先立たれて9ヶ月。マルタの口癖は「早くお迎えが来ないかしら」というばかりだ。夫から小さな雑貨店を引き継いでいるが、おいてある商品は賞味期限切れだったり、実際耄碌していることは事実だ。そして息子のヴァルターは村の教会で牧師をしており、母を追い出して空いた家で「趣味の聖書を学ぶ会」の集会所にしようと考えている。
▼そこに村の合唱隊のリーダーが「近く地域の合唱隊の集会があるから、虫が喰ってしまった旗を直して欲しい」と注文にやってくる。渋るマルタに10マルク上乗せして旗をおいていくリーダー。マルタは昔から刺繍などが得意だった。できればその店をオープンすることが夢である。ふと家にあったカタログ雑誌を見ると、美しいくセクシーな下着が沢山掲載されていて、「これだった」と胸が弾む。マルタこんな村には材料は売っていないから娘や友人とベルンの町までバスに乗って出かけていく。スイスのフランス語圏の村だが美容院とか雑貨店はあるからわたしには「村」には見えない。しかしベルンの町で下着屋に入って手触りや縫製を見ると、どうも手抜きで気に入らないものばかりだ。それならわたしが作ろうとレースや生地を買い込んで村に戻る。
▼マルタは旗を繕うことなど忘れて下着を夜なべ仕事で作る。しかし村人は保守的で「エロ婆」などと悪口を言われて、店に寄りつかない。そして牧師の息子の「ボクの立場も少しは考えてくれ」とせっかく作った下着をゴミ箱に捨てて、聖書を読む会の事務所にしてしまう。マルタと共に夫の介護で悩んでいる夫人がいる。彼女は息子に「父は施設に入れるから、お母さんもここを引き払って施設の近くに引っ越せ」と催促されている。しかしこちらはまだ動けるからと、夫に資金を出して貰い自動車学校に通う。そして家は息子には手渡さず、ここで暮らしと抵抗する。
▼マルタは息子に愛想を尽かされるが、彼が浮気をしている事を知り、それを逆手に取って開き直る。そしてもう一人パソコン教室に通っている友人から、ネット販売があることを知る。店で売れなければネットで、そして刺繍教室の生徒は下着に刺繍をする仕事を引き受けてマルタの商売は次第に好調になっていく。しかし村の祭りの時、責任者としている大規模酪農家でスイス民主党の頑固な支部長は、マルタに攻撃の矛先を向ける。しかしそれも美しい下着を着て舞台を闊歩する若い女性たちによって粉砕され、娘立ちは喝采を浴びる。日本と同じような問題がスイスの田舎でも起きていることを知って、何となくスイスに親しみを感じた。
▼まもなく『鍵盤乱麻』トップページは108000番のキリ番になります。『鍵盤乱麻』はスポンサーはいないのに、独自ドメイン、アドレスでかなりの経費がかかっています。「キリ番の記念品」に過大な期待をされるかたは応募なさらないでください。粗品で満足していただける方だけご応募下さい。

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October 27, 2008

◇「ワイルド・バレット」を見る

▼ある週刊誌に「クエンティン・タランティーノが激賞した」という映画が紹介されていた。実はわたしはが好きな映画は彼と、マドンナと最近離婚したガイ・リッチなので、この映画を絶対見逃す訳にはいかない。上映スケジュールをネットで見ると早く終わってしまうかも知れないので、某日予定を都合して出掛けた。今週の「週刊金曜日」に北村編集長と井筒和幸監督がそれぞれ映画について面白い事を書いていた。北村は宮崎駿の「ポニョ…」の事を黒澤と比較して「天才は総じて同じ道を辿るのだろうか」と皮肉っぽく言う。井筒は「外国の映画祭で見て、貰っただけで感動されたとか勘違いして…有頂天になって帰国する映画監督もどき連中」と名前はだしていないが北野TとかY洋次を批判している。わたしが批判的に書いたシドニー・ルメットの「その土曜日、7時58分」だってはっきり言って駄作である。有名監督ならば。プロデューサーが映画を作る資金を集めやすいので、駄作でもスタッフの雇用対策のために黒澤同様時々作るのだ。それと宣伝費をかけなくても有名監督なら、観客は期待して黙っていても来る。
◇「ワイルド・バレット」イタリアマフィアの親分の息子トミーが拳銃を使って警官を殺す。ボスから銃で足が付かないように、その処分を頼まれたのが下っ端のジョーだ。映画は喘息にあえぐ隣の息子を救急病院に運ぶ場面から始まり、「18時間前」と一回だけ時間が遡る。通常映画では遡るのは一回だけだ。ところが耄碌したルメット監督と来たら遡るばかりで、頭が痛くなる。その点「ワイルド…」のウエイン・クラマー監督はすべてに冴え渡っている。ジョーは金ぴかのメッキをしたスナップノーズの拳銃(S&W2・5インチモデル)をすぐに処分せずに、家に地下のロッカーにしまったままだ。それを自分の息子と隣の息子は物陰からこっそり見ていて盗み出す。そしてジョーの家のロシア移民の隣家は窓から覗くことができる至近距離にある。そして隣の息子オレグ(キャメロン・ブライト)は、自分の育ての母にドメスティックバイオレンスを繰り返す祖父に発砲して大けがを負わせる。
▼隣家の発砲音に気づいて駆けつけるジョー。拳銃はどこで手に入れたのだと息子に詰問するとロッカーから盗み出したらしい。真っ青になるジョー。それがばれたらボスに殺されてしまう。そこから追いつ追われつの追跡劇が始まる。タランティーノ激賞だから、おそらく拳銃の撃ち合いだけだと想像される読者のみなさんは読みが浅い。DVとその原因を究明して子どもを助けようとするジョーが葛藤するのだ。美人のジョーの妻テレサがまたまた凄い。逃げ回るオレグはスーパーの物陰に隠れていると親切そうな夫婦に助けられて高級マンションに連れられていく。オレグは何か様子が変だと気づいて、携帯を借りてテレサに助けに来てくれる様に連絡する。場所は洗面台にあった薬品に書いてある住所から探り当てる。そして高級マンションに乗り込んで部屋を一つひとつ探して行くが、オレグは見あたらない。夫婦は「もう探し終わったのだから早く家を出る様」催促する。しかしテレサは夫婦が青少年を大量に誘拐して、臓器売買で殺害していたことが分かる。怒り狂ったジョーの妻テレサは夫婦をオートマチック拳銃で撃ち殺してオレグを助け出して家に帰る。
▼一方スナップノーズ拳銃の行方を追っているジョーの立場は段々悪くなる。そしてアイスホッケー場に連れて行かれたジョーにはマフィアの苛酷なリンチが待っていた。そして事件は最後まで息を抜くことができないほど二転三転していく。そして最後にジョーの正体が明らかになり、事件の真相が明らかになるが…。この映画は都内では新宿トーア、千葉ではシネマックス千葉31日まで見ることができる。シドニー・ルメットはカネがあるから莫大な宣伝費をかける事ができるが、無名の監督は場末の映画館でしか上映できない。しかしルメットよりも数段優れた作品であることは間違いない。

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October 26, 2008

◇「リダクテッド/真実の価値」を見る

▼夕べはうっかりしていて「ジャッジ2」を見るのを忘れてしまった。昨年放映された「1-1」も放映そのものを知らなくて見始めたのは「1-2」からだった。NHKも最近は再放送をしないてDVDで発売しているものを買わなければ、見ることが出来ない。
◇「リダクテッド/真実の価値」現実に06年にイラクのサマワの基地の前に、米軍の兵士の首なし死体がに放置された事件があった。当初これはイラクの過激派の起こした事件と見られた。しかし調べて行くと基地の近くの一家4人の殺害事件があった事がわかる。情況証拠を積み重ねておそらく、真相はこうだったのだろ、と作られたフィクション映画。サマワの米陸軍チェックポイント。そこにはある中隊が配置されて、検問に当たっている。中隊には文学青年、弁護士、除隊したら映画学校に通おうと思っている青年達がいる。任務は爆発テロに備えて、車がクランクに徐行しないと通れないようになっている。そこでまず車を停止線に止まらせ、検問所までゆっくりと誘導する。M1A1戦車も停まっているが、主たる兵器は重機関銃である。車に乗っているイラクの人を車の外に出してボディチェックし、シェパードで爆薬の匂いをチェックし、さらに車体の下を鏡で、そしてトランクのチェックをすると、車はようやく動き出す事ができる。
▼そこにはサッカーをやっている少年たちも遊びに来て、乾燥したナツメヤシを貰う兵士もいるが曹長から「毒が入っていたらどうするのだ」と捨てさせられる。そしてある晩家具などを捨ててある場所にある荷物が捨てられていく。翌朝そこに近寄る一人の兵士。上官から「同じ場所でも荷物が違っているかチェックした後でないと近寄ってはならん」と忠告を受けるが、その直後荷物は爆発し、兵士バラバラ死体になってしまう。
▼そして怒りに燃える中隊は、民間人の家の「犯人の捜索」に向かう。家の主人を「こいつらがシーア派で犯人だ」と手錠を掛けて連行する。この場合TV局のレポーターが捜索に同行しカメラを回す。この逮捕は正当ですか、犯人だという証拠はあるのですか?だがその証拠などありはしない。検問所の近くに高校があり、そこに通う女子学生たちも兵士のボディチェックを受ける。あるときその一人15歳の少女に目をつけた兵士がいる。夜飲んでいたとき、「捜索に行ってやっちまおう」という相談が持ち上がる。5人ほどの兵士で熱心にそれを持ちかけるのは2人、他の3人は「イヤだ、自分の身内がそうなったどう思う」と断るが、逆に「クビの骨を折る」と脅迫される。暗視装置をつけて目的の家に突入する兵士、目的を果たすと家族と女子学生の4人を殺害する。それらの行動は同行したビデオマニアの兵士によってつぶさに録画されており、「捜敵」その家の目的が正当化される何一つの証拠もない。現地のTVでもその不当性が報道される。
▼そして検問所にビデオ兵士が立哨しているとき、突如バンが現れて、武装勢力にあっという間もなく誘拐される。そしてその兵士の斬首される模様がネットで流れる。これはとってもリアルである。暴行殺害事件を調査する軍の憲兵隊。証言しようと迷っている兵士に「お前はその現場を見たのか?記録された写真でもあるのか?」とまともであることを許さない軍隊という機構。ある兵士はネット電話で父親にそのことを相談するが、「お前が精神異常にされるから、よせ」となだめられる。そして帰国の日がやって来る。まっている古里の人々は彼の武勲を褒め称える。しかし彼は暴行事件がトラウマとなって、「真実を告白できなかった」と妻の胸に俯せになって嗚咽する。
▼911事件以降、少数意見が抹殺され、異論をだすと白眼視されるアメリカ。この映画はベネチア映画祭で銀獅子賞(最優秀監督賞)を受けた。ブライアン・デ・パルマ監督は「アンタッチャブル」や「Mi-1」を撮った人でもある。シアターN渋谷で初日初回に見た。「ぴあ」が近づいてきたが前回の事があるので断った。すべて家庭用ビデオ、ユーチューブ、CNN、アルジャジーラの映像を組み合わせた風な画像を使って「真実」らしく作ってあるのがミソ。
▼日曜日に発行されたある日曜版に、この映画の解説で「少年の持っていたサッカーのボールが爆発した」と書いてあったが、ここに書いた通り「ゴミ箱が爆発している」このバ○記者は眠っていたのだろうか?記者の水準の低さには驚くばかり。ちゃんと目を空けて見て欲しいものだ。ちなみに映画のタイトルである「リダクテッド」とは「不都合な情報が削除された画像」という意味だ。

