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October 03, 2008

井上ひさし「ボローニャ日記」NHKハイビジョンを見る

Soraben(羽田の空弁「細巻き寿司」)
▼カメラメーカーから毎月パソコンの壁紙用の画像の案内が来る。しかし今月のコスモスはどう見ても素人写真だなー。先月の蓮の花も酷かったが、今月はどうしようもない。1日の朝日夕刊にフォトグラファーの蜷川実花がコラムを書いていた。それによると彼女は年間13万枚のシャッターを押す。ということは一日平均360枚だと言っている。たしか考えながら数を多く撮れば上達するに違いない。わたしの場合は9月は380枚だったから、プロと比べるとまだかなり少ない。
▼1日の深夜(正しくは2日午前1時頃から2時間)NHKハイビジョンで「井上ひさしのボローニア日記」という番組が放映された。テレビは時間がもったいないし、深夜に起きている体力もないので録画して見た。この本の事はメルマガでご紹介した通りである。実際はNHKがスポンサーになって付いていったのだ。殆どは本を読んでいただければ分かることだが、まず女性図書館に行く所から始まる。図書館を運営するには井上自身、古里の山形に遅筆堂文庫を作り、自分が資料として買い込んだ13万冊の本を寄贈した話にも触れる。図書館は本の数もさることながら運営が大変なのだ。女性館長さんは日本でいう町、市、都などに3年に一度企画書を出す。それが審査されてOKになると個人の篤志家から市の予算、果てはEUから資金を受ける事ができると話していた。ちょうど図書館には20歳前の女性が二人いて、2冊の本を読んでいた。一人は女性の身体が成人するとどのように変わっていくかという本であると言う。もう一人はスペインの詩人「ロルカ」の詩集であると話していた。
▼後半登場する東洋文化の研究をしていて、京都に10年ほど住んでいたニーナさんという大学教授も出てくる。彼は日本語ペラペラなのだが、町の一角に自分の図書館があって来日中集めた絵画を中心とした図書が山ほど並んでいる。井上が「ここには高価な本も揃っているが費用がかかったでしょう」と聞くと「確かに高かった」という。今は個人図書館になっているが、町に住んでいる人なら誰でも利用できる。そして将来は町に寄付して公共の施設にしてもらうと言っている。
▼ボローニャはかつて紡績の町から工業の町へと変化した。紡績も最初は人力だったが、運河を引いてその水力を使って紡ぐ機械を工夫して作る。それが現在では工業の町へと変化を遂げている。現実に工業高校には大勢の学生が通っており、卒業したらこの町で働きたいと言っている。井上は日本の品川あたりの町工場が技術はあっても、将来の展望がないと歎くが、ここでは困難な事があったら昔を振り返ればヒントが見つかると自信をもっている。それに助け合うという精神が町中にみなぎっているのだ。この技術の顕著なのは本に出ているが日本の伊藤園というメーカーの小さなティーバッグの作成にこのボローニャの技術が使われている。最初はホチキスで糸を留めていたが日本人の舌は絶妙に味を見分けるので糸で紙袋を括る技術を開発してそれが今や日本だけではなく、世界中を席巻している。
▼そこの技術者は資金より大切なものがある。日本はアメリカの基礎技術に頼り切っていいないか?我々はどんな小さなニーズにも対応できる。日本に欠けているものはそれではないかと言い切って重要な示唆をしていた。見ていてメモも沢山あるし書きたい事は山ほどあるがそのうち地上波で放映されるからご覧頂きたい。しかし井上の取材ノートの取り方はひじょうに勉強になった。

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