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October 25, 2008

メディアが煽る日本人の帰属意識

▼賭博打ち兼作家(本人自称)の森巣博が23日の朝日と今週発売になった「週刊金曜日」で書いている。朝日の方は「ノーベル賞米国籍なのに『日本人』とは」という内容だ。そこで森巣は「どこから見てもアメリカ人が、日本人として報道される」と疑問を呈しているのだ。そして「自分のことを『日本人』だと考え始めたのは、西南戦争(1877年以降であろう。明治政府の集中した教化(洗脳)の成果だった」と締めくくる。新聞はこのノーベル賞受賞に限っていやにナショナリズムを煽り立てるが、北京オリンピックでメダルが不足した事を、ノーベル賞で補おうとでもしているのだろうか?
▼そして「週刊金曜日」森巣は「アングラ・カジノ資本主義」という一文を書いている。ここで彼は株取引というものの出発を17世紀に遡ってロンドンのコーヒーハウスから解き明かしている。当時サウス・シー(南洋)諸島に胡椒を採りに行くと莫大な利益が上がった。それは船を仕立てその費用を分散させるために株が出来たのだ。しかし船が難破したり沈没すれば、元手はまさに海の藻屑ときえる。いずれにして株取引とは成り立ちの出発から「一攫千金」だったのだ。そして「金融システムのバブルが弾けた、なんて驚くことはない。なぜならそれが資本主義の本質であるのだから」と言い切るが、まさにその通りである。
▼わたしは学位、肩書きというのは余り信用していない。あくまでもその人に会った時感じた人柄でしか評価しない。今朝の「世に倦(う)む日々」というブログを読んでいたら最後に今の経済状況を批判して「米国の大学のMBAの修了証は、ソ連共産党の党員証のような無価値なものになる。」と指摘している。今でもMBAを有り難がって取得したり、日本でも取得できる制度が出来たりしているが、何も役に立たない資格とは、こういうのを言う。
▼最初の話に戻る。最近書店でレニ・リーフレェンシュタインのが記録した1936年のベルリンオリンピックのDVDが安価で売っていたので買ってみた。その迫力たるやヒトラーに実力を認められたレニ監督だけの事はあると思った。そしてマラソンの場面、当時日本の支配下にあった朝鮮が、「日本」として紹介され、力走する孫選手の背中のゼッケンには「japan」の文字がある。そして「日本の孫、日本の孫」とアナウンスされるが、とても嫌な気分になった。麻生総理の「創始改名」が自発的なものだという発言が頭をよぎったからだ。あの時孫はどんな気持ちで走り続けたのだろう。おそらく母国である朝鮮のプライドを高く掲げて走り続けたのではないかと思う。そのノーベル賞の「日本人」としての帰属意識など、マスメディアが作り上げたカゲロウに過ぎないのだ。

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