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October 25, 2008

メディアが煽る日本人の帰属意識

▼賭博打ち兼作家(本人自称)の森巣博が23日の朝日と今週発売になった「週刊金曜日」で書いている。朝日の方は「ノーベル賞米国籍なのに『日本人』とは」という内容だ。そこで森巣は「どこから見てもアメリカ人が、日本人として報道される」と疑問を呈しているのだ。そして「自分のことを『日本人』だと考え始めたのは、西南戦争(1877年以降であろう。明治政府の集中した教化(洗脳)の成果だった」と締めくくる。新聞はこのノーベル賞受賞に限っていやにナショナリズムを煽り立てるが、北京オリンピックでメダルが不足した事を、ノーベル賞で補おうとでもしているのだろうか?
▼そして「週刊金曜日」森巣は「アングラ・カジノ資本主義」という一文を書いている。ここで彼は株取引というものの出発を17世紀に遡ってロンドンのコーヒーハウスから解き明かしている。当時サウス・シー(南洋)諸島に胡椒を採りに行くと莫大な利益が上がった。それは船を仕立てその費用を分散させるために株が出来たのだ。しかし船が難破したり沈没すれば、元手はまさに海の藻屑ときえる。いずれにして株取引とは成り立ちの出発から「一攫千金」だったのだ。そして「金融システムのバブルが弾けた、なんて驚くことはない。なぜならそれが資本主義の本質であるのだから」と言い切るが、まさにその通りである。
▼わたしは学位、肩書きというのは余り信用していない。あくまでもその人に会った時感じた人柄でしか評価しない。今朝の「世に倦(う)む日々」というブログを読んでいたら最後に今の経済状況を批判して「米国の大学のMBAの修了証は、ソ連共産党の党員証のような無価値なものになる。」と指摘している。今でもMBAを有り難がって取得したり、日本でも取得できる制度が出来たりしているが、何も役に立たない資格とは、こういうのを言う。
▼最初の話に戻る。最近書店でレニ・リーフレェンシュタインのが記録した1936年のベルリンオリンピックのDVDが安価で売っていたので買ってみた。その迫力たるやヒトラーに実力を認められたレニ監督だけの事はあると思った。そしてマラソンの場面、当時日本の支配下にあった朝鮮が、「日本」として紹介され、力走する孫選手の背中のゼッケンには「japan」の文字がある。そして「日本の孫、日本の孫」とアナウンスされるが、とても嫌な気分になった。麻生総理の「創始改名」が自発的なものだという発言が頭をよぎったからだ。あの時孫はどんな気持ちで走り続けたのだろう。おそらく母国である朝鮮のプライドを高く掲げて走り続けたのではないかと思う。そのノーベル賞の「日本人」としての帰属意識など、マスメディアが作り上げたカゲロウに過ぎないのだ。

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October 24, 2008

◇「ボーダータウン 報道されない殺人者」を見る

▼きょう桝添厚労相が墨東病院を訪問するという。この人はパフォーマンスが好きな人だ。テレビに映る効果を期待しているのだろう。しかし昨日読み終わった「アフリカ・レポート」でも当地の独裁者や為政者が行う手口というのは共通している。つまり自分の失政を取り繕うために「敵」を作って国民に攻撃させるのだ。桝添が「○○日までにやりきる」と大言壮語したことが、一つでも実行できた事が一つでもあったか思い出して欲しい。
▼昨日の朝日朝刊で吉田秀和が「音楽展望」で「映画の思い出」というテーマで書いている。かつてわたしは彼の全集を何冊か買ったことがある。この随筆の後半で94年のフランス映画「無伴奏シャコンヌ」について書いている。わたしはこの映画の公開当時たしか新宿で見た覚えがある。ただ覚えているのは最後に地下鉄の構内でチェロを弾いている場面だけだ。吉田は「シャコンヌが世界のもろもろのものを一つに束ねているような気がする」と締めくくっている。最後にリルケの詩を紹介しているが、それを読むとシャコンヌを聞くのは秋が一番似合っているのかと思った。
◇「ボーダータウン 報道されない殺人者」これはハリウッドにしてはもの凄い映画である。シカゴの新聞社に勤める女性記者ローレン(ジェニファー・ロペス)にデスクは「メキシコに少女の殺人事件が多発しているから取材に行くよう」にと命令する。彼女は「帰ってきたら海外特派員にしてくれる?」と出掛ける。メキシコにはかつて一緒に仕事をしたディアス(アントニオ・バンデラス)がおり彼の経営する新聞社「エル・ソロ」だけが殺人事件を記事にしようとしている。一人の少女エバも夜勤が終わって深夜勤務の組と交代してバスで帰宅するのだが、最後は運転手と一人だけにされてしまう。そして一人になったとき運転手は狼に豹変して、外で待っていた仲間とともに少女に暴行を加え殺害して砂漠に埋めてしまう。しかしエバは奇跡的に生還して自宅に戻る。母は警察に訴えようとするエバに「警察はアテにならないから、エル・ソロ新聞社に駆け込もう」とする。
▼そこでローレンスに出会い。彼女は真相に迫ろうとする実はメキシコはNAFTAに入っており。アメリカとの隣接地に大規模な工場が沢山建てられている。そこで働く安価な労働力として少女が沢山働かされているのだ。だから警察は少女の命を守る事にはあまり関心はない。そして企業経営者も議員とつるんで、工場の安定経営と労働力の安定確保にしか目はいかない。したがって真相を暴こうという新聞社は敵であり、その記者も邪魔者となる。周辺の取材だけでは埒があかないと思ったローレンスは、「おとり捜査官」の松下由樹よろしく髪を染めて工場に就職する。映画の話はテレビ組立工場だが、実際に写っているのはバイクのエンジンの組立ラインだった。そしてわざと深夜のバスに一人乗り込む。警察はディアスと前に少女が殺された砂漠で待機しているのだが、バスは別の自動車廃品工場跡でとまる。絶体絶命のピンチに迫ったローレンスだが、かろうじて逃げ切る。しかしそこで発見したのはおびただしい女性の死体だった。
▼報道では700人くらいの女性が殺害されているというが、実際には5000人も殺害されているのだ。エバは裁判で工場や殺人容疑者と闘おうとするが、暗殺者は執拗にエバとローレンスに迫ってくる。そして記事を書き上げた彼女はシカゴの本社に記事を送るとデスクはベタ褒めする。しかし翌日同僚から電話があって、「あれは載らない」と警告する。帰国してデスクにくってかかるローレンス。新聞社はスポンサーによって成り立っていると釈明するデスクは「海外特派員のポストも用意してある」と誘う。しかしローレンスはそれを蹴って再びメキシコに行く。だが彼女が到着する直前、新聞社内にいたディアスは狙撃され命を落とす。だがディアスは少女を守って司法の場で闘う決意をし、メキシコの新聞社で働くことにするのだった。日比谷シャンテで。
▼ジェニファー・ロペス自身プエルトリコの移民であり、この映画は実際メキシコで起きている事件を参考に彼女自らがプロデューサーとなって作った。

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October 23, 2008

石原都政で都立墨東病院は廃止の対象になっている

▼昨日の夕刊からNHKの午後7時のニュースでトップで扱われているのは、わたしが2年前に緊急入院していた病院である。NHKのニュースでは最初「江東区の墨東病院」と間違えていた。2年前に脳幹に出血をした時、わたしは平日の深夜にタクシーで駆けつけたので看て貰う事ができた。医師不足とか色々言われているが、報道では扱っていないもっと重要な問題がある。それは「都立病院の民営化」(「中央公論」昨年10月号記事)である。すでにいくつかの病院は都立から民営になってしまった。この墨東病院もその対象になっており、反対運動も起きている。それは石原都政の元で取り入れられた、競争原理の導入である。すでに民営化された都立病院の場合、いくつかのゼネコンが応札して運営を移管している。ゼネコンに病院経営のノウハウがあるとは思えないが、建物を改築してから、経営効率だけで運営をするのだろう。わたしが入院していた時もブログに書いたが、看護師さんたちの動きをチェックする人が時々巡回してきて、「ナースコールをしてすぐ看護師が来たか?何分で来たか」などと、アンケートを取っていた。
▼昨日のアフリカ問題に関しては、朝日の松本仁一記者が岩波新書の8月新刊で「アフリカ・レポート」という本を出しており、今読みつつある。それによればアフリカはどこの国も同じ病理を抱えているとして4つの問題点を指摘している。
1)政府が順調に国づくりを進めている国家。(これはごく僅か)
2)政府に国づくりの意欲はあるが、運営手腕が未熟なため進度が遅い国家
3)政府幹部が利権を追いもとめ、国づくりが遅れている国家
4)指導者が利権にしか関心を持たず、国づくりなど初めから考えていない国家。
以下多忙のため、本日はこれまで。

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October 22, 2008

政権党となって変質したANC

▼先日新聞の「校正」をしていたら「習う」という表記が出てきた。しかし文章を良く読むとこの場合の意味は「練習」ではなく「模倣」のように受け取れる。手元にあるいくつかの辞書で確認し、最終的には「朝日新聞の用語の手びき」で確認して「倣う」に訂正してメールを送った。その後S編集長からは「ややこしいし、難しいのでひらがなで、『ならう』にします」とメールが入った。
▼朝刊によれば常用漢字の読み追加案が発表されたようだ。今回の案にでている、「張る、貼る」、「怪しい、妖しい」、「臭う、匂う」、「恐れる、畏れる」などはとても良いと思った。
▼さらに日経の朝刊によれば経営難に陥っている新銀行東京に東京都が4月に追加出資した400億円の一部が2009年3月期にも棄損する見通しになったと報道している。これは石原慎太郎知事とそのとりまきに対する融資の審査は甘くズサンであった点が前から問題になっており、おそらく焦げ付くのだろう。今朝のTBSラジオではこの問題で緊急アンケート調査を行った。その結果(昼頃にはサイトに詳しい数字が出る筈だ)応募者は160通ほどあって、「追加融資に賛成はたった19%」で後は皆反対だった。庶民の目は厳く、石原知事が何をやっているかちゃんと見ているのだ。
▼そして朝日の国際面に「南アフリカ与党が分裂の見通し」という見出しが出ている。与党とはANC(アフリカ民族会議)である。これは映画などを見るとわかるが、ネルソン・マンデラが率いてアパルトヘイトが行われていたとき、武装闘争やテロなどをして最も過激な組織として恐れられていた。しかし94年に政権党となって10数年もたつと、汚職などの腐敗が蔓延する「ありきたり」の政党に堕落してしまう。

