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October 21, 2008

NHK「世界同時食料危機」①と②を見る

▼メルマガをお読みになってどんな感想をおもちになっただろうか?投稿なさらない方は感想だけでもお聞かせいただきたい。さて先週金曜日の17日と、日曜日19日NHKで「世界同時食料危機」の①と②を見たが中々見応えのある番組だった。話はこうだ。伊勢湾台風のあった年1959年9月26日伊勢湾に上陸した台風は猛威を振るって死者と行方不明者5千人、負傷者が2万9千人にのぼった。これはわたしが中学3年生の頃だったと記憶している。長野の村にあった鎮守の森にあった2本の樹齢300年の欅は根本からなぎ倒され、隣にあった叔父の家の屋根は吹っ飛んでしまった。
▼そのときアメリカは被災地に36頭の豚をプレゼントした。しかしそれまでの日本の農村の養豚と言えば、農民の食べた残飯で飼育しているものが殆どだったが、この豚にはトウモロコシが餌としておまけにつけられていた。つまりトウモロコシしか食べない豚なのだ。そして生育期間も今までと違って短縮することができた。それがアメリカの対日食料政策が具体化し始めたのだ。いやそれまでにもMSA協定による学校給食への「援助」によってコッペパンに変化したり、脱脂粉乳に変えられたときがすでにスタートしていた。
▼当時のアメリカの農業は作っても作ってもトウモロコシも小麦も安く買いたたかれるばかりだった。ここでアメリカは国家を挙げて農協の巨大商社CHSを作って作戦を練る。輸出する先の国家の国民の味覚を変えてしまえば、後はこっちのものだ。それから50年、当初は「米を食うものはバカになる」とか「パンを食べれば頭が良くなる」という色々な説がまかり通った。今街角にはマクドナルドなどのジャンクフードが蔓延している事はご承知の通りだ。豚だけではなく鶏卵も乳牛もトウモロコシなしには生育がなりたたなくなってしまった。一度変えられた味覚は何十年もかからないと元には戻らない。
▼そして小麦やトウモロコシが投機の対象になってしまった。そしてカネのない国は、これらの小麦や大豆が手に入らなくなってしまった。この傾向は日本だけでなく、全世界的な傾向である。そして世界各地で食料暴動が発生している。アジアではタイ、台湾、アフリカではNHKの図示した地図によるとエジプトやチュニジアが該当する。そして飢えに泣くアフリカの子どもたち。ほくそ笑むのは上記CHSである。そして議会に対してはロビー活動を活発に行っている。
▼2回目はなければ土地を確保して作れば良いという考え方が紹介される。その最大の土地があるところはウクライナである。日本の小規模な会社の男性が現地に住み込んで大豆の生産を始める。しかしイギリスの大会社が乗り込んで来て土地を買い占めにかかる。その規模たるや日本のそれでは想像もできない。札束に物をいわせてウクライナ政府から言い値で買い取り、土地はすぐGPSでマーキングされ本社で管理できるようにする。そして土地にはギャング対策でAKを持った傭兵を配置するという用意周到ぶりである。ヨーロッパの穀倉のウクライナを抑えればもう何でも売り手市場である。日本の株式会社はカネがないから土地を明け渡すしかなくなる。もう日本の商社のカネに物をいわせれば、何でも買える時代ではない。今考えられているのは日本の休耕田に飼料用の米を生育させる方法が試みられている。休耕田は日本の全部の面積を集めれば滋賀県に匹敵する。それを完成させられれば輸入は一切しなくても自給ができるかも知れない。さらにゴミを分析する京都の研究者たち。ゴミを分析すると賞味期限切れとか手つかずで捨てられているものが実に多いことが分かる。この賞味期限内にきちんと消費すれば、食料や原料を輸入しなくても済む。
▼まあこんな話でNHKとしては画期的な番組だったと思う。対米従属の政治・経済システムには触れていなかったがNHKだから仕方ない。最早テレビで大食いやグルメ番組をやっている時でなない。

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