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December 01, 2008

◇「未来を写した子どもたち」を見る

▼仕事に関する急ぎの連絡はメールで、相手が忙しく緊急性のないものはハガキで連絡するように心がけている。メールの場合送ったその日のうちに連絡がくればベストである。ハガキは往復で1週間以内に連絡がくればベストだと考える。しかし最近身の回りに起きていることと言えば、ふたつの手段がいずれも音信不通となっている。わたしの仕事関係のメールは大体2、3時間で返事が来るケースが多い。連絡が来ないということは、わたしが敬遠されているのだと考えている。来なくてもこちらは一つも困らないので、放っておくしかない。
◇「未来を写した子どもたち」インドの売春窟に住む子どもたちはかなり大勢いる。写真家のザナ・ブリスキはインドに通っているうちにここに住む少年達と仲良くなる。そして写真を通じて社会に関心を持ってもらうことはできないかと考えるようになる。自分は何も資格もない写真家だから、写真を通じて少年・少女に関わろうとする。そしてキャノンの自動フィルムカメラを彼らに買い与える。それがネットで調べるとザナはお金がないのでクレジット・カードでそれらを買って映画作りを始めるのだ。普通の映画ではエンディング・ロールでスペシャル・サンクスというクレジットで協力企業の名前が出てくるが、同社は出てこない。さすが契約社員のバッサバッサとクビを切るキャノンだけのことはある。ザナは10人ほどの子どもにカメラとフィリムを渡して写真を撮ってくるように話す。もちろん始める前にはフレーミングの基礎技術などを教える。
▼写真というのはいくらプロカメラマンでも出来ない事がある。それは組織や集団の内部にいる人たちの「目」にはかなわないということだ。売春窟だから外部の目には警戒する。その点そこで生まれ育った子どもたちは警戒されない。そしてカメラは少女たちの目と同じ視線で内部の生活を切り取っていく。そしてある時ザナはバスに乗せて海に少女たちを連れて行く。始めて見る海は新鮮だ。波と戯れる子どもたちは心から開放されている。というのは10歳くらいの少女は「いつから客を取るのか」と常に聞かれている。そして母親が何をしているか知っている。妹や弟が生まれて母が老いたら自分が稼がなければならないという事を痛いほど知っている。だから海に来たことはそれを一瞬でも忘れる事ができるひとときなのだ。
▼そしてザナはこの売春窟にいては彼らに未来を与える教育の機会を奪う事になると思うようになる。そして相棒のロス・カウフマンと写真のさらなる勉強とさせる。さらにカトリックの寄宿舎に入れて勉強させる事を考える。最初に書いた「自分は教師の資格もカウンセラーの資格も持っていないが、貢献できることは何か」と考えた末の行動だ。それにはHIVの検査をして陰性でなければならない。これは全員がパスする。次は一人ひとり親を子どもを寄宿舎に入れる事を納得させなければならない。されに無限と思われる入所に必要な書類の山との格闘。苦労して寄宿舎に入ったものの、親の意思、子ども自らの選択で10年の寄宿舎生活での勉強に残ったのはkochiと呼ばれる女の子ただ一人だった。しかし少女たちの自立を促すためのザナの精力的資金集めの姿には頭が下がる思いだ。NYでの写真展、ユニセフのカレンダーに子どもたちの写真を使ってもらうetc,etcなど。いつかこの純真な子どもたちの目で見た世界が、現実のものとなる日が来ると良いのだが。銀座シネスイッチで。

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