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October 21, 2008

NHK「世界同時食料危機」①と②を見る

▼メルマガをお読みになってどんな感想をおもちになっただろうか?投稿なさらない方は感想だけでもお聞かせいただきたい。さて先週金曜日の17日と、日曜日19日NHKで「世界同時食料危機」の①と②を見たが中々見応えのある番組だった。話はこうだ。伊勢湾台風のあった年1959年9月26日伊勢湾に上陸した台風は猛威を振るって死者と行方不明者5千人、負傷者が2万9千人にのぼった。これはわたしが中学3年生の頃だったと記憶している。長野の村にあった鎮守の森にあった2本の樹齢300年の欅は根本からなぎ倒され、隣にあった叔父の家の屋根は吹っ飛んでしまった。
▼そのときアメリカは被災地に36頭の豚をプレゼントした。しかしそれまでの日本の農村の養豚と言えば、農民の食べた残飯で飼育しているものが殆どだったが、この豚にはトウモロコシが餌としておまけにつけられていた。つまりトウモロコシしか食べない豚なのだ。そして生育期間も今までと違って短縮することができた。それがアメリカの対日食料政策が具体化し始めたのだ。いやそれまでにもMSA協定による学校給食への「援助」によってコッペパンに変化したり、脱脂粉乳に変えられたときがすでにスタートしていた。
▼当時のアメリカの農業は作っても作ってもトウモロコシも小麦も安く買いたたかれるばかりだった。ここでアメリカは国家を挙げて農協の巨大商社CHSを作って作戦を練る。輸出する先の国家の国民の味覚を変えてしまえば、後はこっちのものだ。それから50年、当初は「米を食うものはバカになる」とか「パンを食べれば頭が良くなる」という色々な説がまかり通った。今街角にはマクドナルドなどのジャンクフードが蔓延している事はご承知の通りだ。豚だけではなく鶏卵も乳牛もトウモロコシなしには生育がなりたたなくなってしまった。一度変えられた味覚は何十年もかからないと元には戻らない。
▼そして小麦やトウモロコシが投機の対象になってしまった。そしてカネのない国は、これらの小麦や大豆が手に入らなくなってしまった。この傾向は日本だけでなく、全世界的な傾向である。そして世界各地で食料暴動が発生している。アジアではタイ、台湾、アフリカではNHKの図示した地図によるとエジプトやチュニジアが該当する。そして飢えに泣くアフリカの子どもたち。ほくそ笑むのは上記CHSである。そして議会に対してはロビー活動を活発に行っている。
▼2回目はなければ土地を確保して作れば良いという考え方が紹介される。その最大の土地があるところはウクライナである。日本の小規模な会社の男性が現地に住み込んで大豆の生産を始める。しかしイギリスの大会社が乗り込んで来て土地を買い占めにかかる。その規模たるや日本のそれでは想像もできない。札束に物をいわせてウクライナ政府から言い値で買い取り、土地はすぐGPSでマーキングされ本社で管理できるようにする。そして土地にはギャング対策でAKを持った傭兵を配置するという用意周到ぶりである。ヨーロッパの穀倉のウクライナを抑えればもう何でも売り手市場である。日本の株式会社はカネがないから土地を明け渡すしかなくなる。もう日本の商社のカネに物をいわせれば、何でも買える時代ではない。今考えられているのは日本の休耕田に飼料用の米を生育させる方法が試みられている。休耕田は日本の全部の面積を集めれば滋賀県に匹敵する。それを完成させられれば輸入は一切しなくても自給ができるかも知れない。さらにゴミを分析する京都の研究者たち。ゴミを分析すると賞味期限切れとか手つかずで捨てられているものが実に多いことが分かる。この賞味期限内にきちんと消費すれば、食料や原料を輸入しなくても済む。
▼まあこんな話でNHKとしては画期的な番組だったと思う。対米従属の政治・経済システムには触れていなかったがNHKだから仕方ない。最早テレビで大食いやグルメ番組をやっている時でなない。

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October 20, 2008

◇「嗚呼満蒙開拓団」を見る

Bentou2(ナチュラルハウスの弁当。安全な物は高い)
▼本日メルマガの締め切り日で、すでにお二人の読者から投稿を頂いています。まだの方はなるべくお早めにメールをお送り下さい。
▼昨日の映画は表参道のウィメンズプラザだった。いつもの様にナチュラルハウスで弁当を買った。うっかりしていたのだが、ここでは箸は有料である。レジ袋は辞退したが、箸は1膳5円だった。実際割り箸は80銭くらいらしいが、手づかみで食べる訳にはいかない。今度からマイ箸をバッグに入れておこう。ウィメンズプラザでは第21回東京国際女性映画祭の初日だった。羽田澄子監督の「嗚呼満蒙開拓団」が上映されるので出掛けた。羽田監督のファンは新藤兼人監督同様熱烈なファンに支えられているように思う。はっきり言えば岩波ホールにいらっしゃる人々である。映画が終われば会場から拍手も沸くが、決してそれ以上の層には映画は広まらない。上映に先立ってホールの高野悦子支配人などから挨拶があり、新人女性監督らに花束の贈呈があった。その中でもわたしが注目しているのは「ブラジルから来たおじいちゃん」を撮った栗原奈々子監督だ。先日渋谷イメージフォーラムで予告を見たが、これは見るべき映画だと思った。舞台に上がって紹介された栗原監督はソバージュの髪で、ざっくばらんに話しができそうな人だった。岩波ホールに来る観客に共通しているスタイルというのがある。白髪が目立つがとくに手入れはしない。着飾ってはいない。むかしは男装の麗人であっただろう、という雰囲気の人が多い。
◇「嗚呼満蒙開拓団」20年以上前に連れ合いの家のSPレコードを見たことがあるが、その中に「建設の歌」というのがあり、それは満蒙開拓団を讃える歌だった。満蒙開拓団とは疲弊した農民を「極楽王土」があるとだまして、現在の中国東北部である、満州の開拓に移民させた当時の日本政府の国策である。映画「戦争と人間」第一部トップシーンでも明かだが、当時の軍部青年将校たちは226事件以降、日本の生命線は満州にあるという論理を組み立てて行った。その中心になったのは石原完爾陸軍参謀などだが、理論的中心人物は北一輝である。
▼ああこんな話は映画に出てこない。読者兄弟姉妹の理解を助けようと思って書いている。満蒙開拓団という言葉にだまされて「移民」させられた日本人は23万人で、引き揚げの戦乱の中で死亡した人は7万人いたとされる。「移民」の中で一番多かったのは長野県人であった。このドキュメンタリーは命からがら引き揚げて来た人たちの証言と、現地調査というか2回に渡る墓参の様子から成り立っている。
▼陸軍は満州鉄道を守るために、関東軍を配置して線路を守るという勝手な論理を作った。だが昭和17年頃になると南方の戦線が風雲急を告げるので、関東軍をそちらに回してしまったので、関東軍実態は空洞化していた。そこに最初は武装開拓団を移住させた。そののち満蒙開拓団という移民団を作って、実質的に軍部が中国の農民から二束三文で奪い取った土地を、移民の農民に与えた。そして北海道の屯田兵の様な役割をさせた。つまりイザという時には武器を持って闘わせようとした。映画に出てくるが、敗戦の2ヶ月前になっても本土から移民をさせていた。ところが現地に到着して家族の荷物もほどかないうちにソ連が参戦して逃げ帰る例もあった。ソ連が参戦する直前になると、中国人たちは目の色を変えて日本人の住宅を取り囲み牛馬やめぼしいものの略奪が始まる。
▼また開拓団にいる男性に対しては、敗戦の半年ほど前から徴兵が始まっていた。関東軍の兵力不足を補うためである。だから開拓部落に残っていたのは老人や女子どもだけだった。駅に行くと銃剣を持った兵隊が民間人は列車に乗ることを遮っていた。それに乗るには順番があって、まず左官級(少佐以上)の家族、満鉄の社員、、3番目は忘れたが軍属か何かだ。民間人はそこに取り残され餓死や凍死する人が続出する。それでは兵站基地がある方正(ほうまさ・現黒竜江省)を目指して逃避行が始まる。這々の体で方正向かう。兵隊と一緒にいれば助けて貰えるだろうと。しかし現在車で移動すれば4時間余の道のりを、中国人に見つからないように逃げ隠れして、悪路を進むので1ヶ月かかっている。そしてその間には子どもが死亡したり、自害したり、沖縄戦の末期と同じ悲劇がおきる。食べものは何もないから子どもは捨てるか、殺す、さもなくば中国人に拾って貰うしかない。
▼方正県の心ある人民政府は日本人のための墓地をつくり、そこに墓参する人々のツアーも組まれている。羽田監督はこの軍部と戦後の日本政府による棄民政策を訴えることと、中国黒竜江省の政府幹部が周恩来の言いつけをきちんと守って、軍部と人民を分けて考えなければいけないという教えをちゃんと守っていることを描く。そして中国に残して来た育ての親を訪ねるツアーの一行の目を通して戦争とは決して一般市民を守るためにしているものではないと訴えたかったのだろう。
▼第二回目のツアーにわたしの大学時代の先輩が参加していて30秒ほど写っていた。しかしドキュメンタリーで2時間は長すぎる。同じカットが多すぎる。脚本を工夫すれば、もっとシンプルで誰が見られる映画になると思う。

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October 19, 2008

久留島浩氏から「東海道の助郷」の話を聴く

Kurusima(久留島浩氏)
▼この数日間ブログのアクセス数が普段の半分くらいに減ってしまった。原因は不明だが、「辛口」の批評ばかり書いている結果なのかも知れない。まぁそれは覚悟の上だから別に気にしない。
▼昨日は千葉にある書店Tの主催の教養講座「房総の村々と東海道の助郷」という話を歴博の久留島浩教授が話をするというので取材を兼ねて行ってきた。いや土日の取材などは全部お断りしているのだが、S編集長からの要請で昼からでかけた。場所は県庁の隣にある「菜の花プラザ」である。一応ICレコーダーとカメラは持参した。ただ「教養講座」で人の話を聞いただけで記事になる訳はないのだが、S編集長が「とりあえず聴いておいて欲しい」というのだ。受け付けに行って名前を確認するが記載されていない。編集長が気を利かせて申しこんであると思ったが、甘かった。それほど気の利く人ではなかった。名前を記入して1500円を払い込み、常にそうだが最前列の真ん中、つまり講師の真ん前に座る。
▼2時間30分近い話だったが、内容はあらまし次のようなものだ。明治維新になって京都に住む天皇と東京に定着するため、その行幸を国民に知らせる必要があった。つまり参勤交代のようなものをするのだ。そして京都の人々にも天皇が東京に移る事を納得させるために、3回も京都と東京を往復させる。当然そのために莫大な金が必要になる。それを幕府から変わった新しい政府は幕府の組織をそのまま引き継いで、賦役を割り当てた。当時千葉は27の行政区に分けられていた。つまり千葉県はまだ出来ていないので、藩である。そして天皇の参勤交代のため千葉の賦役は東海道53次の日本橋から13番目の「神奈川」の宿場まで責任を持たされていた。
▼要するに行幸する際にそこまで千葉に住む人々に人馬を派遣せよと命令された。当然行くのは大変なので、税金で払おうとする。その場合千葉27の助郷(一つの地域から代表を出して合議する)方式が採られた。代表に選ばれた人たちは、一銭でも税金を安くしてもらおうと役人と丁々発止もしくはのらりくらりと交渉を重ねる。要するに江戸幕府から明治に変わっても下部では何も変化がないので、「自治組織」は江戸時代に作られて助郷が機能した。時代は変わって行政制度は変わって全く新しい方式が採用されたように考えられるが、実際は江戸時代からの方法がそのまま使われていた。
▼なにせ2時間半だから要約することには時間がかかる。ここに書けるのはホンのさわりである。明治政府は道路を整備することがこれからは大切になると考えて、その後もこの助郷を利用しようとした。しかしおおざっぱな税金の取りたてに対して、助郷の人々は他の地方との比較をしたり、横の連絡を密にして少しでも安くしようと抵抗を続けて、千葉においては木更津県が出来上がり、そこでの交渉の成果を千葉全県に拡げようとした。その動きがやがては自由民権運動の基礎となった。しかし千葉では残念ながらそれはそれは政党政治に変質してしまう。という風にわたしは理解した。
▼久留島氏は着るものにはあまり頓着しない人で一見メタボ体型で声はマイクを使わなくても会場に響き渡らせる。そして当時の問題をイラク戦費を日本で負担したこと、後期高齢者医療制度と比較したり縦横無尽に尽きることをない研究結果を発表して会場を唸らせた。(とくにわたしは)そして最後は大久保利通にも触れた。彼の書いたもの、暗殺されたときの血染めの着衣、そして常に持っていた拳銃は歴博に保存されているのでいずれの日にか公開するつもりだとも述べた。しかし拳銃については「当局」からおしかりを受けたが、それは大久保の子孫が持っていたものだ。しかし故障していたし、常にもっていた筈が暗殺されたときには持っていなかった。持っていても弾丸を発射することはできなかっただろう、とも述べた。そして大久保は伊藤博文と違ってかなり有能な官吏で将来を考えて行動していた、という話だった。

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October 18, 2008

「ぴあ」は別人の顔写真だった。

Suisha2
▼夕方書店に行って「ぴあ」を立ち読みした。いや別にちゃんと掲載されていれば買ったのだが、てんぐささんがご指摘の通り、くだんのページに登場しているのはコメントは間違いなくわたしで、氏名も間違っていない。しかし顔写真はまったく別人だった。夜になって数回てんぐささんと携帯メールのやり取りをした。むかしは「ぴあ」を買って見たい映画を探したものだが、今は雑誌「ぴあ」で探すことはなくなってしまった、という話だった。わたしは正月号の「ぴあ」を買っていて、毎号読んでいた訳ではない。しかし現在は店頭で立ち見をすることすらなくなってしまった。大体金曜日の夕刊を見て見当をつけるのだ。「ぴあ」も隔週刊になってしまうという話だし、映画館の数ばかり増えても、リメイクばかり作っていると観客は減る一方だ。「ぴあ」を見てさっそく編集部に電話したら、「担当者はいまいませんが(土曜専門のバイトなのだ)電話させましょうか?」と言うので「電話はいらない取材の時注意するよう伝えてくれればOKです」と言って電話を切った。
▼昨日の続きだ。一時期ある労働組合のスローガンで「多国籍企業の民主的規制」というのがあった。最近では政党レベルで「投資ファンドの規制」という選挙スローガンがある。わたしは当時から今も、そんな事はできる筈はないと思っている。大資本やお金持ちは既得権を絶対手放さない、いや手放す筈がない。「民主的規制」という言葉は綺麗だが、「既得権」を剥奪しようとして、過去に戦争やクーデターが起きた例は枚挙にいとまがない。卑近な例が日本の官僚組織にそれは見られる。省庁は再編されるどころか増える一方だ。ブログの集まりでパネリストの話を聞いて、わたしはむしろ彼らの主張する社会参加とそれを発展させた発展途上国への様々な援助の方が現実味があると思った。経営者の思考をどう変えていくのかも一つの闘いである。グローバルな見方で冨の再分配、企業と消費者が消費を通じて、貢献するのも一つの考え方だと思った。
▼昨日届いた「週刊金曜日」に金子勝と荻原博子が「ドル暴落を回避し環境投資バブルで世界経済をたてなおせ」という対談をしている。金子の主張は「ニュースにだまされるな」とほぼ同じだ。荻原はたしか15日ヒルのTBSテレビでサブプライムローンの解説をしていてレバレッジと証券化の話をしていた。この解説を聞いてわたしは荻原は今回の金融危機を、冷静に判断できる人だと思った。ところが今朝7時のTBSラジオで元NHKにいた池上彰はアメリカのニューディール政策を引き合いに出し、「国民が景気が悪いと考えることが不況につながる」とバ○らしい事を言っていたのであきれてしまった。

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October 17, 2008

「ブログ・アクション・デイ・ナイト」に参加して

Haetori(近くのOピックで買ったはえ取り紙、やはり掛からない)
▼昨日の朝てんぐささんからメールをいただいた。「編集長は髭を生やしたのですか?」とおっしゃる。いやわたしは生まれてこの方髭をたてた事など一度もない。確かめると「ぴあ」に掲載された映画の感想と顔写真がどうやら別人と差し換えられてしまったらしい。昨日は忙しくて本屋さんで確認することができなかったが、書店に行って調べて見ようと思う。さてブログの会議の話。会議の正式名称は『Blog Action Day Night 2008 Poverty』という。会場はゆりかもめの「青海」駅の真ん前にある観覧車の真下になる。家からは総武線で両国まで行って、大江戸線で月島で有楽町線に乗り換え、豊洲で下りる。そしてエレベーターでゆりかもめに乗る。これらは全部Suicaで通る事ができる。しかしみるみる残額は減っていく。便利なようで急激に残金が減っていくのは恐怖である。
▼司会は徳力 基彦(アジャイルメディア・ネットワーク株式会社)と孫奈美(雑誌ecocolo)さんだった。しかし徳力氏は人の話を良く聴かないで、発言中にもかかわらず横から口をはさみ、自分の知識をひけらかすのでとても不愉快な司会者だった。ちゃんと人の話を聴き終わってから、「ちょっと良いですか?」と一旦発言が終わるのを待って欲しいものだ。こういう司会に慣れていないのだろうか?パネリストは世界銀行東京事務所/王子ネピア株式会社/ソニー株式会社/キリンMCダノンウォーターズ株式会社(ボルヴィック)それに個人として玄秀盛(新宿救護センター所長)だった。
▼世界銀行の大森功一氏は今の世界の人口67億人だが2050年には90億人になる。そのときまでにどうしたら飢えや一日1ドルで暮らす人が10億人。2ドルで生活している人が20億人いるが、これらの人をどうやって少なくするかというような問題提起だった。パネリストの話では彼が一番良かった。ネピアでは「千のトイレプロジェクト」というのを東チモールなどでやっている。開発途上国ではトイレそのものがない。衛生観念を植え付ける事と、チモールでも紛争で途中まで援助してもトイレが破壊されてしまっている例がある。そこにどう関わっていくか「あなたの選ぶネピアが、子どもたちを守るトイレになる」という問題提起をした。ソニーの場合発展途上国にデジカメなどを提供するプログラムで子どもたちに写真を撮らせる。それはプロがいくらがんばっても出来ない、信頼できる人間関係ならではの写真が撮ることができる。しかし業績がそれほど良くないソニーにとってそれをトップにどう理解してもらうのか。それにかなりのエネルギーを必要としていという。ボルビックは店頭などでも1リットルの水が途上国に10リットルの水を援助することになるという話だ。途上国では水の色が茶色で当たり前と思われている。しかしこの援助で井戸を掘り、井戸のメインテナンスをすることによって水の汚染や寄生虫で死ぬ人が減る。そして家畜や畑の灌漑をすることによって、生活でも自立を促すことができいるという。
▼玄さんの話は一番ユニークだった。彼は不動産業から金貸しまであらゆる仕事を手に染めた在日の人である。そして儲けたのでひと晩に200万円を使い切る自堕落な生活をしていて病気になってから人生感が変わって人の為に役立とうと、新宿歌舞伎町にNPO法人歌舞伎町に立ち上げて、あらゆる相談に24時間のっている。新聞やテレビに出たり、本を数多く発行しているので、相談者は全国から365日24時間押しかけてくる。彼は法律解釈だけでは解決できない人を即決で自立の手助けをする。例えばある老婆が東北地方から訪ねて来た。カネを借りているがもう金利さえ払えないという。玄さんは金融業もやっていたので計算して見るとかなり過払いになっている事が分かった。その場で司法書士に電話して老婆を連れて行って正式に計算したら300万円戻ってくることがわかって老婆に感謝された。それどころか80万円お礼にともって来たのでそれはお断りしたという。また未成年の聾唖者を風俗で働かされて、妊娠してしまった。聾唖者なので相手の言うがままにされてしまった事が原因らしい。玄さんは過去に暴力団を2つ解散させた実力の持ち主なので、該当組織と即その場で交渉して、本人が希望しない妊娠なので必要な慰謝料と自立するための資金をださせてやったという。もしご相談に乗って欲しい方があったら下記のサイトを参考にしていただきたい。新宿救護センター
▼最後は坂本龍一に認められてジェイウェーブにも出ているコトリンゴというシンガーソングライターが出演したが、声がどうもはっきりしなくてお世辞にもうまいとは云えなかった。パネリストの話を聴いて何を感じたかについては明日書く予定だ。でもあすは午後から取材しなければならない。

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October 16, 2008

下総神崎まで取材に行く

Cosmos2(佐倉のコスモス、1面にも画像あり)
▼地デジBSiで一番好きな番組は「吉田類の酒場放浪記」である。大体午後11時頃から放映される。14日の深夜は再放送だったが、通常は都内だけだが「会津若松」まで出掛けて2軒の居酒屋を飲み歩いていた。彼が駅を下りると「白虎隊」の銅像があった。時期はちょうど桜の花が咲いていた。ところがリルタイムで当地からメールを下さった方は「めっきり寒くなって股引を着用しはじめた」という。そのとき、いやこのブログを書いている現在も短パンにランニング姿である。わたしは着込むと肩が凝ってしまうので、真冬もTシャツの上にフリースが普段の姿。外出するときはその上にコートで3枚以上着用する事はない。
▼昨日は色々あった。まず下総神崎まで取材に出掛けた。天気で雨が上がるかどうが心配だったが、幸い晴れ女のMaさんが一緒だったせいか、現地に到着する頃には青空が見えてきた。取材が終わってMINさんに無理をお願いして、帰り道佐倉インターで下りてもらってトップページにある「佐倉市民ひろば」に立ち寄ってもらった。これは前日京成電車の窓から見えた風景で、一度行ってみたかった場所だ。そこまで行く方法を知人に聞くと、歩いて片道40分だという。火曜日は今にも雨が降りそうだったし、仕事の荷物を抱えていたので電車の窓から眺めるだけで終わっていた。
▼そうこうしているうちに某読者から「はえ取り紙」が近くの店で売っているという連絡メールを頂いた。「いつも鍵盤乱麻を配信下さいまして有り難うございます。また毎日の『きょうの目』は私にとりまして、もはや『なくてはならない』人生の指針でこざいます。」などと書いてくださったので恐縮してしまっている。その店とは大型スーパーで、わたしの家から数百メートルの距離にあるので、今日にでも行ってみてこようと思う。結局「ホイホイ」には一匹引っかかっただけで、500円近くする割には「効果」は殆どない。
▼昨日のブログは殆ど前日に書き上げて、少々付け加えただけで時局の問題が入っていない。わたしが気になったのは、海上自衛隊の「15対1」の暴行殺害「訓練」である。この事件の背景は神浦元彰氏のブログ(14日の部分)に詳しい。わたしはなぜこういうことが起きるのかという事を考えてみた。つまり組織の大小、組織の左右を問わず、組織の上部が下部に忠誠を誓わせる方法の一つである。それは例えば個人のレベルに置き換えると分かりやすい。お前は俺の言うことを聞くか?組織に忠誠を誓えるか?という事があったとする。そうして上部は「お前と親しい○○を殴ってこい」、もしくは「俺の目の前で殴って見せろ」という事を言う。それを証明するには従うしかない。現実に暴力を振るうかどうかは問題ではない。だが似たような事が、かなり頻繁に身の回りで起きてはいないだろうか?
▼海上自衛隊の場合は昔から暴力体質があった。まして狭い独特の空間という実質的な密室の中だから、何が起きているか第三者には知る由もないし、知る手段もない。
▼もう時間が過ぎてしまったが、昨日の「貧困問題のブロガー」の集まりとは、地球レベルの「貧困」の話であった。だからわたしは勘違いしていったのだ。パネラーは世界銀行とかボルヴィックとか、ソニーの人たちが話をした。もちろん参加者は見たところ定員以下で、わたしが特別に選ばれたわけでもない。だがそれはそれなりに得ることがあったので明日書こうと思う。一番面白かったのは新宿歌舞伎町でNPO法人新宿救護センターを開いている玄秀盛さんの話だった。運営でしゃくに障ったのは会場で座ったら店員が「ワンドリンク制になっています」と言って有無を言わせず注文を取っていった事だ。そうならそうと事前に書いておけばよい。それに案内とか会場の電話番号が出ていなかった。途中の角に3人ほど立たせれば迷わずに済んだ。

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October 15, 2008

◇「僕らのミライへ逆回転」を見る

Hoihoi
▼どうもわたしの家で「コバエ」が舞う数が多くなってきた。野菜とか果物、それに猫の餌があるからだろう。ネットで「はえ取り紙」がないか調べたが、通販でしかなかった。千葉の農村部で一度見かけた事があるが、現在はどうなのだろう。そこで検索を絞り込むと写真のような「コバエがホイホイ」なる商品が見つかったので、さっそく近くのドラッグストアで買ってきた。しかしコバエは沢山いるが、引っかかったのはたった1匹だけだ。効果はあまり期待できそうにない。どなかか効き目のある薬品をご存知だったら教えてほしい。
◇「僕らのミライへ逆回転」太って風采の上がらないジェリー(ジャック・ブラック)はどちらかというと不幸を運び込む、言わば貧乏神である。発電所に忍び込んで壊そう計画したが、破壊に使おうとした碇から感電して人間が電磁波を帯びてしまう。ジェリーは壊れたキャンピングバスで生活しているのだが、そのすぐ近くに今にも潰れそうなレンタルビデオショップが、細々と経営を続けている。しかし建物はオンボロで市役所からは、改装するかさもなくば立ち退きをするように命令されている。店の親父(ダニー・グローヴァー)は隣の町まで流行っているレンタルビデオショップを偵察に行ってくるからと、マイクに店番を頼んで出掛けてしまう。
▼さてジェリーは近寄るとレンタルショップのビデオテープは帯磁して消えてしまうので、客の不満が続出する。一組の客の好みは「ゴーストバスターズ2」だった。アイデアマンのジェリーはテープが消えたなら、手作りで作ればよいとマイクをたきつけて自作の「ゴーストバスターズ2」を作る決意をする。アルミホイルや壊れた掃除機を使って何となく「ゴーストバスターズ」風なドラマを作り上げてしまう。そして予約した会員客が来たときそれをこっそり渡す。翌日怖い顔でその会員が来て、クレームを付けられるかと思いビクビクしている。するとくだんの男は「面白かったもっと違うものはないか」と聞かれてホッとする。ジェイリーたちは1日待ってくれと客に言って、今度は「ラッシュアワー2」を作り上げる。協力者にはクリーニング屋の店員の妹が張り切ってオーデションを受ける。
▼それから次々「ドライビング・ミス・デイジー」、「ライオンキング」などを次々生み出す。レンタルビデオ店の親父は「今度はDVDを中心にコミックとアダルトを中心にした品揃えをしなければ」と収穫したメモを持参して店に戻ると、行列が出来ているのでびっくり仰天。今度は親父も巻き込んでビデオ作りに精出す。ところが好事魔多しでFBI捜査官(シガニー・ウィーバー)が乗り込んで来て、「みなさんがやっていることは著作権法違反で、店は取りつぶし、莫大な損害補償を求める」と店にあった苦労して作った作品を大型ローラーで潰してしまう。さらに市役所からも、「もう店は取りつぶししかない」と最終通告を受ける。店の親父は「最後にビデオを撮りたいから1週間待ってくれ」と頼み込む。そしてこの町で活躍した名ジャズマンの生涯を町中みんなの出演で作ることになる。そしてその手作りビデオの試写会がレンタルビデオ店で開こうとしたとき、モニターのテレビを落として壊してしまう。困り果てたところに隣町の大きなビデオショップの店長が、プロジェクターを持参して駆けつける。だが同時に取り壊しの係員も店に乗り込んで来る。沢山の映画のリメイク版が登場するが、「ゴーストバスターズ」と「ラッシュアワー」だけでも見ていれば十分楽しめると思う。ジャック・ブラックは「スクールオブロック」や「ナチョリブレ」などを見ているが、とてもユニークな役柄を演じきって映画館の観客を沸かせる。

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October 14, 2008

◇「その土曜日、7時58分」を見る

◇「その土曜日、7時58分」はっきり言ってこの映画の監督をしたシドニー・ルメットはこの20年間ほどの作品はロクな物がない。今回も初日初回に恵比寿ガーデンシネマに行ったが空き席がめだった。両親が小さな宝石店を営んでおり、息子は二人いる。長男アンディは不動産会社に勤めているが、仕事のカネに手をつけてしまったようだ。会社の監査は迫ってくるのでなんとか帳尻を合わせなければならない。そして弟ハンク(イーサン・ホーク)は離婚してきちんと養育費を払えない。家賃でさえ2000ドル妻に借りができてしまっている。その上娘が遠足に行くので100ドル必要だとねだられるが、そのカネさえない。そして毎週木曜日の午後会社を抜け出しては兄の妻(マリサ・トメイ)と密かにベッドを共にしている。
▼そんなある日兄に「良い金もうけの口があるが乗らないか」と誘われる。「絶対安全だ」というその話を聞くと、何と「両親の経営している宝石店」だという。一瞬ビビるが兄から前金で2000ドル貰ってしまっているので、今更「ノー」とは云えない。そこで悪友を誘って銀行強盗役を押しつける。タイトルの「7時58分」」とは店がオープンする直前の時間なのだ。押し入って宝石を袋に入れているとき、休暇を取った店番の代わりをしていたホークの母親は、気丈にも強盗に拳銃を向けて発砲したため撃ち返したため、反撃され撃ち殺されてしまう。もちろん犯人も絶命する。ハンクは失敗に気づいて猛スピードで逃げる。レンタル会社から借りた車は指紋を拭いて誰にも見られていないと、兄のアンディに報告する。しかしレンタル会社から「お忘れ物がありました」と留守番電話に入っている。それは相棒が気分を高めるために聞いていたCDがトレイに忘れてきてしまったのだ。兄のアンディはハンクが自分が実行犯にならなかったこと、母が殺されたことで愕然とする。
▼宝石店を襲っても盗難にあった宝石は保険でカバーできるし、被害者もでないだろうと言う計画は大きな誤算をうむ。父親は兄のアンディを元もと嫌っていたが、妻の葬儀の後の様子がおかしな事に気づいて尾行をする。すると宝石の故買屋からアンディの名刺を手渡される。そうかあの強盗計画の黒幕はアンディだったのだと気づく父親。絶体絶命に追い込まれた兄のアンディはヘロインを吸引するために通っていた、非合法の店を襲うことを考えて実行する。そして大金を掴んだあと海外に(この場合リオ)に妻と高飛びしてしまえば良いのだと思うのだが…。
▼母殺しに子殺し、とにかく殺人のてんこ盛り。そして脚本が悪いのか、それとも監督が悪いのか。3日前、2時間前というカットの繰り返しフィルムが多すぎる。ルメットは82歳とか言っていたが、取り巻きが「監督もう撮るのは止めたほうがよい」と言ってあげないと後世に恥をさらすだけだ。日本のK沢監督がカラーになってからロクな作品を撮っていないように。恵比寿ガーデンシネマで。

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October 13, 2008

◇「フツーの仕事がしたい」を見る

▼休日にもかかわらず大勢のみなさんにアクセスしていただきありがたい。わたしは土日の更新はあまり時間にとらわれないでやっている。来週は土曜日も取材が入っているので、この3連休は毎日映画館に通っていた。今朝も見ておかないと来週のシネマの〆切りに間に合わないので、数を稼ぐのだ。昨日は東中野ポレポレに行った。映画は13時からでチケットを買って座席を確保してから食事をしようとした。この映画館はこの前が「あめりかバンザイ」で、その前2年前になる「三池」だったような気がする。そのとき鵜の目さんとMINさんの3人で食事した所が良かったので探したが倒産していた。時間は迫ってくるので仕方なく駅の脇にある立ち食い蕎麦に入って、ミニカレーセットという蕎麦とミニカレーがセットになったものを食した。これは480円だったが、お世辞にも美味しいとは云えないシロモノだった。
◇「フツーの仕事がしたい」36歳の皆倉信和さんは車大好き人間で高校卒業とともにドライバーの仕事を始めた。最初の場面はトラックの運転席で友だちとアマチュア無線を通じて冗談を言い合って仕事に励む様子が出てくる。皆倉さんの今の仕事は生コンを輸送する仕事をしている。会社は江戸川あたりにあるが、3次下請けである。前はひと月30万円を超える時もあったが会社の一方的な都合で手取りは20万円に近づいてしまっている。しかも建設現場は24時間体制で仕事をしているので、生コンもそれに合わせて運ばなければならない。納品と作業月報を見ると午前2時とか3時に出勤して帰宅するのは午前0時という状態がひと月も続いている。しかも歩合率は一方的に引き下げられた。有給休暇もゼロ、社会保険、雇用保険の加入もなかった。
▼皆倉さんはあるとき全日本建設運輸連帯労働組合のチラシを貰って取っておいた事を思い出し、組合事務所を訪ね一人でも加入出来ることを知り、すぐ加入する。どこでもそうだが、組合は経営に存在を知られると弾圧され、その結果潰される。皆倉さんの場合もどうしても会社と交渉する必要が出来たとき公然化する。ところが会社は労務担当を伴って全日本建設運輸連帯労働組合を訪問し、脱退届けを出させる。会社の役員は「普通こういうのは一人で来るんですが」と仕方なくそれを受理する。ところが翌日会社は皆倉さんにクビを通告してくる。悩んだ皆倉さんはもう一度組合に相談し、復帰することになる。皆倉さんはいかにも人の良さそうな、気が弱そうに見える青年である。それからが会社は労働組合に乗り込んで来たり、皆倉さんのお母さんが心労でなくなると葬式の場所にまで乗り込んで来て、皆倉さんや労働組合に対して嫌がらせをする。労務担当の取り巻きはスーツを着ているがいかにも暴力団関係者という風情である。葬式の現場で労働組合役員につかみかかったり、皆倉さんに脱退を強要する場面やカメラにつかみかかる様子は逐一ビデオに撮られていたので、それが証拠物件となり労務担当らは警察に暴力行為で告訴されることになる。
▼そうしているうちに皆倉さん本人が病気で倒れ緊急入院するはめになる。労働組合の闘いは二次下請けと親会社である大阪の住友セメント本社に向けられる。二次下請けへの抗議で分かったことは積載量は親会社ですべてコントロールしているということだった。つまり積載量オーバーは本社の指示で行っている。だから自動的にミキサー車に流し込まれるドライバーもそれが拒否できない。ついに組合は大阪本社を包囲する。そして本社通路の反対側に10畳ほどの巨大なビール製のスクリーンを組み立てて、「殺すな」、「殺すな」、「殺すな」という大きなプラカードを大勢で掲げる。そしていままで撮影した三次下請けの暴力行為をプロジェクターで映し出すのだ。会社側もこれには驚いて窓越しに恐る恐るのぞき見している。組合は「こそこそ見ないで表に出てきてみろ」となおも抗議活動をする。
▼入院していた皆倉さんはクローン病という難病と小腸に穴が開いていたのだが、3週間ほどで退院することができた。そして治療をしながらドライバーの仕事を始める。粘り強い組合の交渉の結果暴力行為をした3次下請け会社は廃業、ドライバーは新会社に全員雇用される。2次下請けの手配会社も違法積載はさせないと確約。住友セメントも法令を遵守する事で労働組合と確認書を取り交わす。そしてずっとビデオを回していたディレクターが独白する。「ぼくは映像制作会社を解雇になってその退職慰労金でこのビデオカメラを買って回している。最初皆倉さんは最後までがんばれるか心配だったけど、それは杞憂に終わった。むしろボクよりも凄かった」と語る。そして病気が安定してハンドルを握る皆倉さんは「一人だったら何もできずにクビにされていたけど、組合にはいっていたからこれまで出来た」と嬉しそうに語っている。
▼最近わたしはハリウッド映画で「これは真実の物語である」とか。「実話に基づいて創られた」という宣伝の映画は見ないことにしている。それはあまりにもつまらないから。だから最近もっぱらドキュメントに惹かれてしまう。とくに葬儀の場面で労務担当率いる暴力団員のような男が、皆倉さんの胸ぐらを掴んで脅す場面はどんな映画よりも迫力があって怖かった。それに社会進歩の闘いは何ものにも代え難い人間の尊厳を守る闘いだからね。
▼連日20時15分の回が終わった後はトークイベントがある。10月17日はアップリンクの浅井隆さん、22日は毎日新聞記者「貧困の現場」著者、24日は雨宮処凜さんなど。詳しくはポレポレHPをご覧下さい。

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October 12, 2008

発泡酒こそ庶民、民衆の酒ではないかな

Gurdenp(恵比寿ガーデンプレイス)
▼三浦和義氏の自殺の一報はNHKの速報で知ったが驚いた。このことは先週のブログに書いたが、日本政府が毅然とした態度でアメリカに抗議しなかった事が原因だ。しかも文春を初めとする週刊誌メディアが面白半分に三浦氏を「疑惑の銃弾」としてあたかも「容疑者」の様に報道した事に端を発している。日本で無罪が確定したのだから、それは決着している。アメリカでは銃犯罪の未解決事件は山ほどあるのに、なぜ今になって三浦氏をサイパンで逮捕したのか?その時点で外務省を通事てアメリカに厳重抗議をすべきだった。それなのに弱腰で引けていたから余計に長引いてしまった。おそらくサイパンでも拘留が三浦氏は長引いたこと、さらにロスへ移送されてからの絶望感があったのではないだろうか。裁判費用、それに言葉の問題だって半端な額ではないだろう。アメリカがイラクやアフガンでやっているのは国家テロと呼ぶ。ならばサイパンで三浦氏を逮捕してロスに移送したのは国家拉致と呼ぶ。なぜ日本国外務省は「主権の侵害だ」と一事アメリカに抗議することが出来なかったのだろうか。
▼昨日夕方10chの「人生の楽園」という番組を見ていたら、函館に住む毛利さんという自転車好きな方が登場していた。59歳で退職して奥さんと退職金は半分ずつに分けて、70歳まではお互い好きなことをやろうと決めた。それでまず彼は昔から好きだった自転車で4ヶ月かけて日本一週をはじめた。それはどうでも良いのだが、彼はアサヒの発泡酒を飲んでいた。ふと思ったのだが、田村正和のCMで「ボクはマネージャーに言われるまでビールだと思っていました」というのがある。わたしはふと思ったのだが、田村はマネージャーにずっとだまされて、この間発泡酒だけを飲まされていたのではないかと。辞任した福田前首相が官房長官だったとき、発泡酒を値上げしようとして、記者団に聞かれた「発泡酒の値上げどう思いますか?」と。すると福田は「ぼくはそういうの飲んだことがないので分かりません」と言った。この時なんと嫌みなヤツだろうと思った。
▼わたしの住んでいる地域では月曜日の朝が有価資源物の回収日である。その資源回収ボックスを覗くと圧倒的に「発泡酒」が多い。おそらく庶民は特別な日、あるいは給料日だけ本物のビールを飲んでいるんだよ。昨日は恵比寿ガーデンシネマで「その土曜日、7時58分」の初日初回を見たら、久しぶりに「ぴあ」のアンケートに出会って写真を撮られた。

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October 11, 2008

取って付けたようなノーベル賞狂騒曲

Sintawa(新東京タワー建設現場)
▼このノーベル賞受賞狂騒曲は一体何だろう。おりから大和生命の実質上の倒産を覆い隠すようなマスメディアのはしゃぎ振りだ。大体4人のうち半分はアメリカで生活をしている。「自由な研究がしたい」とかおっしゃっているが、実際は日本政府が基礎研究などにはカネを出し渋るのだろう。昨日のラジオでは、「ノーベル文学賞の噂されていた村上春樹氏が受賞を逃した」とまで言ってはしゃいでいる。そんな話は一度も聞いたこともない。
▼大和生命の社長は記者会見で「想定外の株下落」としゃあしゃあと述べて、自分は辞任して終わり。投資するのにプロを雇っているのだから、ホリえもんや村上ファンドと同じセリフで「想定外」と責任を逃れるのは許されない。想定外の事を見越して会社の方針や戦略は立てられるはずなのだから。そしてNHKTVは「元金は補償される。ことによると支払い金の減額もありうる」と言っているが、過去の例を見聞きしている範囲では、元金はまったく補償されないのではないかと思う。そういう金融不安をかき消すために、ノーベル賞の受賞者の姿をアピールしている。大体ノーベル賞の基金だって無限にあるわけではないので、株などの投資で運用しているのだ。そういうあぶく銭で運用しているファンドはやがて目減りして、高額の一時金は支払われなくなる。もらうなら今のうちだ。
▼わたしの散歩コースには大まかに東の中央公園コースが3パターンある。短いので40分で長いと2時間近く。そのコースも飽きると浅草コースになる。浅草まで早足で歩くと30分から40分で松屋前まで到達する。途中に新東京タワー(スカイツリー)の建設現場までは徒歩10分で着く。まわりは危険防止のため囲いをしているが、上記の写真のように進捗している。一部の人はこれで墨田区業平周辺は発達すると大喜びしている。しかし東京タワーが出来て、芝公園の商店街が発展したという話は聞いたことがない。途中にパチンコ屋さんがあって中から軍艦マーチならぬ、ビバルディの「四季」から「秋」がきこえてきた。

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October 10, 2008

「明日に向かって撃て」のテーマ曲は雨の合図

Choko(旭山動物園土産のレッサーパンダのチョコ)
▼外の仕事が多い一日だった。帰宅してFMラジオのスイッチを入れると、先日亡くなったポール・ニューマンの特集だった。一番人気はあの「明日に向かって撃て」の曲だった。銀座の某デパートの地下の売店でアルバイトをしていた人の話によると、外で雨が降るとそれを社員に知らせるために、この曲が流れたという。わたしが彼の出演した最後の映画を見たのは2000年の「ゲット・ア・チャンス」で、たしか有楽町のみゆき座で見た記憶がある。彼は元銀行強盗なのだが、すでに年老いて認知症でイスに座ったままの生活をしている。それに目をつけたのはリンダ・フィオレンティーノで彼を巻き込んで最後の銀行強盗を仕組むという話だった。もう惚けて何も出来ないと見せる彼の演技は抜群だった。テーマ曲を聴きながらそんな最後の映画に思いを馳せた。
▼日本人のノーベル賞が話題になっているが、下村さんの息子である努さんはネットワークのセキュリティの専門家としてアメリカで活躍している。彼の本は一冊読んだことがあった。しかしそのお父さんが著名な研究者であることは知らなかった。昨日の夕刊によれば家族友人たちを動員してクラゲを採取している、一枚の写真が掲載されていて微笑ましい。時々ブログでNHKの「爆笑研究」をご紹介しているのだが、コメントによるとかなり多くの方が、「ノーベル賞に一番近い方」として紹介されている。しかし現実には受賞にならない。わたしの知り合いの科学者もその候補者らしい。そして毎朝「ネイチャー」か何かのホームページを見て、自分の研究が誰か他の人に先を越されていないかチェックをすると言っていた。だが一般論として年配の研究者が受賞している事が多い。年齢を重ねないと研究を成果としてまとめることはできないのか。推薦の序列があるのか、その理由が何なのか分からない。
▼明日からシドニー・ルメットの「その土曜日、7時58分」という映画が公開される。シドニー・ルメットという監督はかつてヘンリー・フォンダが主演した「12人怒れる男」を撮ったと言えば思い出される方も多いだろう。73年の「セルピコ」や75年の「狼たちの午後」が好きな作品である。春にWOWOWで「キル・ポイント」というドラマが放映されて、一部ここでご紹介した。全8回のドラマなのだが、7回目を録画しそこなって見ることが出来なかった。ところが先々週から再放送されて全部録画して通して見た。そこで気づいたのだが、この作品はルメットの「狼たちの午後」とそっくりなのだ。つまり銀行強盗と警察に包囲されてマスメディアを集めて自分たちの正当性を訴え、市民達に受けるという部分だ。「キル・ポイント」は元軍曹のリーダーはイラク帰還兵という設定でえある。そしてTVカメラは市民の前で裸になって「こんな傷を負ったが政府は何の補償もしてくれない」と訴える。テレビを見ていてそんな共通点を発見するのも、映画の楽しみである。

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October 09, 2008

「派遣」という極めて不安定な労働現場

Magurokame(福岡で食べたマグロのカマ焼き)
▼朝日から出ている「AERA」という雑誌はわたしが読んでいる「週刊金曜日」とは対極にある雑誌である。まず広告が高い時計ばかりイヤに目に付く。それも50万円などというのはまず安い方で、「良いなー」と思う時計は100万円を軽く超して200万超というのがズラーっと並んでいる。それでも中にピカッと光る記事があるので時々読んでいる。10月13日号には「働くが壊れる」という連載の3回目が掲載されている。そこでは「雇い止めスパイラル、非正規は細切れ3年目が怖い」という記事がある。立教女学院短大に契約社員として勤務していた39歳の女性が合計6年勤務していたにもかかわらず突如「嘱託はどんなに優秀でも3年で辞めてもらいます」と通告された。
▼労働者派遣法では3年間働いた者には直接雇用の申し入れをしなければならない、と決まっているにもかかわらずである。ところが企業は直接雇用をしたくないものだから、直接雇用の名目で、契約、嘱託に名目を変えて責任を逃れようとしている。その女性は今東京公務公共一般と首都圏大学非常勤講師組合に加入して団体交渉に臨んでいる。この他にCAさんやKDDIのオペレーターの話が載っているが企業はまさに在庫整理のように非正規職員のクビを切っていく。「週刊金曜日」の最新号では韓国の実態を雨宮処凜がルポしていた。韓国の実態は日本以上に苛酷で女性たちがハンガーストライキをしている様子が報告されていた。おそらく日本も近い将来、雇用条件は韓国並みになるのだろう。
▼ニフティブログの管理画面で「貧困問題」でブロガーの集まりをする。80人無料招待をするという応募要項が掲載されていた。ダメで元もとと思って、ブログのアドレスを書いて応募した。締め切ってしばらく時間がたっていたので落選したと思っていた。所が夕べ夜中のメールで「審査の上当選」という通知が来た。15日の夜なのだがどういう事になるか、あまり期待しないで報告をお待ちいただきたい。

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October 08, 2008

盆踊りが趣味という副大臣

Kaisendon(博多駅構内で時間がなくて慌てて食べた海鮮丼、まずかった)
▼衆議院が解散されるとかで立候補する予定の人たちの車が走り回り、自宅のポストにはそのチラシが入ってくる。わたしの住む選挙区には、就任5日目に暴言で辞職した大臣の副大臣をしていた事がある人がいる。経歴を見ると実に華やかである。T大経済学部を卒業後A新聞記者をして議員になっている。出掛けた国は43ヶ国になり、顧問、相談役は数限りない。そこで一つ面白い項目を見つけたのだが、趣味の欄だ。「盆踊り、水泳」とある。水泳はともかく一位に「盆踊り」が来ている事がユニークである。通常東京の盆踊りは7月と8月に限定される。チラシの見開きページにはたしかに盆踊りの写真が2枚掲載されているが、前後の人と手足の動きが全く一致していない。これからは盆踊りがない後の10ヶ月間は自宅で、回りの人とピッタリあうように練習に勤しんで欲しいものだ。
▼今朝の各紙1面は「ノーベル賞に日本人3氏が物理学賞」した事だ。昨晩もNHKニュースで午後7時半の直前に一報が流れた。わたしは佐藤A作がノーベル平和賞を受賞したとき、この賞の本質を知った。とくに平和賞や文学賞はその時々の国際的な動きでどうにでもなる。それよりこの報道で「金融不安」のニュースが吹っ飛んでしまったことの方が気になる。月曜日のラジオで某エコノミスト系雑誌の編集長は、「日本は欧州のように、バブルで痛手を被ってから、投資につぎ込んでいないから影響力は少ない」というのにはあきれて声もでない。投資どころか中国はアメリカへの輸出をストップか減らしているのに、日本は何も手を打っていないというのが正確な所なのだ。ちょっとCNNを見ていたがあまりにもノーテンキなコメントが続出したので、スイッチを切ってしまった。
▼でも7日NHK夜7時半からの「クローズアップ現代」で「タリバンはなぜ復活したか?」の前半は、NHK記者がタリバンの責任者と会ったりして、中々よい取材をしていた。要するにカルザイは都市部の整備しかしていない。そのため農村は見捨てられている。水もないから農作物は作ることができない。それで勢いすぐ現金になる大麻の栽培をしてしまう。しかもアメリカを中心とした多国籍軍は、「タリバン潜伏地」と称する地域を空爆して農民を殺害しているから、気持ちは離反する。あるタリバン兵は「ここの支持者は以前は50人しかいなかったが、現在では2千人いる」と話していた。つまりタリバンの方が農民に親身になっているのだ。ところが後半は、タリバンとアルカイダはくっついている、自爆テロを指導しているのはアルカイダで、外国人から子どもにまで洗脳している。アルカイダの狙いはパキスタンにある核兵器で、それでアメリカを持ち込んでテロを起こそうとしているという、アメリカのプロパガンダになってしまっていた。
▼今朝はこんな所で話題が少ないです。月曜日朝日夕刊の「明日の運勢」で「火曜日は素敵な異性との出会いがある」とあったので期待していましたが、何ーもありませんでした。

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October 07, 2008

NHK3ch「特集従軍写真家、小柳次一」を見る

Tubamebento九州新幹線「つばめ弁当」を開く、外装はトップページにあり
◇NHK教育TV午後10時「ETV特集従軍写真家、小柳次一」小柳は1907年に生まれで1994年まで生きた。彼が従軍した行程は上海から千島列島、最後は知覧まで延べ5千キロに渡る。彼がなぜ従軍したかと言えば当時の写真家である名取洋之助が対外宣伝誌[NIPPON」を創刊してそこに誘われた事にある。対外宣伝誌とは聞こえが良いが、実際は軍部によるプロパガンダの雑誌に変身していく。今回はそれがテーマではないので「NIPPON」については省略する。小柳はそこで従軍カメラマンとして身を投じる。現地で書いた従軍日記には死を決意した記述も見られる。
▼小柳が最後に行ったのは昭和19年の知覧である。そこでまさに死の飛行に飛び立とうとしている兵士たちの群像を沢山とっている。その中の一枚で水杯をもってニッコリ微笑んでいる宮越春雄准尉の姿があった。今回小柳の写真を整理分析している一人、写真家の石川文洋が、「なぜ死に直面していてこんなに明るいのか」という疑問を持って宮越の実家新潟県上越市を訪ねる。そこには宮越の妹夫妻と宮越の次男がいた。彼らは知覧に行ったとき、准尉の写真を見つけて自宅の仏間に飾ってある。宮越の妻は4年前に亡くなっていた。しかしその微笑む写真を見て泪が止まらなかった。そして次男が父の遺影を持っている写真を撮って、「これでようやく父子が対面できた」と喜んでいたという。つまり准尉は自分の息子を抱くことなく死へと旅だってしまったのだ。
▼小柳は戦後写真館を経営していたが、自分がかつて撮影していた写真の中で遺族が見つかると探し出して届けることをコツコツとやっていた。終の棲家となった4・5畳くらいの宮崎にあるボロアパートに一人で住んでいたが、それも特攻隊の遺族が提供してくれた家だったという。石川は小柳の写真を見ながら、要求された勇ましい写真だけでなく、兵士達の風呂に入る日常生活、ススキの花の咲く道路を行進する兵士たちを叙情的に切り取っているいくつかの写真があることに気づく。
▼敗戦が確実になり米軍の上陸が確実になると会社は小柳の写真を全部焼却させた。しかし小柳はフィルムをデュープしてこっそり隠し持っていたのだ。さらに後半(つまり敗戦が色濃くなる)と爆撃や銃撃で家や家族を失って歎く民衆の姿を撮っている。これらは当然発表する機会などなかったのだが、小柳の戦争を見る目は現在の写真ルポルタージュの手法と同じ、民衆の立場に確実に変化していったのだ。それがおそらく特攻隊員の気持ちや心をひらくことに通じて、微笑む最初の宮越准尉の写真につながっていったのだろう、と思った。

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October 06, 2008

◇「女工哀歌(エレジー)」を見る

▼今朝超多忙。「ニュースにだまされるな」は「朝日ニュースター」(スカパー256chか110°CS352及びケーブルTV)毎月第一土曜日午後10時から放映されていますのでご覧下さい。
▼夕べはNHK教育TV午後10時「ETV特集従軍写真家、小柳次一」を思わず見てしまった。最初に登場したのは知覧で特攻機に、にっこり笑って乗り込む人物の遺族を、石川文洋氏が実家の新潟を訪ねる場面から始まった。
▼◇「女工哀歌(エレジー)」わたしたちが何気なく穿いているジーンズ、無名のものもあればブランド物があるかもしれない。実はその殆どは中国で創られている。四川省の貧しい農村の少女ジャスミンは中学を卒業した14歳である。家は貧しいので高校には兄だけしか行かせて貰えない。そして口減らしのため、父親からなけなしの700元を貰ってバスと列車を乗り継いで広州にある縫製工場の前に立つ。村の人からここに来れば仕事があると聞かされたのだ。守衛所で「人を募集していませんか?」と聞くと、「2階の事務所に行ってみな」と言われる。おそるおそる事務所に顔を出すと、、ジーンズ加工の一工程に組み込まれる。
▼それは縫い上がったジーンズの裏側にある糸のほつれを、小さなハサミを使って切り取って整形する事だ。工場長はかつてたたき上げの労働者から警察署長まで上り詰め、それから縫製工場を立ち上げ社長になる。彼は上海にある仲買会社の気に入られて、納期までに安価で納品することだ。たとえば農村から出てきた、ジャスミンの時給は日本円にして、なんとたった7円である。そして会社の隣にある寄宿舎に6人くらいの同年配の女の子と一緒に住んでいる。しかし決して良い環境の宿舎ではない。そして食費は給料からさっ引き。労働時間は朝9時から5時までなどというのは建前だけ。15時間勤務は当たり前だ。そして午前0時を越す仕事は夜食だけが無料になるので彼女たちの唯一の楽しみになる。しかしそれからまだまだ3時間から4時間の仕事がつづく。納期が守られない会社は「切られてしまう」から社長は必死に班長にはっぱをかける。
▼そして最初の給料日を待ち望むジャスミンだが、資金繰りが悪く2ヶ月以上も支払いが引き延ばされる。かつてはこの工場でもストライキがあったという。少女たちのリーダーはミシンを使ってジッパーを取り付ける作業をして、熟練しているので労働単価も給料も高い。社長はこのように差別化して勤労意欲を刺激しようとする。労働者の抗議があってようやく旧正月前に給料が支給される。しかしジャスミンは最初の給料を貰って他の工場に移られないようにという社長の考えで、一円の給料も出ないで、強制的に貯金に回される。みんな友だちは古里に帰っていくのにジャスミンは工場で正月を越さなければならない。
▼そしてリーダーの少女はボーイフレンドがいて彼を両親に紹介するため、実家に里帰りする。両親や親戚は彼の実家が裕福ではないので、どうやら結婚に反対している。気が弱く、人の良さそうな彼は両親や親戚に馴染んでゆく。そして彼女のためにネックレスをプレゼントし絆は深まっていく。
▼あまりにも労働条件が悪いし、学校で習った労働法とも違いすぎると、ジャスミンは同僚に話し、「警察に訴えようか」と話すと社長は元警察署長だから電話一本で握りつぶされるから止めておいた方が良いと云われる。人気のない宿舎にたたずむジャスミン、ふとこの間創った巨大なジーンズはどこの誰が穿くんだろう。ジーンズのポケットに手紙を入れて聞こうかと思う。しかしそれも友人に止められる。取材社が工場の役職者に納品先を聞くと、「アメリカのカルフールだ」と言い、その現場で陳列する金髪の美女が写る。この撮影には多くの撮影妨害やフィルム没収があったとエンディング・ロールで出てくる。グローバル企業はこのように中国の未成年の少女を長時間労働と低賃金の搾取して成り立っているのである。だから「ああ野麦峠」のような収奪は今中国で実践されている。渋谷イメージフォーラムで。午前3時すぎGoogleのロボットがサーチに何度も来ていた。

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October 05, 2008

日本が買ったアメリカ債が紙くずになるとき

▼本日はメルマガの締め切り日です。あとお一人の原稿を待っていれば送信できる状態です。その他「書きたい」とおっしゃる方も投稿をお待ちしています。
▼ブログに「知覧特攻平和会館」の事を書いたら、次々「ボクも行った」、「わたしも行ったことがある」というメールやお手紙を頂いています。その感想はほぼわたしと同じであることが分かり、何となく安心しています。
▼昨日はヒルから渋谷イメージフォーラムに「女工哀歌」というドキュメンタリーを見に行きました。普通の映画の初回上映時間は11時から12時が一番多いのですが、この映画は12時50分という中途半端な時間でした。わたしがなぜ朝一番の映画を見るかといえば、お腹が一杯だと眠くなったり、集中力がなくなってしまうからです。そこでいつものように表参道の「ナチュラル・ハウス」でヘルシーな弁当を買って、天気が良いので青山学院の庭で食べてから映画館に向かいました。それでも時間に余裕があったのでWAに立ち寄りました。別に何も買わなくてもショーウィンドウを見ているだけでため息が出てきます。
▼昨晩午後10時からはいつもの金子勝の「ニュースにだまされるな」を1時間だけ見ました。午前零時まで見ていると翌日に影響が出るからです。残りの録画は本日見る予定です。前半ではアメリカの金融不安が起きたときの日本のメディアの対応のまずさです。つまり大事件が起きたとき日本は連休だったり、新聞休刊日なのです。そして速報が出来るはずの日本のTVは相変わらずバ○なバラエティ番組の連発で、それを報道しようとしない。そして麻生をして「日本経済への影響は極小である」と言わせています。しかし今のヨーロッパの実情を見るとスエーデンが「預金は全額保証する」と政府が言ったので、ヨーロッパのお金が集中して来てしまっている。つまり自分さえよければという考え方は出来ない。
▼そしてアメリカは現ブッシュ政権のうちは何をやっても効果は期待できない。アメリカ債を一番買っている中国でさえ、もう買うのはストップさせている。買い続けている日本のそれが紙くずになろうとしている時、政府いや官僚たちの対応はあまりにもまずすぎるというものでした。はっきり言ってわたしたちの貯金が紙くずになる日もそれほど先の事ではなくなりそうだ、というのです。

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October 04, 2008

銀行のATM化で儲けているのは誰か?

▼この間の振り込み詐欺というのは一向に減らない。良く考えて見ると不思議な事に気づいた。窓口に人がいれば問題というか被害は起きない。そもそも振り込み詐欺というのは、無人のATMが出来てから急速にその被害は広がった。つまりそのATMの弱点を逆手に取ったわけだ。銀行は省力化して利益を上げるために窓口の人員を減らしたり、銀行を統廃合していった。その結果がこのありさまである。ATMにして一番儲かったのは本家の銀行であり、次はATMの機械を作ったメーカーで、3番目が振り込み詐欺をしている連中だと思う。
▼それがATMの所で携帯を使えなくしてしまえとか、警察官を配置するとか、役所の人間を配置せよとか言いだした。しかしこれは筋違いの論理である。人を減らして儲かっているのは銀行だから、銀行が銀行員を全部のATMの脇に配置すれば良いわけである。なぜ銀行を太らせたまま、警察や公的機関が人を配置しなければならないのか。こういう論理は本末転倒である。

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October 03, 2008

井上ひさし「ボローニャ日記」NHKハイビジョンを見る

Soraben(羽田の空弁「細巻き寿司」)
▼カメラメーカーから毎月パソコンの壁紙用の画像の案内が来る。しかし今月のコスモスはどう見ても素人写真だなー。先月の蓮の花も酷かったが、今月はどうしようもない。1日の朝日夕刊にフォトグラファーの蜷川実花がコラムを書いていた。それによると彼女は年間13万枚のシャッターを押す。ということは一日平均360枚だと言っている。たしか考えながら数を多く撮れば上達するに違いない。わたしの場合は9月は380枚だったから、プロと比べるとまだかなり少ない。
▼1日の深夜(正しくは2日午前1時頃から2時間)NHKハイビジョンで「井上ひさしのボローニア日記」という番組が放映された。テレビは時間がもったいないし、深夜に起きている体力もないので録画して見た。この本の事はメルマガでご紹介した通りである。実際はNHKがスポンサーになって付いていったのだ。殆どは本を読んでいただければ分かることだが、まず女性図書館に行く所から始まる。図書館を運営するには井上自身、古里の山形に遅筆堂文庫を作り、自分が資料として買い込んだ13万冊の本を寄贈した話にも触れる。図書館は本の数もさることながら運営が大変なのだ。女性館長さんは日本でいう町、市、都などに3年に一度企画書を出す。それが審査されてOKになると個人の篤志家から市の予算、果てはEUから資金を受ける事ができると話していた。ちょうど図書館には20歳前の女性が二人いて、2冊の本を読んでいた。一人は女性の身体が成人するとどのように変わっていくかという本であると言う。もう一人はスペインの詩人「ロルカ」の詩集であると話していた。
▼後半登場する東洋文化の研究をしていて、京都に10年ほど住んでいたニーナさんという大学教授も出てくる。彼は日本語ペラペラなのだが、町の一角に自分の図書館があって来日中集めた絵画を中心とした図書が山ほど並んでいる。井上が「ここには高価な本も揃っているが費用がかかったでしょう」と聞くと「確かに高かった」という。今は個人図書館になっているが、町に住んでいる人なら誰でも利用できる。そして将来は町に寄付して公共の施設にしてもらうと言っている。
▼ボローニャはかつて紡績の町から工業の町へと変化した。紡績も最初は人力だったが、運河を引いてその水力を使って紡ぐ機械を工夫して作る。それが現在では工業の町へと変化を遂げている。現実に工業高校には大勢の学生が通っており、卒業したらこの町で働きたいと言っている。井上は日本の品川あたりの町工場が技術はあっても、将来の展望がないと歎くが、ここでは困難な事があったら昔を振り返ればヒントが見つかると自信をもっている。それに助け合うという精神が町中にみなぎっているのだ。この技術の顕著なのは本に出ているが日本の伊藤園というメーカーの小さなティーバッグの作成にこのボローニャの技術が使われている。最初はホチキスで糸を留めていたが日本人の舌は絶妙に味を見分けるので糸で紙袋を括る技術を開発してそれが今や日本だけではなく、世界中を席巻している。
▼そこの技術者は資金より大切なものがある。日本はアメリカの基礎技術に頼り切っていいないか?我々はどんな小さなニーズにも対応できる。日本に欠けているものはそれではないかと言い切って重要な示唆をしていた。見ていてメモも沢山あるし書きたい事は山ほどあるがそのうち地上波で放映されるからご覧頂きたい。しかし井上の取材ノートの取り方はひじょうに勉強になった。

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October 02, 2008

「みひつのこい」とは何か?

Marizon(福岡マリゾン)
▼2日ほど前に地デジTV朝日で再放送されている「相棒」をチラッと見ていたら、上記「未必の故意」というのがテーマだった。決して「ヒミツの恋」ではないので、誤解のないようにお願いしたい。そして今朝の朝日を見ていたら、大阪の「個室ビデオ放火」事件で警察はこれは「未必の故意」であるとしている。何、意味が分からない?仕方ない広辞苑第5巻の電子辞書でご紹介すると「〔法〕行為者が、罪となる事実の発生を積極的に意図・希望したわけではないが、自己の行為から、ある事実が発生するかもしれないと思いながら、発生しても仕方がないと認めて、行為する心理状態。故意の一種。」となる。
▼昨日のブログはタイマー機能を使って30日夜に書いたものだから、新しいニュースは入っていない。朝刊で防衛省の中で警備に当たっていた隊員が拳銃を発射したという事件があった。しかしこの事件はおかしい。というのは当直が終わった場合、隊員は弾倉が空に鳴っていることを確認してもらって、武器庫に拳銃を返納するのである。一度市ヶ谷の自衛隊の守衛所で直接聞いた事があるが、小銃に弾は込めてない。本来弾は武器庫にしまってあるが、守衛所では弾倉に込めないで別の所に置いてあるという説明だった。ということは普段拳銃には弾は込めていない、と考えるのが正しい。しかも室内の奥まった位置である。そして朝任務に就いて拳銃を受け取る時も、弾倉が空であることを確認して受け取る。だからこの隊員は何かいたずらで、弾を込めていたそしていたずらに引き金を引いたと見るのが正しい。市ヶ谷で小銃を写真に撮らせてもらおうと思ったとき、隊員は小銃を手に持ってレバーを引き、銃口を空に向けて引き金を引いて見せた。銃を手に取る時は空に向かって空撃ちするのが原則である。それなのに隊員は床に向かって2発発射している。いたずらだったのかあるいは自殺未遂だったのか、真相はやみの中である。
▼秋葉原のヨドバシで18歳以下の少年に、ソフトエアガンを売ったとして処分された。何回も言うがトイガンのそれはソフトエアガンと言われて空気銃とはまったく別のモノである。トイガン弾丸は通常6ミリのプラスティック弾(通称BB弾)だ。というのは昨年の銃刀法の改正で、6mmBN弾においてガスが0.98ジュール以上の出力の物は準空気銃となり違法となった経緯がある。何度も行っているがエアソフトガンで死亡したり失明するなど大怪我をした人は未だに一人もいないのだ。殺人のそれは新聞のニュースなどを見ている限り誰でも手に入る包丁が一番多い。次がナイフに紐、次が手を使ったものだ。
▼しかし秋葉原を管轄する万○橋K察はあの事件が起きる数年前からナイフを持っている人を、職務質問してチェックしていたが事件は防ぐ事ができなかった。もし刃物を持っていると大事件のように大げさに騒いで、始末書を書かせていた。そして今度が秋葉原のヨドバシ。おおよそ犯罪の防止などを防ぐ事を真剣には取り組んでいない。
▼秋葉原といえば30日NHK「爆笑問題ニッポンの教養」は姜尚中さんが登場して秋葉原の事件を分析していた。姜尚中の専門は「政治学」だが、秋葉原事件は安定した雇用がないことだと簡単に片付けてしまうのは間違いだという。そして事件を起こした彼は自分の苦悩を発信していることを誰も関心を持ってくれなかった事があの事件になったと指摘する。それは対談をした田中をして彼の「ネット殺人予告」で容疑者が逮捕された事件があった。それを田中は自分もネットでその文章を読んでいたが、コメントも何もするわけにはいかない。そうすると容疑者は完全に自分が無視されたと、「脅迫文がますますエスカレートして行ってしまう。だがこれは「単なる冗談」ではすまされなくなる。
▼姜尚中は言葉で相手を理解する必要性を説く。ところが現実の政治では相手を攻撃しあるいは、国と国との問題では武力行使に発展してしまう。相手を理解するには自分の主張を一旦引き下げて相手の意見をじっくり聞いて、歩み寄れる一致点は何かを探らないと何も解決しない、という意味の話をしていた。

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October 01, 2008

◇「トウキョウソナタ」を見る

Heiwanokane(知覧特攻平和会館、平和の鐘)
▼投稿欄に鵜の目さんが書いていらっしゃるが、29日からNHKBS2で「ER13」が始まったようである。その情報をしらなくて見逃してしまった。ぽちぽち山さん見ていたらゴメン、録画できなかった。実はERもグリーンが死んで葬式までが面白かったが、その後は常連が一人ひとりいなくなって面白くないのだ。
▼ブログに俳優の名前が入ると、その名前でのアクセス数が急に増える。一体何を知りたいのだろう。俳優がプライベートをネットで公表するとでも思っているのだろうか?
▼今朝はかなり多忙で、その後会議が連続する。
◇「トウキョウソナタ」大企業の総務課長香川照之は、総務部を大連に移すからと上司から宣告される。会社に何が具体的に貢献できなければ辞めてと言われてしまう。しかし50近い男がハローワークに行って面接してもスーパーの清掃か、夜間の警備員の口くらいしかない。ハローワークの職員に「今まで以上の賃金の仕事があると思わないでください」とクギをさされる。もう行き場を失った香川は、毎日スーツを着てカバンを持って家を出る。妻(小泉今日子)からは「きょうは昨日の様にまた早いのですか?」と聞かれる。しかし行くアテはない。公園をぶらついていると、ホームレス向けの炊き出しにありつく。そして元学校時代の男にも出会う。何となく様子がおかしいと思って聞くと、彼も失業中である。
▼彼は妻に怪しまれているので一度家に来て食事を一緒にして欲しいと頼む。同級生の携帯は一時間に5回自動的に鳴るように設定されていて、いかにも忙しい様子を装う。友人の家では何となく気まずい思いで辞去して自宅に「取引先の接待で遅くなった」と戻る。香川の家では妻は二人の子どもたちと4人で生活している。大学生らしい長男はティッシュ配りのアルバイト、次男は中学生で学校では教師に食ってかかるので浮いた存在だ。妻の小泉は家事を切り盛りして、運転免許を取ったばかりだ。そして長男は日本人がアメリカの軍隊に応募できることになったので、応募すると言い出す。それには未成年は父親の承認が必要だが、香川はそんなの絶対認めないと怒鳴る。しかし長男は「日本はアメリカの世話になっているのだから、軍隊に入るのは当たり前で、それが世界平和につながる」と力説する。香川は断固拒否し、家を出て行けというので、長男は「保証人になってくれる機関に頼む」とプイと出て行ってしまう。
▼そして香川が公園の炊き出しを食べている所を妻に目撃される。そしてデパートのトイレや床清掃に慣れない手つきで勤しむ。長男はアメリカに出国し、まさかと思っていたイラクに派遣される。そして次男は町で見かけたピアノレッスンの先生(井川遙)があまりにも綺麗だったので、給食費を誤魔化して入所してしまう。やがてそれも親にバレてしまうのだが、レッスンの先生は「類い希な能力があるから音楽専門の中学校に入れるよう」と強く推薦する。しかし父親は大反対だ。そして妻は留守中に強盗(役所広司)に入られて人質となって強制的にドライブをさせられる。このように一家は収集がつかない状態でバラバラになっていく。父親は「親に隠し事をするな」というのが口癖だったが、実は一番隠し事をしていたのは自分自身だったのだ。妻は強盗に生きる目標を与えてくれた女神のような人だと開放される。そして夫は清掃の仕事も身についてくる。要するに見栄さえはらなければ何とかこの世を暮らしていけるのだという事を学ぶ。そして夫婦二人そろって次男の「入学試験」を見学に行くとそれはそれは見事な、ピアノソナタ「月の光」だった。恵比寿ガーデンシネマで。

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